ROIとは?計算式と計算例・ROASとの違い・向上方法

#活用方法
ROIとは?計算式と計算例・ROASとの違い・向上方法

|広告運用ノウハウ公開中!

より詳しく知りたい方は資料をダウンロード!

広告のレポートでROASは十分に高いのに、月末に利益を計算すると思ったほど残っていない。施策ごとの成果を「ROI」で比べるように言われたけれど、何を利益に入れて、何で割ればよいのか分からない。そんな迷いを持つマーケターや経営者は少なくありません。

ROI(Return On Investment)とは、投資した費用に対して、どれだけの利益が出たかを表す指標です。日本語では投資利益率や投資収益率と呼ばれ、基本の計算式は「利益 ÷ 投資額 × 100」です。ただし、広告のROIは、何を「投資額」に入れるかで同じ広告でも数字が変わり、売上で計算すると実際より大きく見えます。

この記事では、ROIの意味と計算式、計算例、ROAS・CPA・LTV・ROEとの違い、広告のROIを売上ではなく利益で出す手順、目安の決め方と回収期間、ROIを向上させる方法を、図と計算例で解説します。記事中の計算例の数字は、特に出典を書いたもの以外はすべて説明用の数字です。

\LPの制作から検証まで、ひとつの画面で/

  • ・10日間、有料プランの機能を無料でお試しいただけます
  • ・LP制作からA/Bテスト、効果測定までワンストップ
Squad beyond を10日間無料で試す >>

1. ROIとは?投資に対してどれだけ利益が出たかを表す指標

ROIは「Return On Investment」の略で、投資した金額に対して、その投資からどれだけの利益が得られたかを割合で表す指標です。

中小企業基盤整備機構のJ-Net21では、設備投資の採算性を評価する方法の一つとして「投資利益率法」を挙げ、投資によって得られる増加利益を投資額で割って利益率を出す方法と説明しています(出典:設備投資計画における採算性の計算方法について教えてください。|J-Net21(中小企業基盤整備機構))。

広告の分野でも同じ考え方を使います。Google 広告 ヘルプでは、ROI(投資収益率)を「広告と無料商品リスティングから得られる収益とかかった費用の比率を表す指標」とし、「投資収益率 = (収益額 - 総費用) ÷ 総費用」という式を示しています(出典:費用対効果(ROI、投資収益率)とは|Google 広告 ヘルプ)。同じページには、クリック数やインプレッション数を知ることも有益だが、ビジネスに対する広告の貢献度を把握することはそれ以上に大切、とも書かれています。

ROIは割合で表すので、金額の規模が違う投資どうしでも比べられます。100万円の投資で10万円の増加利益が出た施策と、10万円の投資で5万円の増加利益が出た施策では、利益の金額は前者が大きくても、ROIは前者が10%、後者が50%です。広告・LP・ツール・設備など、使い道の違う投資のどこにお金を振り向けるかを決めるときの共通のものさしになります。

1-1. 「費用対効果」という言葉は、ROIとROASのどちらにも使われる

日本語では、ROIを「費用対効果」や「投資対効果」と言い換えることがあります。注意したいのは、広告の世界では「費用対効果」がROAS(広告費用対効果)にも使われることです。

Google 広告 ヘルプの日本語版でも、ROIを「費用対効果(ROI)」、ROASを「目標広告費用対効果(ROAS)」と書き分けています(出典:コンバージョン値について|Google 広告 ヘルプ)。ROIは利益を、ROASは売上を広告費と比べる指標で、同じ広告でも数字は大きく違います(違いは第3章)。社内で「費用対効果」と言うときは、どちらの意味かを最初にそろえておきます。

2. ROIの計算式と計算例

ROIの計算式「利益÷投資額×100」の図。原価1万円の商品を2万円で6個、広告費2万円で売った例で、分母を総費用にすると50%、広告費だけにすると200%になる

