ディスプレイ広告の費用|課金方式と予算の決め方
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ディスプレイ広告を始めたいが、いくらかかるのかが分からない。調べると「月〇万円から」「クリック単価は〇円」といった数字が出てくるものの、その根拠がはっきりしない。予算の稟議を通す前に、こうした不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
ディスプレイ広告の費用には、決まった料金表がありません。GoogleもLINEヤフー広告も、費用はオークションで決まり、予算は広告主が自分で決めます。そのため、費用を見積もるには「何に対して料金を払うのか(課金方式)」と「予算と請求の上限がどう計算されるのか」を先に押さえる必要があります。
この記事では、GoogleとLINEヤフー広告の公式ヘルプ(2026年10月20日時点の記載)をもとに、ディスプレイ広告の課金方式、1日の予算と請求のしくみ、支払い方法、目標CPAから予算を決める計算式をまとめます。相場の金額は公式に示されていないため、この記事では扱いません。
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目次
1. ディスプレイ広告の費用は決まった料金ではない
1-1. 費用はオークションで決まり、予算は自分で決める
ディスプレイ広告は、広告枠が表示されるたびに行われるオークションで、どの広告を出すかが決まります。Googleのヘルプでは、広告スペースが空くたびにオークションが行われ、参加できるかどうかは入札単価で決まると説明しています(出典:単価設定の基礎|Google 広告 ヘルプ)。LINEヤフー広告も、主に入札価格と広告の品質をもとに算出される「オークションランク」で掲載される広告が決まります(出典:LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)の料金・費用|LINEヤフー for Business)。
予算については、Googleは「キャンペーン費用を自由に設定できます」と案内しています(出典:予算と ROI の管理に役立つ広告費用管理ツール|Google 広告)。LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)も、決まった料金や初期費用がなく、広告主が金額を自由に設定でき、配信を始めた後から金額を変更できると説明しています(出典:LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)の料金・費用)。
1-2. 費用を見積もるには「何に払うか」を先に決める
ディスプレイ広告の費用は、「課金の対象(クリック・表示・コンバージョンなど)の回数×その単価」で積み上がります。同じ予算でも、クリックに払うのか、表示に払うのかで、何が何回得られるかが変わります。まず課金方式を理解し、そのうえで予算と請求の上限を決める、という順番で考えます。
2. ディスプレイ広告の課金方式
GoogleとLINEヤフー広告で選べる主な課金方式を並べると次のとおりです。Googleは、従来のディスプレイ キャンペーンと、移行先のデマンド ジェネレーションで選べるものが違います(詳しくは3章)。
| 課金方式 | 料金が発生するとき | Google(従来のディスプレイ キャンペーン) | Google(デマンド ジェネレーションのGDN) | LINEヤフー広告(運用型) |
|---|---|---|---|---|
| クリック課金 | 広告がクリックされたとき | ○ | ― | ○ |
| インプレッション課金 | 広告が表示されたとき(1,000回あたりで入札) | ○(視認範囲のインプレッション単価) | ○(CPM) | ○(ビューアブルインプレッション課金) |
| コンバージョン課金 | コンバージョンが発生したとき | ○(要件あり) | ― | ― |
| 動画再生課金 | 動画が一定時間再生されたとき | ― | ― | ○ |
| 友だち追加課金 | LINE公式アカウントの友だち追加 | ― | ― | ○ |
デマンド ジェネレーションのGDNの列は、FAQで課金型が「CPM」と書かれていることによります。目標クリック単価やクリック数の最大化の入札戦略は使えます(3-2)。
出典:単価設定の基礎、ディスプレイ キャンペーンでコンバージョンに対するお支払いを使用する、デマンド ジェネレーションに関するよくある質問(FAQ)(いずれもGoogle 広告 ヘルプ)、LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)の料金・費用
