LTVの計算方法|4つの計算式の使い分けと業種別の試算例を解説
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「LTVを計算したいけれど、複数の計算式があってどれを使えば良いかわからない」と感じていませんか。
LTVは1つの式で求まる指標ではなく、ビジネスモデルや使い道によって適切な計算式が異なります。
本記事では、代表的な4つの計算式の使い分け基準、EC・サブスク・BtoBそれぞれの計算パターン、数値例を用いた試算手順までを解説します。
LTVの基本的な意味や重要性についてはLTVとは?計算式・重要視される理由・高め方を解説も参考にしてください。
目次
1. LTV計算の前提:定義と算出に必要なデータ
LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)とは、1人の顧客が取引開始から終了までに自社にもたらす利益の総額です。計算にあたっては、最低限以下のデータを揃える必要があります。
| データ項目 | 取得元の例 |
|---|---|
| 平均購買単価(または平均月額) | EC・受注管理システム、決済データ |
| 購買頻度(または契約継続期間) | 購買履歴、契約管理ツール |
| 粗利率 | 会計データ、原価情報 |
| 解約率(チャーンレート) | 解約ログ、CRM |
| 顧客獲得コスト(CAC) | 広告費・営業コストの分配計算 |
データの粒度が粗いまま計算すると、計算式を変えても精度が上がらないため、最初に「どこまでのデータが取れるか」を確認することが計算精度を左右します。
2. LTVの代表的な4つの計算式と使い分け

LTVの計算式は大きく4種類あり、必要な精度・取得可能なデータに応じて選びます。
2-1. シンプル式(平均単価×購買頻度×継続期間)
- 式:LTV = 平均購買単価 × 平均購買頻度 × 平均継続期間
最も基本的な式です。粗利や割引率を考慮しないため概算用途に向きます。新規事業の初期試算や、社内共有のたたき台として使われます。
2-2. 粗利込み式
- 式:LTV =(平均購買単価 × 平均購買頻度 × 平均継続期間)× 粗利率
売上ベースではなく利益ベースでLTVを把握したい場合に使います。CACと比較する際は、利益が広告投資の上限になるため、この式の値を用いるほうが意思決定に直結します。
2-3. 平均購入単価÷チャーンレート式(サブスク向け)
- 式:LTV = 平均月額(ARPU)÷ 月次チャーンレート
継続課金型のビジネスで多用される式です。チャーンレートが分母に来るため、解約率の小さな改善がLTVに大きく効く構造を可視化できます。
2-4. 割引率を加味した式(DCF型)
- 式:LTV = Σ(各期の利益 ÷(1+割引率)^n)
長期契約・高単価商材で、将来キャッシュフローの現在価値を厳密に求めたい場合に使います。SaaSの中長期ROI試算や、M&Aの企業価値評価で利用されます。
使い分けの判断軸
| 状況 | 推奨する式 |
|---|---|
| 概算でいい・データが少ない | シンプル式 |
| 広告投資の上限を決めたい | 粗利込み式 |
| サブスク・月次課金モデル | ARPU÷チャーン式 |
| 長期・将来価値を厳密に評価 | DCF型 |
3. ビジネスモデル別の計算パターン

同じ「LTV」でも、扱う商材によって式の組み立て方が変わります。
3-1. EC(リピート購買型)
リピート購入が前提のECでは「シンプル式」または「粗利込み式」を使います。継続期間の代わりに「平均購入回数」を使うことが多く、たとえば化粧品EC等では以下のような式に置き換えられます。
- LTV = 平均購入単価 × 平均購入回数 × 粗利率
3-2. サブスク・SaaS
月次/年次の継続課金が中心となるため、ARPU÷チャーン式が標準になります。チャーンレートは「月次」か「年次」かを必ず統一して計算する必要があります。
3-3. BtoB(高単価・長期取引)
商談から契約まで時間がかかり、顧客あたりの利益が大きいため、DCF型または年次粗利の積み上げで計算します。割引率は自社の資本コスト(WACC)等を用います。
4. 試算例:ECショップでLTVを計算する
具体的な数値で、シンプル式と粗利込み式の差を確認します。
前提
- 平均購買単価:8,000円
- 年間購買回数:3回
- 継続年数:2年
- 粗利率:40%
シンプル式:8,000円 × 3回 × 2年 = 48,000円
粗利込み式:48,000円 × 40% = 19,200円
両者には28,800円の差があり、広告投資の判断にはこの差を理解した上で粗利込み式を採用するほうが安全です。CACが20,000円を超える場合、シンプル式では黒字に見えても、粗利ベースでは赤字となります。
5. LTV計算でつまずきやすい3つのポイント

