AIDMAとは|5段階の意味と実務での活用法
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購買行動を整理するフレームワークとして長く使われているのが、AIDMAです。Web購買やSNS購買が広がった現在、「AIDMAは古い」「もう使えない」という意見も見かけます。一方で、社内での施策設計や効果測定の共通言語として、AIDMAを参照する企業は今も多くあります。本記事では、AIDMAの定義と5段階の意味、AISASとの違い、LP運用やCV改善の現場でどう使うかを、一次情報を踏まえて整理します。AIDMAを「言葉として知っている」段階から「現場で使える」段階へ進めたい方の参考になれば幸いです。
目次
01|AIDMAとは
AIDMAとは、消費者が商品を認知してから購入に至るまでの心理プロセスを5段階で整理したモデルです。Attention(注目)、Interest(興味)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の頭文字をとってAIDMAと呼ばれます。
提唱者は米国の販売・広告研究者サミュエル・ローランド・ホール氏とされ、1920年代に体系化したと紹介されることが多い概念です。原典としては『Retail Advertising and Selling』(1924年)が挙げられますが、ホール氏の他著作や同時代の論考でも近い枠組みが議論されており、提唱者・提唱年については複数の説があります(参考:富士フイルム future-clip Vol.31「100年たっても通用する伝統的な理論」)。
AIDMAは、5段階を「認知段階(Attention)」「感情段階(Interest・Desire・Memory)」「行動段階(Action)」の3つに分類して整理されることもあります。
5段階の意味
1. Attention(注目)
- 商品やサービスの存在を消費者が認知する段階です。広告、PR、SEOによる検索結果での表示、SNSでの露出などがきっかけになります。「知らない」状態から「知っている」状態への移行に位置づけられます。
2. Interest(興味)
- 認知した商品に対して「面白そう」「自分に関係しそう」と感じ、もう少し情報を知りたくなる段階です。広告のキャッチコピー、LPのファーストビュー、SNS投稿などの情報の出し方によって関心の強さが変わります。
3. Desire(欲求)
- 「欲しい」「使ってみたい」と感じ、購入意思に近づく段階です。商品特性、具体的な利用シーン、他社比較などの情報が判断材料となります。
4. Memory(記憶)
- その場で購入に至らず、商品を覚えておく段階です。給料日・ボーナス・キャンペーン時期など、購入のタイミングを待つ場面で起こります。ブランド想起や繰り返しの接触が、次のアクションに影響します。
5. Action(行動)
- 実際に購入・申し込み・問い合わせなど、行動に踏み切る段階です。LPのフォーム設計や購入導線の使いやすさが結果を左右します。
02|AIDMAが今も使われる理由と限界
AIDMAは100年近く前のモデルですが、現代でも参照され続けています。一方で、Web購買が一般化した現在では当てはまらない場面もあります。
メリット
購買心理の段階を可視化できる点が、AIDMAの大きな利点です。「いまユーザーはどの段階にいるか」「どの段階でつまずいているか」を社内で共通言語化できるため、施策設計や効果測定の議論がそろえやすくなります。新人マーケターの育成や、部門横断のプロジェクトで合意形成を取りやすいことも実務での評価点です。
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適用しにくい場面
Web購買やSNS購買のように、認知から購入までが短時間で起こる場合、AIDMAは当てはまりにくくなります。広告を見てそのままタップで購入に至る経路では、「Memory」段階の意識的な保留はほとんど起こりません。SaaSのフリートライアル登録や低関与商材の即決購入も同様です。
AIDMAが有効と考えられる商材
検討期間が長く複数回の接点が必要な商材では、Memoryを含めた段階管理が役立ちます。住宅・自動車・耐久消費財、企業の大型ソフトウェア導入、保険商品などが該当します。Memory段階の重みが時代や商材によって変わる、という見方をすると現場で扱いやすくなります。