ROIの基本の計算式は次のとおりです。

ROI(%)= 利益 ÷ 投資額 × 100

たとえば、投資額100万円で、その投資によって増えた利益が50万円なら、ROIは 50万円 ÷ 100万円 × 100 = 50%です。

2-1. 分子は「投資した費用を引いた後の利益」

ROIの分子に入れる利益は、売上ではありません。売上から、原価と、投資した費用そのものを差し引いた後に残る利益です。Google 広告 ヘルプの式でも、収益額から総費用を引いた額を分子にしています(出典:費用対効果(ROI、投資収益率)とは|Google 広告 ヘルプ)。

売上をそのまま分子に入れると、それはROIではなく、売上と費用の比率(広告ならROAS)になります。ROIを「儲かったか」の判断に使うなら、分子は必ず利益にします。

2-2. 広告のROIは「分母に何を入れるか」で2通りある

広告のROIは、分母の「投資額」に何を入れるかで、2通りの出し方があります。Google 広告 ヘルプの例の数字で比べてみます(出典:費用対効果(ROI、投資収益率)とは|Google 広告 ヘルプ)。

  • 原価1万円の商品を2万円で販売し、Google 広告で6個売れた
  • 売上は12万円、原価は6万円、広告費は2万円
  • 利益は 12万円 −(6万円 + 2万円)= 4万円
出し方分母計算ROI
総費用で割る(Google 広告 ヘルプの式)原価 + 広告費 = 8万円4万円 ÷ 8万円 × 10050%
広告費で割る広告費 = 2万円4万円 ÷ 2万円 × 100200%

Google 広告 ヘルプは、総費用で割る式で50%と計算し、「100 円の費用をかけるごとに、150 円の収益が得られます」と説明しています(出典:広告費用対効果の概要|Google 広告 ヘルプ)。一方、広告の運用では「広告費1円あたり、どれだけ利益が残ったか」を見たいことが多く、その場合は広告費で割ります。この例では、広告費2万円に対して4万円の利益が残ったので200%です。

どちらが正しいということはありません。大事なのは、同じ広告でも分母が違えば数字が4倍も変わることです。施策どうしを比べるときは、社内で分母(どの費用を投資額に入れるか)を決めて、そろえてから比べます。この記事の第3章以降の計算例は、広告費で割る出し方で計算しています。

2-3. ROIが0%・マイナスのときの意味

ROIの分子は、投資した費用を引いた後の利益です。そのため、ROIの見方は次のようになります。

  • ROI 0%:利益がちょうど0円。投資額をちょうど回収できた状態
  • ROI がマイナス:投資額を回収できていない状態。−50%なら、投資額の半分が戻っていない
  • ROI 100%:投資額と同じ額の利益が、投資額を回収した上で残った状態

ROIが100%を下回っても、0%を上回っていれば、投資額は回収できています。回収できたかどうかの境目は0%です。

3. ROI・ROAS・CPA・LTV・ROEの違い

ROI・ROAS・CPA・LTVの違いの図。広告費10万円・売上50万円・原価30万円・購入20件の例で、ROIは100%、ROASは500%、CPAは5,000円。LTVはROIを数える期間を延ばす考え方

ROIとあわせて使われる指標に、ROAS・CPA・LTV・ROEがあります。上の図は、広告費10万円・売上50万円・原価30万円・購入20件という同じ数字で、それぞれを計算したものです。

指標計算式この例の値向いている使い方
ROI(投資収益率)(売上 − 原価 − 広告費)÷ 広告費 × 100100%広告で利益が出たかを判断する
ROAS(広告費用対効果)売上 ÷ 広告費 × 100500%広告・媒体・キャンペーンどうしを比べる
CPA(顧客獲得単価)広告費 ÷ 成果の件数5,000円売上の金額がまだ決まらない成果を見る
LTV(顧客生涯価値)1人の顧客が取引期間にもたらす合計—ROIを数える期間を延ばす
ROE(自己資本利益率)当期純利益 ÷ 自己資本—会社全体の経営効率を見る