2-1. クリック課金|クリックされたときだけ払う
クリック単価(CPC)制では、ユーザーが実際に広告をクリックしてサイトにアクセスした場合のみ料金が発生します。Googleは、ウェブサイトにユーザーを誘導することが主な目標なら、クリック重視から始めることを勧めています(出典:単価設定の基礎)。
LINEヤフー広告のクリック課金では、同じセッションの中で同じ広告が何度クリックされても、2回目以降は課金されません。セッションが切れた後に同じ広告がクリックされた場合は課金の対象になります(出典:目的別のキャンペーン作成について【運用型】|LINEヤフー広告 ヘルプ)。
2-2. インプレッション課金|見える位置に表示された回数に払う
Googleの従来のディスプレイ キャンペーンでは、ディスプレイ ネットワークのみをターゲットにする場合、視認可能なインプレッション単価(vCPM)制を選べます。広告の1,000回の表示および視認可能な状態に対して費用が発生する方式で、企業名やロゴをできるだけ多くの人に見せたい場合に向いているとされています(出典:単価設定の基礎)。広告が視認可能と判断されるのは、ディスプレイ広告では広告の面積の50%以上が1秒以上画面に表示された場合です(出典:視認範囲のインプレッション単価(視認範囲の CPM)|Google 広告 ヘルプ)。
LINEヤフー広告では「ビューアブルインプレッション課金」があり、1,000ビューアブルインプレッションごとに広告料金が発生します(出典:目的別のキャンペーン作成について【運用型】)。
2-3. コンバージョン課金|Googleの従来のディスプレイで要件を満たす場合のみ
Googleの従来のディスプレイ キャンペーンでは、「コンバージョンに対するお支払い」を選ぶと、目標アクション単価で獲得したコンバージョンが請求の対象になります。ヘルプの例では、目標アクション単価10米ドルで1か月に10回のコンバージョンが発生すると、請求額は100米ドルです(出典:ディスプレイ キャンペーンでコンバージョンに対するお支払いを使用する)。
ただし使えるアカウントには条件があり、過去30日間のコンバージョン数が100件を超えていること、コンバージョンの90%が広告のクリックから7日以内に発生していることなどが必要です。共有予算では使えません。目標アクション単価を200米ドル以上に設定すると、警告が表示され、設定よりも高いコンバージョン単価で請求されると書かれています(出典:同上)。後で説明するとおり、デマンド ジェネレーションではこの方式は対象外です。
2-4. 動画再生課金・友だち追加課金(LINEヤフー広告)
LINEヤフー広告の動画再生課金は、入札価格を動画1,000再生あたりで設定し、動画1回の再生に対して料金が発生します。再生後10秒以上経過した場合(10秒未満の動画は最後まで再生された場合)に課金され、広告から最終リンク先URLへのクリックでは課金されません。友だち追加課金は、LINE公式アカウントの友だち追加1件を1クリックとして扱います(出典:目的別のキャンペーン作成について【運用型】)。
3. Googleディスプレイ広告の費用のしくみ
3-1. 入札戦略は「何を増やしたいか」で選ぶ
Googleのディスプレイ ネットワーク キャンペーンで使える入札戦略は、目標コンバージョン単価、コンバージョン数の最大化、目標広告費用対効果、拡張クリック単価、クリック数の最大化、個別クリック単価、視認範囲のインプレッション単価です。ヘルプは、表示回数を重視するなら視認範囲のインプレッション単価、クリック数の増加なら個別クリック単価かクリック数の最大化、コンバージョン数の増加なら目標アクション単価・コンバージョン数の最大化・目標広告費用対効果を検討するよう案内しています(出典:ディスプレイ ネットワーク キャンペーンの入札単価を設定する|Google 広告 ヘルプ)。
入札戦略と課金方式は別のものです。たとえばコンバージョン重視の入札でも、ディスプレイ広告では費用はエンゲージ ビューとクリックの数だけ発生し、入札単価が自動で調整されます(出典:単価設定の基礎)。「何を増やすように入札するか」と「何に対して払うか」を分けて確認してください。
3-2. デマンド ジェネレーション移行で選べる課金方式が変わる