CVR平均や業界別のデータをもとに、Action段階の改善余地を確認したい方は、こちらの記事もご参照ください。
03|AISASとの違い

AIDMAと並んで取り上げられることが多いのが、AISAS(アイサス)です。
AISASは、株式会社電通がインターネット普及後の消費者行動を整理する目的で提唱した購買行動モデルとされます。5段階はAttention(注目)、Interest(興味)、Search(検索)、Action(行動)、Share(共有)です。AIDMAのDesire(欲求)とMemory(記憶)が消え、代わりにSearch(検索)とShare(共有)が入った構造になっています。
両者の使い分けの目安を、4つの観点で整理します。
| 観点 | AIDMA | AISAS |
|---|---|---|
| 想定する購買経路 | 店舗・店頭中心、テレビ・新聞などのマス接触が起点 | オンライン中心、検索やSNSが起点 |
| 意思決定までの時間 | 比較的長く、検討期間がある | 短く、その場で完結することが多い |
| 情報接触チャネル | 広告・口コミ・店舗体験 | 検索結果、SNS投稿、レビューサイト |
| 想起されるべきタイミング | 購買余力ができたとき(Memory) | 検索したとき(Search) |
両モデルは対立するわけではなく、商材特性と購買経路に応じて使い分ける関係にあります。Web購買が主軸の商材ではAISAS、高関与で検討期間が長い商材ではAIDMA、というのが現場での使い分けの目安です。実務では、流入経路ごとに「どちらのモデルに近い動きをしているか」を見ながら、両方の視点を必要に応じて切り替えていく扱いが現実的です。
04|AIDMAを実務で使う段階別のやり方
AIDMAを業務で使うときは、5段階を4つのやり方に整理すると扱いやすくなります。ここでは、デジタル領域での具体策を中心に紹介します。
1. Attention段階でやること
- 認知の起点を確保する段階です。広告(ディスプレイ・SNS広告・運用型・テレビCM)、PR、検索結果での上位表示、メディア露出などが該当します。Web中心の場合、SEOで指名検索につながる準顕在キーワードを押さえることや、SNSでの継続露出が現実的な選択肢です。Attention段階の効果測定には、リーチ・インプレッション・ブランドリフト指標がよく使われます。
2. Interest段階でやること
- 認知だけでは購入につながらないため、興味を喚起する情報設計が必要になります。LPのファーストビューでは、ユーザーが抱える課題と提供価値を短時間で結びつけるコピー設計、業界別・課題別のシナリオ提示が有効です。コンテンツマーケティングであれば、課題起点の記事や事例記事が機能します。指標としては、サイト滞在時間、スクロール率、記事の読了率などが目安です。
3. Desire・Memory段階でやること
- 「欲しい」と「覚えておく」を両方扱う段階です。LPの中盤では、商品特性、競合比較、導入企業の声、利用シーンの提示が判断材料になります。BtoBであれば資料ダウンロードやホワイトペーパー、BtoCであればサンプルや体験版が代表的な方法です。Memory段階を強化するには、リターゲティング広告、メルマガ、SNSのフォロー導線などで再接触を維持する設計が挙げられます。
4. Action段階でやること
- 最後のCV段階では、購入・申し込み・問い合わせフォームの使いやすさが結果を左右します。フォーム項目の見直し、入力アシスト、エラー表示、サンクスページ設計などのLPO/EFOで、離脱の取りこぼしを抑えます。Action段階での主指標はCVR・CPA、フォーム到達率、フォーム送信率です。
LPO・EFOによるAction段階の改善について詳しく解説している記事もございますので、あわせてご参照ください。
05|AIDMAを使うときの注意点
AIDMAは整理のフレームとして便利な一方、扱い方を誤ると現場の判断を歪めることもあります。以下の3点を意識すると、AIDMAをより現実的に使えます。
1. 段階を直線的に捉えすぎない
- 実際の購買では、Interest段階で一度離脱して半年後に戻る、Desireまで進んだあとに他社情報を見て前段階に戻る、といった行きつ戻りつが頻繁に起こります。AIDMAは段階を抽象化したモデルなので、現実の動きを完全に再現するものではないと割り切る前提が必要です。