3-1. ROASとの違い:売上で見るか、利益で見るか

ROASは、広告費に対して広告経由の売上がどれだけあったかを表す指標です。Google 広告 ヘルプでは、広告にかける費用100円につき売り上げ500円を目指す例を「売り上げ 500 円 ÷ 広告費用 100 円 × 100% = 目標広告費用対効果 500%」と計算しています(出典:目標広告費用対効果に基づく入札について|Google 広告 ヘルプ)。

ROIとROASの違いは、売上で見るか、利益で見るかです。上の例では、ROASは500%ですが、原価と広告費を引くと利益は10万円で、ROIは100%です。原価の割合が高い商品なら、ROASが高くてもROIはマイナスになります。日々の運用では広告どうしをROASで比べ、月ごとの振り返りや予算を決めるときにROIで「儲かったか」を確かめる、と使い分けます。

3-2. CPAとの違い:1件あたりの費用か、利益の割合か

CPAは、成果1件を得るのにかかった広告費です。上の例では 10万円 ÷ 20件 = 5,000円です。Google 広告 ヘルプでは、見込み顧客を1件獲得するために要した費用を「コンバージョン単価(CPA)」と呼んでいます(出典:広告費用対効果の概要|Google 広告 ヘルプ)。

CPAは安いほど良く見えますが、CPAだけでは利益が出たかは分かりません。1件の成果から得られる利益がCPAを上回っていれば、ROIはプラスです。CPAの考え方と目標の決め方は、広告のキホン「CPA」とは?定義、目標設定・改善メソッドを解説にまとめています。CPAが上がってしまったときの見直し方はCPAを下げるには?高騰の原因と具体的な改善策6つで解説しています。

3-3. LTVとの違い:いつまでの利益を数えるか

LTV(顧客生涯価値)は、1人の顧客が取引を続ける期間全体で、自社にもたらす売上や利益の合計です。ROIを初回の購入だけで計算するか、LTVで計算するかで、同じ広告の評価が変わります(計算例は第4章 4-3)。LTVの考え方はLTVとは?計算式・重要視される理由・高め方を解説、計算式の使い分けはLTVの計算方法|4つの計算式の使い分けと業種別の試算例を解説で解説しています。

3-4. ROEとの違い:施策の効率か、会社全体の効率か

ROE(自己資本利益率)は、日本取引所グループの用語集では「当期純利益を、前期及び当期の自己資本の平均値で除したもの」とされ、自己資本を元手として1年間でどれだけの利益をあげたかを見る、企業の経営効率を測定する指標の一つです(出典:自己資本当期純利益率|日本取引所グループ 用語集)。

ROIが広告やLP、設備などの個別の投資を評価するのに対し、ROEは会社全体の効率を見る指標です。マーケティング施策の判断に使うのはROIです。

4. 広告でROIを出す手順|売上ではなく利益で見る

広告のROIを出すときは、次の4つを先に決めます。決めないまま計算すると、担当者や施策によって数字の意味が変わり、比べられなくなります。

4-1. 投資額に入れる費用の範囲を決める

まず、分母に入れる費用を決めます。広告費だけで見るのか、LPの制作費や計測ツールの費用、運用する人の人件費まで入れるのか、です。

広告どうしを比べるときは広告費だけ、広告にLPの改修やツールの導入を組み合わせた施策全体を評価するときは、それらの費用も投資額に入れる、のように目的で分けます。大事なのは、同じ表の中で比べる施策は、同じ範囲の費用で計算することです。

4-2. 利益を出す|原価と、売れるたびにかかる費用を引く

次に、分子の利益を出します。広告経由の売上から、原価と、送料・決済手数料・ECモールの販売手数料など商品が1つ売れるたびにかかる費用を引き、最後に投資額(広告費など)を引きます。

利益 = 広告経由の売上 −(原価 + 売れるたびにかかる費用)− 投資額

原価だけを引いた粗利で計算すると、送料や手数料の分だけ利益が大きく出て、ROIが実際より高く見えます。人件費や家賃のように、広告の成果が増えても変わらない費用は、4-1で投資額に入れると決めたもの以外は、この式に入れません。