Googleディスプレイ広告のキャンペーンは、デマンド ジェネレーションのGoogle ディスプレイ ネットワーク(GDN)に移行されます。2026年6月から移行ツールの段階的なリリースが始まり、今後は新しいキャンペーンをデマンド ジェネレーション内でのみ作成できるようになり、残りのキャンペーンも自動で移行される予定です(出典:Google ディスプレイ広告キャンペーンをデマンド ジェネレーションに移行する|Google 広告 ヘルプ)。
費用に関係するのは、使える入札と課金の選択肢です。移行の案内では、個別クリック単価、視認可能インプレッション、コンバージョンに対するお支払い、入札単価調整・季節性の調整・ポートフォリオ入札戦略が、デマンド ジェネレーションでは対象外とされています。使えるのは、目標コンバージョン単価、コンバージョン数の最大化、コンバージョン値の最大化、目標広告費用対効果、クリック数の最大化、目標クリック単価です(出典:同上)。また、デマンド ジェネレーションのFAQでは、Google ディスプレイ ネットワーク(GDN)の課金型は「CPM」と書かれています(出典:デマンド ジェネレーションに関するよくある質問(FAQ))。
移行当日は、移行前のキャンペーンでその日の早い時間に消化した予算が新しいキャンペーンでは考慮されず、新しいキャンペーンに1日の予算があらためて割り当てられます(出典:Google ディスプレイ広告キャンペーンをデマンド ジェネレーションに移行する)。移行の手順そのものはこの記事では扱いません。
3-3. 1日の平均予算と、1日・1か月の費用の上限
Google広告の予算は、キャンペーンごとに「1日の平均予算」で設定します。費用は日によって予算より高くなったり低くなったりしますが、特定の日の費用は(ほとんどのキャンペーンで)1日の平均予算の2倍、1か月の費用は1日の平均予算の30.4倍を超えません。30.4は1か月の平均日数(365÷12)で、ヘルプでは月304ドルを30.4で割って1日10ドルとする計算例が載っています(出典:1 日の平均予算について|Google 広告 ヘルプ)。
1か月の請求額の上限を超えて広告が表示された場合は、超過分のクレジットがアカウントに適用されます。管理画面の「配信費用」は発生したすべてのクリックまたはインプレッションの合計費用で、「請求額」は超過配信や無効なアクティビティなどの調整後に実際に支払う金額です(出典:Google 広告の費用を管理する|Google 広告 ヘルプ)。予算が足りずに配信が抑えられているときの表示と対処は「Google広告「予算による制限」とは?8月17日の入札変更と対処法」で解説しています。
3-4. 支払いのタイミングは自動支払いか手動支払い
Google広告の支払いは、「お支払い設定」(いつ払うか)と「お支払い方法」(何で払うか)の2つで決まります。お支払い設定には、広告掲載後に毎月1日か設定した限度額に達した時点のどちらか早いほうで自動的に課金される「自動支払い」と、掲載前に前払いし、費用が発生するとそこから差し引かれる「手動支払い」があります。手動支払いでは、残高がなくなると広告掲載が停止されます。毎月の請求書発行は、一定の要件を満たす顧客だけが使えます。使えるお支払い方法は、国と通貨によって異なります(出典:ご利用可能なお支払い方法|Google 広告 ヘルプ)。
4. LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)の費用のしくみ
4-1. キャンペーン目的で課金方式が決まる
LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)では、キャンペーンの目的を選ぶと、使える入札戦略と課金方式が決まります。主な組み合わせは次のとおりです。
| キャンペーン目的 | 課金方式 |
|---|---|
| サイト誘導 | クリック課金 |
| コンバージョン | クリック課金、ビューアブルインプレッション課金(β版) |
| ブランド認知 | ビューアブルインプレッション課金 |
| 動画再生 | 動画再生課金、ビューアブルインプレッション課金(β版) |
| 友だち追加 | クリック課金(友だち追加課金) |
出典:目的別のキャンペーン作成について【運用型】|LINEヤフー広告 ヘルプ
コンバージョンを目的にしたキャンペーンでも、入札戦略が「コンバージョン数の最大化」などの場合は、課金方式をクリック課金とビューアブルインプレッション課金から選べます。ビューアブルインプレッション課金はβ版で提供されており、挙動が不安定な場合があると書かれています(出典:同上)。
4-2. 入札戦略の種類
