ブランドリフトサーベイとは|4指標と主要5媒体の比較
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ブランドリフトサーベイは、広告キャンペーンが消費者の意識(認知や好意度、購入意向など)にどのような変化を起こしたかを定量的に測定する調査手法です。クリック数や購入数といった行動データだけでは見えにくい「心理面の効果」を確認できる点が特徴になります。
本記事ではブランドリフトサーベイの基本定義から、測定できる4つの指標、主要媒体(Google・Meta・X・LINE・Yahoo!)の機能比較、実施の5ステップ、そして結果をLP改善やクリエイティブ改善につなげる方法までを、整理してお伝えします。
目次
01|ブランドリフトサーベイとは
ブランドリフトサーベイとは、広告に接触したユーザー(露出群)と接触していないユーザー(非露出群)にアンケートを実施し、両者の回答差分から広告がブランド認知や購入意向などにどれだけ影響を与えたかを測定する手法です。英語表記はBrand Lift Surveyで、頭文字をとって「BLS」とも呼ばれます。媒体や事業者によって「ブランドリフト調査」「ブランドリフト測定」「ブランド効果測定」など呼称が分かれていますが、おおむね同じ概念を指します。
「広告効果測定」が広告の成果全般を扱う上位概念だとすると、ブランドリフトサーベイはその中でも「心理面の変化」に特化した一手法という位置付けになります。クリック率やコンバージョン数といった行動指標と組み合わせて使われることが多く、行動面で表れにくいテレビCM・動画広告・認知拡大目的のキャンペーンと相性が良いとされます。
広告効果測定の全体像について詳しく解説している記事もございますので、あわせてご参照ください。
02|ブランドリフトで測れる4指標

主要媒体のブランドリフト機能が共通して扱う指標は、大きく「認知」「好意度」「購入意向」「ブランド連想(メッセージ連想)」の4つに整理できます。媒体ごとの細かな指標名は異なりますが、本質的な役割はこの4区分に収まります。
認知(広告想起・ブランド認知)
- 広告を見たことを覚えているか(広告想起)、そしてブランド自体を知っているか(ブランド認知)を測る指標です。Google公式の「ブランド効果測定」では「広告想起率」と「認知度」として実装されており、Metaのブランドリフトテストでは「Ad Recall(広告想起)」が必須質問になっています(出典:ブランド効果測定について - Google 広告ヘルプ / About Brand Lift Poll Questions - Meta Business Help Center)。
好意度
- ブランドへの好感や親しみがどれくらいあるかを測る指標です。広告が単に見られているだけでなく、ブランドに対するポジティブな感情を生んでいるかを確認できます。
購入意向
- ユーザーがそのブランドの商品・サービスを「買いたい」「契約したい」と思っているかを測る指標です。実際の購入行動の前段階にあたる意識指標として、コンバージョンに先行する変化を捉えることができます。
ブランド連想(メッセージ連想)
- ブランドに対して特定のイメージや属性(高品質、安心、革新的など)を連想するかを測る指標です。Yahoo!広告では「メッセージ連想」、Metaでは「Message Association」という名称で提供されています(出典:ブランド効果測定について - Yahoo!広告ヘルプ)。
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03|主要媒体のブランドリフト機能比較
ここからは、Google・Meta・X・LINE・Yahoo!の5媒体について、ブランドリフト機能の仕様を公式ヘルプをもとに整理します。最低出稿額や配信期間は公式が明示していないケースも多く、そうした項目は「公式非公開」と表記しています。代理店ブログ等で散見される金額は一次情報ではないため、本記事では掲載していません。
| 媒体 | 機能名 | 主な対応指標 | 最低出稿額 | 取得方法 |
|---|---|---|---|---|
| Google/YouTube | ブランド効果測定(Brand Lift) | 広告想起率/認知度/関連付け/比較検討/好意度/購入意向(最大3つ選択) | 日本:1問15,000ドル/2問30,000ドル/3問60,000ドル(10日間) | Google担当者経由(必須) |
| Meta | Brand Lift Test | 広告想起(必須)+認知/好意度/購入意向/メッセージ連想 ほか | 国別に設定(日本の具体額は公式非公開) | Ads Managerのセルフサービス/Meta担当者経由 |
| X(旧Twitter) | X Brand Surveys | 認知/好意度/比較検討/購入意向 ほか | 日本:キャンペーン出稿1,000万円〜(追加費用なし) | X Account Manager経由 |
| LINE | ブランドリフトサーベイ | 広告想起/ブランド認知/利用経験/好意度・関心度/利用・購入意向/推奨意向/広告認知 | プラン制(公式非公開) | 営業/代理店経由(オフライン案件) |
| Yahoo!ジャパン | ブランド効果測定(ブランドリフト調査) | 広告想起(必須)/ブランド認知/メッセージ連想/比較検討/好意度/購入意向 | 予約型商品の出稿条件に準拠(公式非公開) | 広告管理ツール+予約型ディスプレイ商品 |