4-3. 計算する期間を決める|初回の購入だけか、LTVか

リピート購入がある商品は、初回の購入だけで計算すると赤字に見えても、2回目以降の購入で広告費を回収できることがあります。計算例で見てみます。

  • 新規顧客1人の獲得にかかった広告費:8,000円
  • 初回の購入で残る利益(原価などを引いた後):2,000円
  • 1人の顧客が取引期間全体で購入する合計から残る利益:12,000円

初回の購入だけで計算すると、ROIは(2,000円 − 8,000円)÷ 8,000円 × 100 = −75%です。取引期間全体で計算すると、(12,000円 − 8,000円)÷ 8,000円 × 100 = 50%になります。

ただし、取引期間全体の利益は、想定ではなく自社の購入実績から出します。想定の数字でROIを高く見積もると、赤字の広告を出し続ける理由になってしまいます。回収までの間は広告費が先に出ていくことも、あわせて確かめます。

4-4. BtoBや資料請求の広告は、見込み顧客1件の価値から出す

資料請求や問い合わせを成果にする広告は、成果の時点では売上がありません。この場合は、見込み顧客1件がもたらす価値を見積もって、ROIを出します。

Google 広告 ヘルプでは、見込み顧客の獲得が目標の場合、広告費用だけを費用とし、見込み顧客から得られる標準的な売り上げを収益とする考え方を示しています。例として、通常10件の見込み顧客につき1件の販売に至り、標準的な売り上げが2,000円なら、見込み顧客あたり平均200円の収益が得られる、と説明しています(出典:広告費用対効果の概要|Google 広告 ヘルプ)。

売上ではなく利益で見るなら、受注1件あたりの利益に、見込み顧客から受注に至る割合を掛けて、見込み顧客1件の価値を出します。

見込み顧客1件の価値 = 受注1件あたりの利益 × 見込み顧客から受注に至る割合

たとえば、受注1件あたりの利益(継続契約を含む)が100万円で、資料請求から受注に至る割合が5%なら、資料請求1件の価値は5万円です。資料請求1件あたりの広告費(CPA)が2.5万円なら、ROIは(5万円 − 2.5万円)÷ 2.5万円 × 100 = 100%です。CPAが5万円を超えると、ROIはマイナスになります。

BtoBの広告で、件数より商談につながる見込み顧客を増やす運用とLPの考え方は、2026年版: BtoB広告の勝ちパターン:「数」より「質」を重視して商談を増やす運用とLP改善のコツで解説しています。

4-5. Google 広告では、コンバージョン値で利益を見る

Google 広告では、コンバージョンに値(コンバージョン値)を設定すると、キャンペーンの費用対効果(ROI)を測定して改善できます。コンバージョン値には「販売収益や利益率など」を使え、[コンバージョン値 / 費用]の列で投資収益率を測定でき、投資収益率の高い(低い)キーワードや広告グループ、キャンペーンを特定して、入札単価や予算、ターゲット設定を調整できると書かれています(出典:コンバージョン値について|Google 広告 ヘルプ)。

コンバージョン値に売上を入れると、[コンバージョン値 / 費用]は売上 ÷ 広告費、つまりROASの数字になります。コンバージョン値に1件あたりの利益(原価などを引いた後の額)を入れれば、この列は「利益 ÷ 広告費」になり、1を上回っていれば広告費を回収できています。広告費で割るROIは、(この列の値 − 1)× 100 で求められます。2-2の例なら、利益6万円(売上12万円 − 原価6万円)÷ 広告費2万円 = 3なので、ROIは(3 − 1)× 100 = 200%です。

広告の効果をどの指標で、どう測るかの全体像は、広告効果測定とは|主要指標と媒体別の測定方法を解説で解説しています。

5. ROIの目安は?業界平均ではなく自社の基準で決める

ROIには、どの会社にも当てはまる目安はありません。第2章のとおり、何を投資額に入れ、何を利益から引くかで、同じ広告でも数字が変わるからです。ほかの会社の数字は、計算のしかたが同じだと確かめられない限り、比べる意味がありません。