入札戦略には、コンバージョン数の最大化(目標値あり/なし)、コンバージョン価値の最大化(目標値あり/なし)、クリック数の最大化、動画再生数の最大化、ビューアブルインプレッション数の最大化、拡張クリック単価、個別クリック単価、動画再生単価、ビューアブルインプレッション単価などがあります。目標値なしの「最大化」は、キャンペーンで指定した1日の予算の範囲内で成果が最大になるよう入札価格を自動で調整します(出典:入札戦略について|LINEヤフー広告 ヘルプ)。
4-3. 1日の予算と1カ月の請求限度額
1日の予算はキャンペーン単位で必ず設定します。日本時間の0時から23時59分までが「1日」で、管理画面で設定・表示される金額はすべて税抜きです。表示機会の多い日には1日の予算を大幅に超えたコストが発生することがありますが、請求の対象は1日の予算の200%までです(出典:キャンペーンの1日の予算と請求について【運用型】|LINEヤフー広告 ヘルプ)。
1カ月の請求限度額は、原則として「1日の予算×その月の日数」で計算されます。ヘルプの例では、1日の予算10,000円で1月1日から31日まで掲載すると、請求限度額は310,000円です。月の途中で掲載を始めた場合は残りの日数で、途中で1日の予算を変えた場合は「変更までの請求対象のコスト+変更後の1日の予算×残りの日数」で計算し直されます。発生したコストが請求限度額に達すると、広告の掲載は停止します(出典:同上)。Googleの「30.4倍」と違い、月の日数で計算する点に注意してください。
なお、LINE広告からLINEヤフー広告への移行については「LINEヤフー広告への移行ガイド|10月配信停止までに進めたい実務」でまとめています。
4-4. 支払い方式は前払いか後払い。あとから変えられない
支払い方式は、クレジットカード(前払い/後払い)か銀行振込(前払い)から選びます(出典:LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)の料金・費用)。支払い方式は、一度設定すると後から変更できません(出典:支払い方式を設定する|LINEヤフー広告 ヘルプ)。
| 項目 | 前払い | クレジットカード後払い |
|---|---|---|
| しくみ | 事前に入金し、発生した料金を残高から差し引く。残高がゼロになると掲載停止 | 利用料金が支払い基準額を超えた時点と、毎月1日に自動で決済 |
| 支払い手段 | 銀行振込(手動入金のみ・反映は振り込みから3営業日後・振込手数料は自己負担)、クレジットカード(即時・自動入金可) | クレジットカード |
| 金額の決まり | 自動入金の金額は3,000円以上、1,000円単位。引き落とし額は入力額に消費税を加えた額 | 月額予算はディスプレイ広告で10,000円以上。当月のコストが月額予算に達すると配信停止。決済は税込み |
| 注意点 | ― | 新しいアカウントの開設時のみ選べる。後払いのアカウントではディスプレイ広告(予約型)のキャンペーンは作れない |
出典:前払い方式について(銀行振込/クレジットカード)|LINEヤフー広告 ヘルプ、クレジットカード後払い方式について|LINEヤフー広告 ヘルプ
5. ディスプレイ広告の予算の決め方
5-1. 目標CPA×目標件数で月の予算を出す
予算は、「1件の獲得にいくらまで払えるか(目標CPA)」と「何件獲得したいか」から逆算するのが基本です。LINEヤフー for Businessの料金ページでも、ECサイトで商品を100件販売するのが目標の場合、1件あたりの販促費を1,000円として100件と掛け合わせ、広告予算の目安を100,000円とする例が載っています(出典:LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)の料金・費用)。
目標CPAの決め方そのものは「広告のキホン「CPA」とは?定義、目標設定・改善メソッドを解説」で解説しています。
5-2. 月の予算を媒体ごとの1日の予算に直す
月の予算が決まったら、媒体ごとの計算方法で1日の予算に直します。ここからの数字は説明用で、実際の相場ではありません。
説明用の数字として、目標CPA 15,200円で月20件を獲得したい場合、月の予算は15,200円×20件=304,000円です。
- Google広告:1か月の費用の上限は1日の平均予算の30.4倍なので、304,000円÷30.4=10,000円を1日の平均予算にします
- LINEヤフー広告:1カ月の請求限度額は1日の予算×その月の日数です。1日の予算を同じ10,000円にすると、31日の月は310,000円、30日の月は300,000円が上限になります
同じ1日の予算でも、媒体によって1か月の上限が変わります。月の予算を厳密に守りたい場合は、LINEヤフー広告は月ごとの日数で割って1日の予算を決めます。