Google/YouTube:ブランド効果測定
動画キャンペーンとデマンドジェネレーションキャンペーン(許可リスト登録が必要)を対象とした無料機能です。
日本での最低予算は10日間で1問15,000ドル、2問30,000ドル、3問60,000ドル相当と公式に明示されています。利用にはGoogleアカウント担当者経由での申請が必須で、管理画面だけでは完結しません。インフィード動画広告は対象外である点にも注意が必要です。
(出典:ブランド効果測定の設定 - Google 広告ヘルプ)
Meta:Brand Lift Test
広告露出群とホールドアウト群(広告非露出群)にユーザーをランダム分割し、両群へアンケートを送る実験設計を採用しています。「Ad Recall(広告想起)」が必須質問で、その他は好意度・購入意向・メッセージ連想など多数のカテゴリから選択する仕組みです。
Ads Managerのセルフサービス版とMeta担当者経由の管理型の両方が提供されており、1テストにつき1言語のみという制約があります。
なお「Brand Lift Test」と「Conversion Lift」は別機能です。後者はMeta Pixel/コンバージョンAPI経由のCVデータを用いて、広告接触群と非接触群のコンバージョン差分を測定する機能となっています。
(出典:Brand Lift minimum requirements - Meta Business Help Center)
X:X Brand Surveys
キャンペーン最低出稿額を満たせば追加料金は発生せず、X Account Managerが運用を支援します。
日本市場では、X Business公式資料上で「1,000万円のキャンペーンから追加費用なしでアンケート可能。キャンペーン終了後10営業日以内にインサイトレポート提供」と明示されています。市場ごとに条件は異なるため、日本以外で実施する場合はAccount Managerへの確認が必要です。
(出典:FAQs about Brand Surveys - X Business)。
LINE:ブランドリフトサーベイ
Talk Head View・Talk Head View Customなどの予約型動画広告を対象としたオプションで、運用型のセルフサーブ単体では完結しません。クイックプラン(β)とスタンダードプランの2種類が存在し、入稿締切は掲載開始日の4営業日前17時(薬機・医療系は5営業日前17時)です。
配信中の掲載期間や予算変更による訂正発注は、掲載終了日の前営業日から数えて4営業日前17時までに行う必要があります。
調査対象は15〜69歳で5歳刻みに指定でき、性別・年齢・都道府県のみで絞り込めます(性年代別の分析粒度の指定は不可)
(出典:LINE広告 ブランドリフトサーベイの提供開始について - LINEヤフー for Business)。
Yahoo!ジャパン:ブランド効果測定
Yahoo! JAPANトップページなどの予約型ディスプレイ広告を対象とし、時間帯ジャック型の予約型商品では実施できません。設定期限は掲載開始の4営業日前までで、3営業日前以降は設定できません。
「Self-conducted survey(自社調査)方式」は掲載期間中にYahoo! JAPANトップページのバナーで来訪者へアンケートを実施し、「Third-party survey(第三者調査)方式」は掲載終了後にマクロミルのモニターへアンケートを実施する、という2方式が用意されています。
ブランド効果測定の実施にあたっては、Yahoo!ジャパン側の審査が必須となる点にも注意が必要です
(出典:ブランド効果測定について - Yahoo!広告ヘルプ)
Meta・X・LINE・Yahoo!については、日本における最低出稿額の具体的金額が公式に明示されていないため、検討時は各媒体の担当者または公式代理店への問い合わせが必要です。
04|実施の5ステップと注意点

ブランドリフトサーベイは、思いつきで実施しても有意な差分が出ず、コストだけがかかる結果になりがちです。媒体公式の手順をもとに、実施の流れを5つに整理します。
1. 目的設定
- そもそも何を確かめたい広告キャンペーンなのかを言語化します。「新ブランドの認知拡大」「既存ブランドの好意度向上」「新商品の購入意向喚起」など、検証したい仮説を絞り込むことで、後段の指標選定と設問設計が一貫します。
2. 指標選定
- 目的に応じて、認知/好意度/購入意向/ブランド連想のどれを測るかを選定します。Google公式では最大3つまで選択できると明示されており、Metaでは広告想起が必須となります。指標を絞り込まないと設問数が増え、最低予算も上昇する点に注意が必要です。
3. 設問設計
- 各媒体のテンプレート設問をベースに、自社ブランドや想起させたいメッセージに合わせて文言を調整します。設問がブランド名想起を誘導してしまう書き方になるとセレクションバイアスが発生し、結果が歪む点に注意が必要です(出典:ブランドリフト調査とは - マクロミル)。
4. 配信
- 広告キャンペーンを通常通り配信します。露出群と非露出群のサンプルが十分に貯まる必要があるため、極端に短い期間や少ない予算では結果が出ません。Google公式は標準リフト調査で3〜14日以内、拡張リフト調査で9〜14日以内に完了することを推奨し、最初の10日間で費用要件を満たせば10日を過ぎても回答収集を継続可能としています。
5. 分析