目安にするのは、次の2つです。

  • 0%(回収のライン):ROIが0%を上回っていれば、投資額を回収できている。下回っていれば回収できていない
  • 自社の目標ROI:0%を上回ったうえで、どれだけの利益を残したいかから決める。過去の自社の広告やキャンペーンのROIを、同じ計算のしかたで並べ、その実績をもとに決める

Google 広告 ヘルプでも、コンバージョンの獲得にかかった費用が、コンバージョンでもたらされる価値を超えないようにする、という考え方が示されています(出典:広告費用対効果の概要|Google 広告 ヘルプ)。

5-1. 回収期間もあわせて見る

ROIは「どれだけ利益が出たか」を表しますが、「いつ回収できるか」は表しません。LP制作やツール導入、設備のように、初めにまとまった費用がかかる投資は、回収期間もあわせて見ます。

J-Net21では、投資額を、投資によって得られるキャッシュフローの平均値で割って回収期間を出す「回収期間法」を紹介しています(出典:設備投資計画における採算性の計算方法について教えてください。|J-Net21(中小企業基盤整備機構))。たとえば、300万円の投資で毎年のキャッシュフローが100万円増えるなら、回収期間は 300万円 ÷ 100万円 = 3年です。

同じページでは、将来のキャッシュフローを資本コストで割り引いて評価する正味現在価値(NPV)法と、正味現在価値がゼロになる割引率を求める内部利益率(IRR)法も紹介されています。投資利益率の式には将来のお金を割り引く考え方が入っていないので、回収まで何年もかかる投資は、これらの方法も組み合わせて評価します。

5-2. ROIだけで判断しないほうがよい場面

ROIは、決めた期間の中で数字にできる利益と費用だけを対象にします。そのため、次のような投資は、短い期間のROIだけで判断すると、続けるべき施策を止めてしまうことがあります。

  • 認知を広げる広告や、ブランドづくりのように、成果が出るまでに時間がかかる施策
  • 顧客からの信頼や、社内にたまるノウハウのように、数字にしにくい成果がある施策
  • 大幅な値引きのように、目先のROIは上がっても、定価で買う顧客を減らすおそれがある施策

こうした施策は、評価する期間を先に決め、ROI以外の指標(指名検索の数、リピート率など)もあわせて見ます。

6. ROIを向上させる方法|4つの数字に分けて考える

ROIをCVR・客単価・粗利率・CPCの4つの数字に分けて改善する図。CVR2%・客単価1万円・粗利率50%・CPC50円でROI100%の例から、CVRを3%にすると200%、CPCを40円にすると150%になる

広告のROIを向上させる打ち手は、ROIをクリック1回あたりの4つの数字に分けると整理できます。クリック1回あたりの利益は「CVR × 客単価 × 粗利率」、クリック1回あたりの広告費はCPC(クリック単価)なので、広告費で割るROIは次の式になります。

ROI =(CVR × 客単価 × 粗利率 − CPC)÷ CPC × 100

CVR 2%・客単価10,000円・粗利率50%・CPC 50円なら、クリック1回あたりの利益は 0.02 × 10,000円 × 0.5 = 100円で、ROIは(100円 − 50円)÷ 50円 × 100 = 100%です。ここから1つだけ変えると、次のようになります。

変える数字変化ROI
CVR2% → 3%(150円 − 50円)÷ 50円 = 200%
客単価10,000円 → 12,000円(120円 − 50円)÷ 50円 = 140%
粗利率50% → 60%(120円 − 50円)÷ 50円 = 140%
CPC50円 → 40円(100円 − 40円)÷ 40円 = 150%