5-3. 自動入札を使うなら、学習に必要な予算も見込む
コンバージョンを増やす自動入札は、データがたまるまで成果が安定しません。Googleのデマンド ジェネレーションでは、目標アクション単価に基づく入札を使うキャンペーンで、予算を目標アクション単価の10倍以上に設定することが推奨されています(出典:デマンド ジェネレーション キャンペーンについて|Google 広告 ヘルプ)。ヘルプには1日の予算か月の予算かは書かれていません。説明用の数字の目標CPA 15,200円なら、その10倍は152,000円です。
また、デマンド ジェネレーションを初めて使う場合や目標値が決まっていない場合は、まず「コンバージョン数の最大化」で始め、コンバージョンが50件に達してから目標アクション単価などに切り替えることが勧められています(出典:デマンド ジェネレーションに関するよくある質問(FAQ))。目標CPAに対して予算が小さすぎる場合は、予算を増やすか、目標値を置かない「コンバージョン数の最大化」から始めるかを検討します。
5-4. 最初の数週間は予算と入札を大きく動かさない
Googleのヘルプは、ディスプレイ ネットワークの入札単価は実際に試して掲載結果に応じて変えることを勧めつつ、頻繁に編集すると掲載結果を正確に測定できない可能性があるため、数週間は変更を少なめに抑えるよう案内しています(出典:ディスプレイ ネットワーク キャンペーンの入札単価を設定する)。デマンド ジェネレーションへの移行の案内でも、入札単価の変更は±15%以内に留め、次の変更まで1週間ほど様子を見ることが勧められています(出典:Google ディスプレイ広告キャンペーンをデマンド ジェネレーションに移行する)。予算を増やす判断の目安は「広告の日予算を上げるべきタイミング|判断軸と上げ方の手順」も参考にしてください。
6. ディスプレイ広告の費用でよくある失敗例
6-1. 失敗例1:1日の予算を「1日の上限」と考えて設定する
症状:1日の予算を「その日に使ってよい最大の金額」のつもりで設定すると、日によって管理画面の費用が予算を大きく超え、社内の日次の報告で予算超過として扱われる。
原因:Google広告では、特定の日の費用は1日の平均予算の2倍まで発生し、上限は1か月(30.4倍)で管理されます(出典:1 日の平均予算について)。LINEヤフー広告でも、表示機会の多い日には予算を大幅に超えたコストが発生することがあり、請求の対象は1日の予算の200%までです(出典:キャンペーンの1日の予算と請求について【運用型】)。
対策:予算の管理と報告を、日単位ではなく月単位に切り替えます。Googleなら1日の平均予算×30.4、LINEヤフー広告なら1日の予算×その月の日数を、月の上限として社内で共有します。
回避策:予算を承認する段階で、「1日の予算は平均の目安で、日によって最大2倍(LINEヤフー広告は請求対象200%まで)になる」ことを前提として明記しておきます。日次の費用の振れ幅を想定に含めておけば、超過のたびに配信を止めて学習をやり直すことを防げます。
6-2. 失敗例2:従来の課金方式を前提にしたまま、デマンド ジェネレーションに移行する
症状:Googleの従来のディスプレイ キャンペーンで「コンバージョンに対するお支払い」や「視認範囲のインプレッション単価」「個別クリック単価」を前提に予算を組んでいると、デマンド ジェネレーションに移行したときに同じ方式が選べず、費用の発生のしかたが変わる。
原因:移行の案内では、これらはデマンド ジェネレーションでは対象外とされています。コンバージョンに対するお支払いのキャンペーンは、そのお支払いモデルのままでは移行できず、支払いの対象をインタラクションに変えてから移行する形になります(出典:Google ディスプレイ広告キャンペーンをデマンド ジェネレーションに移行する)。
対策:移行前に、キャンペーンごとの入札戦略と支払いの対象を確認し、代替として案内されている入札(個別クリック単価→目標クリック単価、視認可能インプレッション→クリック数の最大化、コンバージョンに対するお支払い→目標コンバージョン単価)で予算を組み直します。
回避策:これから新しく始める場合は、デマンド ジェネレーションで使える入札戦略だけを前提に予算を設計します。移行後の広告は新しく作成された広告として審査を受けるため、配信の切り替え時期にも余裕を持たせます。
6-3. 失敗例3:LINEヤフー広告の支払い方式を深く考えずに選ぶ
症状:アカウント開設時に前払いを選ぶと、後からクレジットカード後払いに変えられない。銀行振込の前払いで入金が遅れると、残高がゼロになった時点で広告の掲載が止まる。