- 媒体側から提供されるリフト値(Absolute Brand LiftやBrand Lift Percentなど)を確認し、目的に沿って差分が出ているかを評価します。差分が小さい場合は、クリエイティブの訴求軸やフリークエンシー(接触頻度)も合わせて見直し対象になります。
失敗例として多いのは「設問数を盛り込みすぎて予算が足りずに完了しない」「サンプル数不足で統計的に有意な差が出ない」「対象商材の認知が低すぎてブランド連想の設問に回答できない」などです。設問は3つ以内、配信期間と予算は媒体公式の要件を必ず満たす、という基本を踏まえて設計します。
05|結果をLP・クリエイティブ改善につなげる方法
ブランドリフトの結果は、出して終わりではなくLPやクリエイティブの改善方向性を決めることに使うことで初めて投資対効果が出ます。指標別に、改善のアタリの付け方を整理します。
1. 認知が低い場合
- そもそも広告が記憶に残っていない可能性が高く、ファーストビューやサムネイル、冒頭3秒の訴求が弱いケースが多くなります。動画ならフックの作り方、静止画ならビジュアルとコピーのコントラストを見直します。
2. 好意度が低い場合
- 広告は見られているがブランドへの感情を動かせていない状態です。訴求のトーン、世界観、共感ポイントを再設計します。BtoBであれば顧客事例や提供価値の言語化、BtoCであればブランドストーリーや使用シーンの見せ方が候補になります。
3. 購入意向が低い場合
- 意向が形成されていても次のアクションに踏み出せていない状態で、LP側のCTAやベネフィット提示、不安解消要素の弱さが要因となるケースが多くあります。CVRの業界平均と比較しながら優先的に手を入れる箇所を決めるのが現実的で、平均値と改善優先度について詳しく説明している記事もございますので、あわせてご確認ください。
CVRの平均は?業界別データと改善優先度
ブランドリフトの結果は、複数クリエイティブを並行して走らせる中で「どの訴求が認知に効き、どの訴求が購入意向に効くか」を見極める材料としても活用できます。LPやクリエイティブの改善は思いつきよりも検証サイクルの早さが効くため、改善方針が固まったら速やかにテスト計画に落とし込むことが重要です。
Squad beyondでできること

ブランドリフトの結果をLPやクリエイティブ改善に反映させるには、複数の検証パターンを高速に回せる仕組みが必要になります。
Squad beyondは、LP・記事LP・広告クリエイティブをノーコードで構築し、ABテストやデータに基づく改善を一気通貫で支援する運用検証プラットフォームです。
国内ネット広告媒体費の約30%が当社プラットフォーム上で運用されており、媒体公式のブランドリフト測定と組み合わせて使うことで、認知から購入意向、コンバージョンまで一連の改善サイクルを短縮できます(株式会社Squadプレスリリース)。
LP全体の改善手順、ABテストについて詳しく解説している記事もございますので、あわせてご参照ください。
また、フォーム改善の観点でCVRをさらに引き上げたい方は、以下の記事もあわせてご参照ください。
06|ブランドリフトサーベイについてよくある質問(FAQ)
Q. BLS/サーチリフト/認知リフトの違いは何ですか?
A. BLSはBrand Lift Surveyの略で、ブランドリフトサーベイ全般を指します。サーチリフトは広告接触によってブランド名や商品名のオーガニック検索数がどれだけ増えたかを測る指標で、行動データを根拠とします。認知リフトはブランドリフトの4指標のうち「認知」部分の上昇を指す通称で、独立した別調査ではありません。
Q. BtoBでも実施できますか?
A. 主要媒体のブランドリフト機能はBtoB商材でも利用可能ですが、サンプル数を確保するために十分な配信ボリュームが必要です。
意思決定者層に絞ったターゲティングではアンケート回答数が伸びにくいため、配信期間や予算を通常より長め・厚めに設定するなどの調整が現実的になります。
Q. 最低必要予算と実施期間の目安はどれくらいですか?
A. Google公式は日本における最低予算を、10日間で1問15,000ドル、2問30,000ドル、3問60,000ドル相当と明示しています。
配信期間は標準リフト調査で3〜14日以内、拡張リフト調査で9〜14日以内が目安です。Meta・X・LINE・Yahoo!については公式に金額が明示されていないため、各媒体の担当者または公式代理店への問い合わせが必要です。
Q. 実施したのに有意な差が出ません。何が原因ですか?
A. サンプル数の不足、設問の誘導性、配信期間の短さ、ターゲットと商材のミスマッチが代表的な要因です。媒体公式の最低予算・配信期間要件を満たしているか、設問がブランド名を直接想起させる作りになっていないかをまず確認します。
改善が難しい場合はクリエイティブ側のフックや配信ボリュームから見直すのが定石になります。
07|まとめ
ブランドリフトサーベイは、行動データだけでは捉えにくい消費者の心理面への広告効果を測定する手法であり、認知・好意度・購入意向・ブランド連想の4指標を媒体共通で扱える点に強みがあります。
Google・Meta・X・LINE・Yahoo!の5媒体はいずれも公式機能を提供していますが、最低出稿額や取得方法、対応フォーマットに差があるため、目的に合わせた媒体選定が前提となります。測定結果は出して終わりにせず、LPやクリエイティブ改善の方向性決定に活用してこそ投資対効果が生まれます。
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