計算式そのものより、「何を入れるか」でつまずくケースが多くあります。
Point1:平均値の取り方を統一していない
平均購買単価を「全顧客平均」で取るか「アクティブ顧客平均」で取るかによって、結果が大きく変わります。施策評価で使う場合は、評価対象セグメントと同じ条件で平均を取ることが重要です。
Point2:継続期間の定義があいまい
EC事業で「継続期間」を購入間隔で算出するか、最終購買日からの経過期間で算出するかは事業によって解釈が割れます。社内で定義を1つに固定しないと、月次レポート間の比較ができなくなります。
Point3:計算式を途中で変えてしまう
経営層への報告中にシンプル式と粗利込み式を混在させると、数字の意味が伝わりません。「社内標準のLTV計算式」を1つ決め、別の式を使う場合は明示的に併記する運用が望まれます。
6. 計算したLTVを施策に活かすには-Squad beyond活用

LTV計算は、出すこと自体が目的ではなく、CACとの比較や施策の優先順位付けに使うことで意味を持ちます。一般的にはLTV÷CAC=3が健全な水準とされており、計算結果をもとに以下の判断ができます。
- 広告費の上限設定(粗利込みLTV以下に抑える)
- セグメント別の獲得チャネル配分
- 既存顧客のリピート施策と新規獲得の予算バランス
なお、計算結果をもとにLP改善やCVR最適化を進める段階では、複数ツールを併用すると検証データが分散し、計算で使う指標の整合性が崩れがちです。
LP制作・効果検証・改善まで同一環境で行えるプラットフォームを使うことで、LTV計算に必要な購買データの一貫性が保たれます。
Squad beyondはLP制作・LPO・A/Bテスト・効果検証を一気通貫で実施できるため、LTV計算と改善施策のサイクルを切れ目なく回せます。
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7. LTV計算についてよくある質問(FAQ)
Q. LTV計算で最初に決めるべきことは何ですか?
A. 「どの計算式を社内標準にするか」を最初に決めることです。
シンプル式と粗利込み式では結果が倍近く変わるため、CACと比較する判断軸では粗利込み式を選ぶのが安全です。
Q. LTV計算に必要な最低限のデータは何ですか?
A. 平均購買単価・購買頻度・継続期間・粗利率の4つです。
サブスクモデルではこれに月次チャーンレートが加わります。データ粒度を揃えてから計算式を選定する順序が精度向上の前提となります。
Q. LTV計算式の精度を上げるコツはありますか?
A. コホート(同期間入会群)単位で計算することです。
新規・既存・休眠を混ぜると平均値が歪むため、セグメントを切ってから計算式を当てると、施策評価に使える数値になります。
Q. LTV計算と並行してLP改善を進める際の注意点はありますか?
A. 複数の解析ツールやLP制作ツールを併用すると、購買データとLP行動データの紐付けが分断され、LTV計算の前提が崩れます。Squad beyondはLP制作・LPO・効果検証を1つの環境で実施できるため、LTV計算に必要な購買データと施策効果データを同じ基準で取得でき、計算と改善のループを切れ目なく回せます。
8. まとめ
LTVの計算は、ビジネスモデルとデータ環境に応じた式の選択が出発点となります。
シンプル式・粗利込み式・ARPU÷チャーン式・DCF型の4つを使い分け、計算に用いる平均値・継続期間の定義を社内で固定することが、信頼できるLTV運用の前提です。
計算結果をCAC比較や施策判断に接続することで、初めてLTVは経営指標として機能します。
LTVの基礎概念や高め方の打ち手については、別記事もあわせて参考にしてください。
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