原因:LINEヤフー広告の支払い方式は、設定すると後から変更できません。前払いでは残高がゼロになると掲載が停止され、銀行振込は振り込みから3営業日後に残高に反映されます(出典:支払い方式を設定する、前払い方式について(銀行振込/クレジットカード))。
対策:前払いで運用する場合は、クレジットカードの自動入金を設定し、残高が減ったときに自動で入金されるようにします。銀行振込を使う場合は、反映までの3営業日を見込んで早めに入金します。
回避策:アカウントを開設する前に、経理の支払いルール(請求書払いが必要か、カードを使えるか)と、ディスプレイ広告(予約型)を使う予定があるかを確認してから支払い方式を決めます。クレジットカード後払いのアカウントでは予約型のキャンペーンを作れないため、予約型を使う可能性があるなら前払いを選びます。
7. Squad beyondで広告費の効果を上げる
ディスプレイ広告の費用は、同じ予算でも、自動入札が正しいCVを学習できるか、クリックした人がLPで申し込むかによって、1件あたりの費用が変わります。Squad beyondでは次の方法で、広告費に対する成果を確かめながら改善できます。
7-1. Squad beyondのCVを媒体に返して自動入札に使う
Squad beyondで計測したCVを、Google広告に反映できます。beyondページの基本情報で、媒体欄に「Googleディスプレイ広告」または「Googleデマンドジェネレーション広告」を選んでアカウントを連携し、広告アカウントのお客様IDとコンバージョンアクションIDを入力します。反映はCVのみで、MCVは現状できません(出典:Google広告にSquad beyondのCVを反映する|Squad beyond FAQ)。
Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)にもCVを反映でき、媒体側のコンバージョン種別が「ウェブ」か「ウェブ(計測タグ)」かで、Squad beyondで選ぶ媒体設定が変わります(出典:Yahoo!広告にSquad beyondのCVを反映する(YDA)|Squad beyond FAQ)。目標アクション単価やコンバージョン数の最大化のような入札戦略は、媒体に届くコンバージョンをもとに入札を調整するため、CVが媒体に正しく届いているかは費用対効果に直結します。
7-2. 記事LPなど遷移先のLPを複製して比べる
ディスプレイ広告では、広告から直接申し込みページに送るのではなく、記事LPを挟む構成もあります。どちらの構成でも、クリックの後のページで申し込まれるかどうかが1件あたりの費用を左右します。
Squad beyondでは、Versionを複製してCTAやリンク先を変え、同時に配信を始めることで、遷移先のLPを変えたABテストができます(出典:beyondページからの遷移先を異なるLPに設定してABテストする|Squad beyond FAQ)。Branch Operationを使えば、1つのURLでページ(Version)とクリエイティブの組み合わせをABテストし、効果のよかった組み合わせだけを残せます(出典:Branch Operation機能について|Squad beyond FAQ)。
7-3. 広告連携で配信金額とCPAを同じ画面で見る
広告連携を使うと、配信金額をSquad beyondのレポートに反映でき、あわせてCPC・CPAも反映されます。媒体のCTR・IMP・CPM・CPCも確認できます(出典:広告連携をするメリットについて|Squad beyond FAQ)。なお、広告連携で反映されるのは媒体の配信データで、CVはSquad beyondのCVタグなどで計測します(出典:広告媒体と連携するとCVデータも反映されますか?|Squad beyond FAQ)。
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8. ディスプレイ広告の費用についてよくある質問
Q. ディスプレイ広告の費用の相場はいくらですか?
GoogleとLINEヤフー広告の公式ヘルプには、クリック単価や月額の相場は示されていません。費用は広告枠ごとのオークションで決まり、入札価格や広告の品質によって変わるためです。予算は広告主が自由に設定でき、LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)には決まった料金や初期費用もありません。見積もりは相場からではなく、目標CPA×目標件数で月の予算を出し、少額で配信して実際のクリック単価やCPAを確かめてから広げるのが確実です。
