ホテルの集客方法|直販予約を増やすWeb広告と導線
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予約の多くがOTA(宿泊予約サイト)経由で、自社サイトからの直接予約がなかなか増えない。Googleで施設名を検索すると、料金の比較が並んで公式サイトが目立たない。訪日客に向けて広告を出したいが、どこの国のどんな人に向けて設定すればいいのか分からない。ホテルの集客で、こうした悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
ホテルの集客方法は、OTA、自社の公式サイトと予約エンジン、Googleのホテル広告や無料の予約リンク、検索広告・SNS広告など多岐にわたります。直販予約を増やすには、OTAをやめることではなく、OTAと直販の役割を分け、Web広告から自社予約までの導線と計測を整えることが近道です。
この記事では、GoogleのHotel Centerヘルプ・Google広告ヘルプ、Meta・LINEヤフーの公式ヘルプ、観光庁と日本政府観光局(JNTO)の公表統計、旅行業法と消費者庁の資料(2026年10月21日時点)をもとに、ホテルの集客手段の役割分担、Googleのホテル広告の仕組み、訪日客に届ける設定、広告から自社予約までの導線、料金表示の注意点を整理します。
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目次
1. ホテルの集客方法の全体像|OTAと直販の役割を分ける
1-1. 主な集客手段と役割
| 手段 | 主な役割 | 直販との関係 |
|---|---|---|
| OTA(宿泊予約サイト) | サイト内で宿を探している人に見つけてもらう | 送客の手数料がかかる。施設名を知ってもらう入口にもなる |
| 公式サイト・予約エンジン | 予約の受け皿。プランや施設の情報の正本 | 直販の着地先 |
| Googleビジネスプロフィール・無料の予約リンク | 地図・検索で施設を見つけてもらい、料金と予約リンクを見せる | 料金を共有すると、公式サイトの予約リンクを費用なしで表示できる |
| Googleのホテル広告 | ホテル検索の料金比較の枠に、入札して予約リンクを表示する | 施設名やエリアで探している人を公式サイトに送る |
| 検索広告・SNS広告 | 施設名・エリア・目的(温泉・記念日など)で探す人や、旅行を考えている人に届ける | プランごとのLPに送る |
| メール・LINEなどの既存客への連絡 | 宿泊した人の再訪につなげる | 直販のリピーターづくり |
OTAは、宿を探している人が多く集まる場所です。直販を増やすときも、OTAで施設を知った人が施設名で検索し、公式サイトにたどり着ける状態にしておくことが前提になります。

1-2. 数字で見る宿泊需要
観光庁の宿泊旅行統計調査によると、2025年(確定値)の延べ宿泊者数は6億6,111万人泊(前年比+0.3%)でした。内訳は日本人が4億8,118万人泊(前年比-2.7%)、外国人が1億7,992万人泊(前年比+9.4%)です(出典:宿泊旅行統計調査(2025年・年間値(確定値))|観光庁)。
同じ調査の2025年の客室稼働率(確定値)は、施設のタイプで大きく違います(出典:同上)。
| 全体 | 旅館 | リゾートホテル | ビジネスホテル | シティホテル | 簡易宿所 |
|---|---|---|---|---|---|
| 61.6% | 38.2% | 56.9% | 75.3% | 74.1% | 29.6% |
また、日本政府観光局(JNTO)によると、2025年の訪日外客数は42,683,301人でした(出典:年別 訪日外客数、出国日本人数の推移(1964年‐2025年)|日本政府観光局)。日本人の宿泊が前年を下回り、外国人の宿泊が伸びている状況では、国内の旅行者と訪日客のどちらに向けた集客かを分けて設計することが重要になります。
1-3. 訪日客は個別に手配し、SNSや動画で情報を集めている