どれから手を付けるかは、4つのうちどれが目標から離れているかで決めます。広告の管理画面でCPCを、LPの計測でCVRを、受注データで客単価と粗利率を確かめます。CVRは、Google 広告では、コンバージョン数を、コンバージョンまで追跡できる広告インタラクションの合計数で割ったものです(出典:コンバージョン率|Google 広告 ヘルプ)。

6-1. CVRを上げる|広告の遷移先のLPを直す

広告費を増やさずにROIを上げやすいのが、CVRの改善です。同じクリック数・同じCPCのまま、購入する人の割合が上がれば、利益だけが増えます。

まず、広告で伝えたことが、LPの最初の画面でも同じ言葉で書かれているかを確かめます。広告で「送料無料」と伝えたのに、LPの最初の画面にその言葉がなければ、クリックした人は探す前に離れます。入力フォームの項目が多すぎないか、スマートフォンで押しやすいかも見直します。CVRを上げる考え方はCVR改善の基本:心理・導線・検証を一つずつ整える、LPを改善する目的と進め方はLP最適化(LPO)とは?目的やリスク・改善ポイントをわかりやすく解説で解説しています。

6-2. 客単価と粗利率を上げる|セット・送料・手数料を見直す

1回の購入あたりの売上が上がれば、CVRとCPCが同じでも利益は増えます。セット商品やまとめ買い、「◯円以上で送料無料」の条件などが、客単価を上げる打ち手です。ただし、高いセットを最初に見せた結果、購入する人が減れば、ROIは上がりません。施策の前後では、客単価だけでなくCVRもあわせて見ます。

粗利率は、原価に加えて、送料・決済手数料など売れるたびにかかる費用で決まります。送料無料の条件を付けると客単価は上がっても、送料の負担で粗利率が下がることがあります。客単価と粗利率は、掛け算(1回の購入あたりの利益)で判断します。

6-3. CPCを下げる|買わない人へのクリックを減らす

CPCを下げる打ち手は、入札単価を下げることだけではありません。購入しない人へのクリックを減らせば、同じ広告費で購入する人へのクリックが増えます。

検索広告なら、検索語句のレポートで、クリックはあるのに購入がない検索語句を探し、除外キーワードに入れます。ディスプレイ広告やSNS広告なら、配信先やターゲットごとにROIを分けて見て、低いところの配信を絞ります。どこで差が出るかは商品によって違うので、思い込みで絞らず、自社のデータで確かめます。

6-4. 予算は、ROIの高い広告へ少しずつ寄せる

Google 広告 ヘルプでは、特に費用対効果の高いキャンペーンがある場合は、そのキャンペーンの予算を増やして、成果の低い別のキャンペーンの予算を減らすことができる、と書かれています(出典:広告費用対効果の概要|Google 広告 ヘルプ)。

予算を寄せるときは、一度に大きく増やさず、少しずつ増やしながらROIが目標を保てているかを確かめます。配信を広げるほど、それまで届いていなかった人にも広告が出るため、予算を増やした分だけ同じROIが続くとは限りません。

7. ROIの計算でよくある失敗3つ

ROIは式が単純なぶん、計算の前提がずれていても気づきにくい指標です。よくある失敗を3つ紹介します。

7-1. 失敗例1:売上でROIを計算する

  • 症状:広告経由の売上をそのまま分子に入れると、ROIが実際より大きく出て、赤字の広告を「効果が高い」と判断して続けることになる
  • 原因:ROIとROASを取り違えている。原価や送料・手数料を引いていない
  • 対策:分子は、原価・売れるたびにかかる費用・投資額を引いた後の利益にする(第2章・第4章 4-2)
  • 回避策:社内の計算表に、利益から引く費用の一覧を書いておき、ROASの列とROIの列を分けて並べる

7-2. 失敗例2:施策ごとに投資額の範囲が違う

  • 症状:施策Aは広告費だけ、施策Bは広告費とLP制作費で計算すると、費用を多く入れたほうのROIが低く出て、優先順位を取り違えることになる
  • 原因:投資額に入れる費用の範囲を決めずに、担当者ごとに計算している
  • 対策:比べる施策は、同じ範囲の費用で計算し直す(第4章 4-1)
  • 回避策:「広告どうしを比べるときは広告費だけ」「施策全体を評価するときは制作費・ツール費も入れる」のように、目的ごとの範囲を先に決めておく