Q. ディスプレイ広告は最低いくらから出稿できますか?
Googleは、キャンペーン費用を自由に設定できると案内しています。LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)も、決まった料金や初期費用はなく、予算の上限を事前に設定して少額から始められるとしています。ただし、LINEヤフー広告では支払い方式ごとの決まりがあり、クレジットカードの自動入金の金額は3,000円以上、クレジットカード後払いで月額予算を設定する場合はディスプレイ広告で10,000円以上です。自動入札で成果を出すには学習に必要な予算も見込む必要があります。
Q. クリック課金とインプレッション課金はどちらを選べばいいですか?
サイトへの訪問や申し込みを増やしたいならクリック課金、社名や商品をできるだけ多くの人に見せたいならインプレッション課金が基本です。Googleは、ウェブサイトへの誘導が主な目標ならクリック重視から始め、表示回数を重視するなら視認範囲のインプレッション単価を勧めています。クリック課金ではクリック後のLPで申し込まれるかどうかが1件あたりの費用を左右するため、Squad beyondのようにLPを複製して遷移先を比べられる環境があると、同じ広告費で獲得件数を増やす改善を進めやすくなります。
Q. Yahoo!(LINEヤフー)のディスプレイ広告の費用のしくみは?
LINEヤフー広告 ディスプレイ広告(運用型)には、クリック課金、ビューアブルインプレッション課金、動画再生課金、友だち追加課金の4つの課金タイプがあり、キャンペーンの目的によって使える課金方式が決まります。予算はキャンペーンごとの1日の予算で設定し、管理画面の金額は税抜きです。請求の対象は1日の予算の200%までで、1カ月の請求限度額は1日の予算×その月の日数で計算されます。支払い方式は前払いと後払いがあり、設定後は変更できません。
Q. 予算はどうやって決めればいいですか?
まず目標CPA(1件の獲得に払える金額)と目標件数を決め、掛け合わせて月の予算を出します。次に、Googleなら月の予算を30.4で割って1日の平均予算に、LINEヤフー広告ならその月の日数で割って1日の予算に直します。自動入札を使う場合は、Googleのデマンド ジェネレーションで予算を目標アクション単価の10倍以上にすることが推奨されています。予算を組む前提として、媒体に届くコンバージョンが正しいかも確認が必要です。Squad beyondでは、計測したCVをGoogleのディスプレイ広告やデマンド ジェネレーション、Yahoo!ディスプレイ広告に反映できます。
Q. ディスプレイ広告の費用を抑えるにはどうすればいいですか?
費用を抑えるといっても、1日の予算を下げるだけでは獲得件数も減ります。見るべきは1件あたりの費用(CPA)です。入札戦略を目標に合わせて選び、配信開始から数週間は入札や予算を大きく動かさずにデータをためることが、Googleのヘルプでも勧められています。そのうえで、クリック後のLPの申し込み率を上げれば、同じクリック単価でもCPAは下がります。Squad beyondのBranch Operationでバナーと記事LPの組み合わせを比べ、成果の悪い組み合わせを止めていくと、広告費のむだを減らせます。
9. まとめ
- ディスプレイ広告の費用に決まった料金はなく、オークションで決まる。予算は広告主が自由に設定でき、相場の金額は公式には示されていない
- 課金方式はクリック課金・インプレッション課金が中心。Googleの従来のディスプレイでは要件付きでコンバージョン課金もあるが、デマンド ジェネレーションでは対象外で、GDNの課金型はCPM
- Googleの1日の平均予算は日によって最大2倍、1か月は30.4倍が上限。LINEヤフー広告は請求対象が1日の予算の200%まで、1カ月は1日の予算×月の日数
- LINEヤフー広告の支払い方式は前払いと後払いがあり、設定後は変えられない
- 予算は目標CPA×目標件数で月の予算を出し、媒体ごとの計算で1日の予算に直す。自動入札を使うなら学習に必要な予算も見込む
同じ予算でも、媒体に正しいCVが届いているか、クリックした人がLPで申し込むかで、1件あたりの費用は変わります。Squad beyondのCV反映とLPの比較を使えば、広告費の使い道を成果の数字で確かめながら改善できます。
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