観光庁の「インバウンド消費動向調査」2025年年次報告書では、観光・レジャー目的の訪日外国人の旅行手配方法は「個別手配」が86.5%を占め、「団体ツアー参加」は10.1%、「個人旅行パッケージ利用」は3.3%でした。ツアー商品や往復航空券の申込方法は「ウェブサイト」が85.3%です(出典:インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書|観光庁)。
出発前に役に立った旅行情報源は、「SNS」43.3%、「動画サイト」39.6%、「個人のブログ」23.9%の順に多くなっています(全国籍・地域、複数回答)(出典:同上)。訪日客の多くは自分で宿を探して予約しているため、SNS・動画で施設を知った人が、公式サイトで迷わず予約できる導線が欠かせません。
2. Googleのホテル広告と無料の予約リンク
2-1. ホテル広告の仕組み
Googleのホテル広告は、ユーザーがGoogle検索やGoogleマップでホテルを検索したときに表示される「ホテル予約モジュール」に入札して表示する広告です。ホテル予約モジュールには、ホテルの写真、設備、料金、予約のためのリンクが表示されます。広告を出すには、宣伝するホテルのリスト、さまざまな旅程の最新の料金、広告をクリックしたときのランディングページを提供する必要があり、これらはHotel Centerアカウントで管理します(出典:Google 広告のホテル キャンペーンについて|Google 広告 ヘルプ)。
ホテル キャンペーンの広告は、Google検索ネットワークだけに表示されます(出典:ホテル キャンペーンを作成する|Google 広告 ヘルプ)。広告には会社の名前、ホテル名、料金、テキストのコールアウトが含まれ、自社サイトで予約するメリットを示せます(出典:Google 広告のホテル キャンペーンについて)。
2-2. 入札の方式と広告ランク
ホテル キャンペーンのヘルプには、ユーザーがホテルを予約した場合にのみ料金が発生する「コミッション(コンバージョン課金型)」、コンバージョン値の最大化をめざす「目標広告費用対効果」、クリックされたときに料金が発生する「上限クリック単価(固定またはパーセント)」などの入札方式が挙がっています。あわせて、コミッションに基づく入札戦略のサポート終了の案内も掲載されているため、使う前に現在の対象を確認してください(出典:同上)。
広告ランクは、入札単価と広告の品質が考慮されるオークションで決まります。品質に影響する要素には、パートナーの価格の精度や、広告がユーザーのニーズをどの程度満たしているかなどが含まれます(出典:同上)。
2-3. 無料の予約リンク:費用なしで公式サイトを表示する
Googleには、ホテル広告とは別に「無料の予約リンク」があります。ユーザーがホテルを検索したときに、自社の予約サイトを客室料金とともに表示でき、クリックされても費用はかかりません。ランキングは、消費者の好み、ユーザーに提示される価値、ランディングページでの操作、過去に提供された料金の精度などのシグナルで決まり、入札単価やホテル広告への入札の有無は影響しません。金銭によって上位を獲得することもできません(出典:ホテルの無料の予約リンクについて|Hotel Center ヘルプ)。
ホテルオーナー向けのガイドでは、ビジネスプロフィールからGoogleに料金を共有すると、リスティングに無料の予約リンクが自動的に表示されると説明されています(出典:ホテルのオーナー(ステップ 3: オプションのホテル広告を掲載する)|Hotel Center ヘルプ)。広告費をかける前に、まず無料の予約リンクで公式サイトが表示される状態を作るのが順番です。

2-4. 始め方:料金は接続パートナー経由で共有する
ビジネスプロフィールを整えると、ホテルはGoogleマップとGoogle検索に表示されますが、料金は表示されません。料金と予約リンクを表示するには、Hotel Centerアカウントを作って料金と空室状況を統合します。ヘルプには、現在リクエストが集中しているためGoogleとの直接統合は利用できないと書かれており、中央予約システム(CRS)、インターネット予約エンジン(IBE)、チャネルマネージャー(CM)、プロパティ管理システム(PMS)などの接続パートナーと料金を共有する方法が案内されています(出典:ホテルオーナー(ステップ 2: 料金を表示する)|Hotel Center ヘルプ)。