7-3. 失敗例3:初回の購入だけで、リピートのある広告を止める

  • 症状:リピート購入のある商品を初回の購入だけで計算すると、ROIがマイナスに見えて、2回目以降の購入で回収できる広告まで止めることになる
  • 原因:ROIを計算する期間が、商品の買われ方に合っていない
  • 対策:自社の購入実績から、取引期間全体の利益でもROIを出し、初回だけのROIと並べて判断する(第4章 4-3)
  • 回避策:評価する期間と、回収までに許す期間を、広告を始める前に決めておく

8. Squad beyondでLPごとのROIを確かめて改善する

ROIを上げる打ち手のうち、広告費を増やさずに試しやすいのがLPの改善です。ただし、LPを直した後にROIが上がっても、それがLPのおかげなのか、時期や広告の変化なのかは、比べ方を決めておかないと切り分けられません。

Squad beyondは、LPの制作からABテスト、効果測定までを行えるマーケター向けの有料ツールです。ROIの改善に使える機能を、公式FAQの記載に沿って紹介します。

8-1. LPの改善案をVersionとして同じURLで出し分ける

Squad beyondでは、複数のVersionを作成し、同じ配信URLでABテスト配信ができます。レポートの結果に合わせて、Versionの配信割合を増減できます(出典:Versionの配信割合について|Squad beyond FAQ)。元のLPと改善案を同じ期間に出し分けるので、時期の違いで結果がぶれません。Versionとクリエイティブごとの組み合わせの効果は、Branch Operationのレポートで一覧できます(出典:レポートの種類|Squad beyond FAQ)。

どれだけの期間・件数で勝ち負けを決めるかは、ABテストの有意差とは?必要サンプル数と期間の決め方で解説しています。

8-2. 配信金額と売上をそろえて、ROAS・ROIを並べて見る

広告媒体と連携すると、配信金額がレポートに反映され、CPC・CPAも反映されます(出典:広告連携をするメリットについて|Squad beyond FAQ)。LP(beyondページ)にコンバージョン単価(1件のコンバージョンあたりの単価)を設定すると、レポートに売上が表示されます(出典:LP(beyondページ)を作成する|Squad beyond FAQ)。ダッシュボードでは、beyondページやVersionごとに、期間内の売上・配信金額・粗利・ROAS・ROIの推移を確認できます(出典:ダッシュボート機能について|Squad beyond FAQ)。

ここでの売上は、Squad beyondで計測したコンバージョンと、ページに設定したコンバージョン単価から集計されます。広告媒体と連携しても、媒体のコンバージョンのデータは反映されません(出典:広告媒体と連携するとCVデータも反映されますか?|Squad beyond FAQ)。購入金額や原価が商品ごとに大きく違う場合は、自社の受注データで利益を計算し直して、第4章の手順でROIを確かめてください。

\LPの制作から検証まで、ひとつの画面で/

  • ・10日間、有料プランの機能を無料でお試しいただけます
  • ・LP制作からA/Bテスト、効果測定までワンストップ
Squad beyond を10日間無料で試す >>

9. ROIについてよくある質問

Q. ROIとは、簡単に言うと何ですか?

ROIは「Return On Investment」の略で、投資した費用に対してどれだけの利益が出たかを表す指標です。日本語では投資利益率や投資収益率と呼ばれます。計算式は「利益 ÷ 投資額 × 100」で、分子の利益は、売上から原価と投資した費用を引いた後に残る額です。ROIが0%を上回っていれば投資額を回収できており、マイナスなら回収できていません。