2. 全顧客に全段階が発生するとは限らない
- 指名検索でLPを訪れたユーザーは、すでにDesireやMemoryに近い段階にあるため、Attention段階の施策を強めても効果は出にくくなります。流入経路ごとに「どの段階のユーザーが多いか」を見定めることが重要です。
3. 行動データと組み合わせて補正する
- AIDMAの段階理解は仮説の起点であり、その後は実際の行動データ(クリック、CV、離脱、再訪)で裏付けて補正する必要があります。AIDMAだけで施策設計を完結させず、データ取得・検証のサイクルとあわせて使う方法が現実的です。
なお、AIDMAは「段階モデル」、カスタマージャーニーマップは「ユーザー体験を時系列・接点別に整理する手法」で、目的が少し異なります。
カスタマージャーニーについては別記事で扱っているのでご参照ください。
06|LP改善とA/BテストができるSquad beyond

Squad beyondは、LPの高速制作・A/Bテスト・効果測定を一つの環境で扱えるマーケティングプラットフォームです。AIDMAの中でも、結果が数値で表れやすいAction段階——LPからCVに至る導線の改善——を、テストと検証を回しながら継続的に整えていく仕組みを提供します。
具体的には、複数LPパターンの並行公開・テスト、訴求別・流入別のクリエイティブ管理、CV率の変化を可視化するレポーティングなどを通じて、Attention〜Memory段階で集めたユーザーをAction段階で取りこぼさない設計を支援します。広告運用とLP運用が別チームで分断されがちな企業でも、共通のダッシュボード上で議論できる点が現場で評価されています。
BtoBのリード獲得設計について詳しく解説している記事もございますので、あわせてご参照ください。
07|AIDMAについてよくある質問(FAQ)
Q. AIDMAはBtoBマーケティングでも使えますか?
A. 使えますが、補完が必要です。BtoBは複数人で長期的に検討される取引のため、AIDMAだけでは関与者ごとの動きを捉えきれません。アカウント単位で関与者を整理するABMや、リード育成のナーチャリング設計と組み合わせる形が現実的です。
ABMの考え方について詳しく解説している記事もございますので、あわせてご参照ください。
Q. AIDMAとAISASは結局どちらを使えばよいですか?
A. 商材の購買経路で使い分けます。検討期間が長く、店頭やマス接触も含む商材はAIDMA、検索やSNSで完結しやすい商材はAISASが目安です。Web主軸でもMemory段階が成果に影響する高単価商材では、AIDMA寄りの設計が必要になる場合もあります。
Q. AIDMAの「Memory」段階を意識しなくてもよい商材はありますか?
A. 即決購買が中心の商材では、Memory段階を簡略化できます。日用品の追加購入、SNS広告からの低単価商品の購入、SaaSのフリートライアル登録などが該当します。一方、住宅・自動車・BtoBの大型導入など検討期間が長い商材では、Memory段階の設計が成果に影響します。
Q. AIDMAを使った効果測定はどのように行えばよいですか?
A. 段階ごとに指標を分けます。Attentionはリーチ・インプレッション・ブランドリフト、Interestはサイト滞在・記事読了率、DesireはLP通過率・資料ダウンロード数、Memoryはリターゲティング広告のCTR・再訪率、ActionはCVR・CPAが代表的な目安です。
ブランドリフトサーベイによる認知段階の効果測定について詳しく解説している記事もございますので、あわせてご参照ください。
08|まとめ
AIDMAは消費者の購買プロセスを5段階で整理する古典モデルで、Attention・Interest・Desire・Memory・Actionの頭文字から構成されます。提唱から100年近くが経った現在も、購買心理の段階を社内で共通言語化し、施策設計の出発点として参照できる枠組みです。一方で、Web購買やSNS購買では当てはまらない場面もあり、AISASとの使い分けや、行動データとの組み合わせが現場では重要になります。AIDMAの定義を理解したうえで、各段階のやり方にどう落とすかを継続的に検証していく姿勢が、成果につながると考えられます。
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