すでに予約エンジンなどを使っている場合は、そのプロバイダがGoogleと連携している可能性があります。まずは利用中のプロバイダに、Googleへの料金連携ができるかを確認しましょう(出典:ホテルの無料の予約リンクについて)。
2-5. 料金の精度:Googleと予約ページの合計料金をそろえる
ホテル広告と無料の予約リンクには、料金の精度に関するポリシーがあります。Googleから予約ページに移動したユーザーに、Googleと同じ1泊あたりの合計料金を目立つように表示すること、支払いが必要な料金・税金・手数料を追加の操作なしですべて開示することなどが求められます。リゾートフィーなど必ずかかる費用は合計料金に含める必要があり、オプションの料金を合計に既定で含めることはできません(出典:料金の精度に関するポリシー|Hotel Center ヘルプ)。
料金の精度は[非常に良い]から[不合格]までのスコアで評価され、[中程度][とても悪い]はオークションの掲載順位、広告費用、無料の予約リンクの掲載順位に悪影響を及ぼします。[不合格]になると、広告と無料の予約リンクは表示されなくなります(出典:同上)。
2-6. 検索以外の面にも出す「旅行関連の目標に基づくP-MAX」
Google広告には、検索、ディスプレイ、動画、Discoverなどのチャネルにホテル施設の広告を配信できる「旅行関連の目標に基づくP-MAX」もあります。利用には、Google広告アカウントに有効なHotel Centerアカウントがリンクされている必要があります(出典:旅行関連の目標に基づく P-MAX|Google Ads API)。キャンペーンの種類ごとの違いは「Google広告の種類と特徴|AI時代に選ぶべきキャンペーンとは?」で整理しています。
3. 直販予約を増やすWeb広告の使い分け
3-1. 施設名・エリアで探す人には検索広告
施設名での検索は、OTAや比較サイトで施設を知った人が公式サイトを探しているケースを含みます。エリア名や「温泉」「記念日」などの目的で探す人には、プランごとのLPを用意した検索広告が向いています。
Google広告の地域ターゲティングは、既定では対象地域にいる人だけでなく、その地域に関心を示した人にも広告を表示します。関心対象地域は、ユーザーが住んでいる国や検索に使っているドメインの国に限られません。ヘルプには、パリ在住のユーザーがgoogle.frで「大阪 貸切バス」を検索すると、「大阪」がそのユーザーの関心対象地域とみなされる例が載っています(出典:対象地域の設定|Google 広告 ヘルプ)。なお、ホテル広告キャンペーンでは、半径を指定した対象地域の設定はできません(出典:広告の対象地域を設定する|Google 広告 ヘルプ)。
LINEヤフー広告の検索広告でも、配信地域の判定条件を「ユーザーの所在地、検索キーワードに含まれる地域、ユーザーが関心を示している地域」から選べます。「ユーザーの所在地」のみにすると、その地域の外にいる人が地域名を含む語で検索しても広告は配信されません(出典:地域ターゲティング(特定の地域を指定して広告を配信)【検索広告】|LINEヤフー広告 ヘルプ)。旅行者は出発前に旅先の地域名で検索するため、宿泊施設の広告で「所在地」のみに絞ると、来てほしい人を外してしまうことがあります。
3-2. 旅行を考えている人にはSNS広告
Meta広告で市区町村や地域を選ぶと、[広告に反応する可能性が高い人へのリーチを増やす]が既定でオンになっていることがあります。Metaのヘルプでは、旅行での使い方として、ターゲット設定した地域への旅行の意向を示した人や、宿泊先やアクティビティを探している可能性がある人に広告が配信される例が挙がっています(出典:選択した市区町村または地域に関心がある人にリーチする方法|Metaビジネスヘルプセンター)。
ただし同じページに、広告は選択した市区町村または地域と同じ国に住んでいる人にしか配信されないと書かれています(出典:同上)。施設のある市区町村を選んで[リーチを増やす]を使う方法は、国内の旅行者向けの設定です。
3-3. 訪日客には「相手の国」を地域に、言語はLPまでそろえる