Q. ROIの計算式に、売上を入れてはいけないのですか?

売上をそのまま分子に入れると、ROIではなく売上と費用の比率になり、広告ならROASと同じ数字になります。たとえば、売上50万円・原価30万円・広告費10万円の広告は、売上で計算すると500%ですが、原価と広告費を引いた利益10万円で計算するとROIは100%です。「儲かったか」を判断するなら、分子は必ず利益にします。

Q. 広告のROIは、何%あれば良いですか?

どの会社にも当てはまる基準はありません。投資額に何を入れ、利益から何を引くかで、同じ広告でも数字が変わるからです。最低限の目安は、投資額を回収できたことを示す0%です。そのうえで、自社の過去の広告のROIを同じ計算のしかたで並べ、残したい利益から目標を決めます。Squad beyondのダッシュボードでは、LPやVersionごとにROAS・ROIの推移を並べて確かめられます。

Q. ROIとROASは、どう使い分ければよいですか?

ROASは売上を、ROIは利益を広告費と比べる指標です。ROASは広告・媒体・キャンペーンどうしを比べるのに向き、ROIは広告で利益が出たかを判断するのに向いています。日々の運用ではROASで比べ、月ごとの振り返りや予算を決めるときはROIで確かめると判断がぶれません。Squad beyondでは、広告媒体と連携した配信金額と、LPに設定したコンバージョン単価から、ROASとROIを並べて見られます。

Q. ROIがマイナスになった広告は、すぐに止めるべきですか?

止める前に、3つを確かめます。1つ目は、リピート購入のある商品を初回の購入だけで計算していないか。取引期間全体の利益で計算するとプラスになることがあります。2つ目は、配信を始めたばかりや設定を大きく変えた直後で、成果がまだ安定していない時期ではないか。3つ目は、投資額にLP制作費など一度きりの費用を入れていないか。それでも回収のめどが立たない広告は、予算を減らすか止めます。

Q. ROIを向上させるには、まず何から見直せばよいですか?

広告のROIを「CVR・客単価・粗利率・CPC」の4つに分けて、目標から最も離れている数字から見直します。広告費を増やさずに上げやすいのはCVRで、広告の遷移先のLPを直します。CVRが2%から3%に上がるだけで、ほかが同じならクリック1回あたりの利益は1.5倍です。Squad beyondなら、LPの改善案をVersionとして同じ配信URLのまま出し分け、元のLPと比べてから勝った案を残せます。

10. まとめ|ROIは「利益」で計算し、分母と期間をそろえて比べる

  • ROIは、投資した費用に対してどれだけ利益が出たかを表す指標。計算式は「利益 ÷ 投資額 × 100」で、分子は投資した費用を引いた後の利益
  • 広告のROIは、分母に総費用を入れるか、広告費だけを入れるかで数字が変わる。比べる施策は、同じ範囲の費用で計算する
  • ROASは売上、ROIは利益で見る。ROASが高くても、原価と広告費を引くとROIがマイナスのことがある
  • 目安は業界平均ではなく、回収のラインの0%と、自社の実績から決めた目標。初めに大きな費用がかかる投資は、回収期間もあわせて見る
  • ROIを向上させる打ち手は、CVR・客単価・粗利率・CPCの4つ。広告費を増やさずに上げやすいのは、LPを直してCVRを上げること

まずは、いま出している広告を1つ選び、売上・原価・送料や手数料・広告費を並べて、ROASとROIを2列で計算してみるところから始めてください。

---

\LPの制作から検証まで、ひとつの画面で/

  • ・10日間、有料プランの機能を無料でお試しいただけます
  • ・LP制作からA/Bテスト、効果測定までワンストップ
Squad beyond を10日間無料で試す >>

 

Squad beyond サービス紹介資料

Squad beyondサービス紹介資料はこちらからダウンロード

Squad beyondの活用による具体的な成果をもっと知る

3点セット
  • 厳選LP集
  • Squad beyondで「超カンタンに制作」されて効果を上げた実際のLP集
  • Squad beyondで売上を50%上げた実績紹介

Squad beyondとは何かから、どう成果を出すかまで、まるっと分かる厳選資料3点セットです。