訪日客に届けたい場合は、施設のある地域ではなく、旅行者が住んでいる国を対象地域にします。Google広告のヘルプには、スペインのホテルの広告をイギリスにいる英語話者に表示する場合、イギリスを対象地域に設定し、英語で広告を作成する例が載っています。通常は対象言語と地域ターゲティングの設定を連動させたほうが有効とされています(出典:広告の対象地域を設定する)。
言語の扱いは2026年9月から変わっています。検索キャンペーンでは、キャンペーン単位のターゲット言語の設定が削除され、広告の言語に基づいて自動的にマッチングされます。また、Google広告はユーザーが広告とランディングページの言語を理解しているかを確認します(出典:ターゲット言語について|Google 広告 ヘルプ)。英語の広告を作るなら、着地先のLPも英語で用意し、広告と同じ言語で予約まで進める状態にします。
4. 広告から自社予約までの導線
4-1. 着地先は、客室と料金をすぐ選べるページにする
Hotel Centerのヘルプは、無料の予約リンクのおすすめの方法として、ユーザーが選択した客室や料金を確認できるランディングページに直接転送すること、選択した客室と料金を目立つように表示すること、ページが短時間で読み込まれることを挙げています(出典:無料の予約リンクに関するおすすめの方法|Hotel Center ヘルプ)。検索広告やSNS広告の着地先でも考え方は同じで、トップページから予約エンジンを探させる導線は避けます。
4-2. 訴求別のLPと予約エンジンの役割分担
「記念日プラン」「連泊」「ワーケーション」のように、広告ごとに訴求が違う場合は、訴求ごとのLPで魅力を伝え、予約の手続きは予約エンジンで行う形が組みやすくなります。施設全体の情報を載せる公式サイトと、広告から送るLPの使い分けは「LPとホームページの違いは?どちらを作るか判断する基準」で解説しています。
| 順番 | 置く内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | ファーストビュー | 広告と同じ訴求の写真と、施設名・エリア |
| 2 | プランの内容と料金 | 1泊あたりの料金の条件(人数・曜日・食事の有無)と、別にかかる費用 |
| 3 | 客室・設備・食事 | 写真と、料理の食材を表示する場合は実際の仕入れと一致させる |
| 4 | アクセス | 最寄り駅・空港からの移動手段 |
| 5 | 予約ボタン | 日付を選んで予約エンジンへ。訪日客向けは同じ言語の予約画面へ |
4-3. 広告と無料の予約リンクのクリックを分けて測る
直販の成果を正しく見るには、どこから来た予約かを区別する必要があります。無料の予約リンクのクリックは、Google広告のアカウントには表示されません。Hotel Centerでランディングページに「CAMPAIGN-ID」や「IF-AD-CLICK」のパラメータを使うと、広告のクリックと無料の予約リンクのクリックを自社のレポートで区別できます。テストや自動検証のためにGoogleが生成したリンクを除くために、「VERIFICATION」や「IF-VERIFICATION」のパラメータもあわせて使うことが勧められています(出典:無料の予約リンクのトラッキングについて|Hotel Center ヘルプ)。
検索広告やSNS広告のリンクにはUTMパラメータを付け、GA4で流入元を分けます。付け方は「UTMパラメータの生成方法|GA4計測ガイドと管理術」を参考にしてください。ビジネスプロフィールのパフォーマンスでは、ホテルの予約リンクがクリックされた回数も確認できます(出典:ビジネス プロフィールのパフォーマンスとインサイトを確認する|Google ビジネス プロフィール ヘルプ)。SNSで知って施設名で検索し、予約する、というように経路が複数にまたがる場合の見方は「アトリビューション分析とは|基本・モデル・やり方を解説」で解説しています。

5. ホテルの広告・LPで守る表示のルール
5-1. 料金は、適用条件と別にかかる費用まで書く
景品表示法は、価格などの取引条件について著しく有利であると誤認される表示(有利誤認表示)を禁止しています(出典:不当景品類及び不当表示防止法 第5条|e-Gov法令検索)。消費者庁の「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」は、価格とその適用範囲、適用される顧客の条件を正確に表示する必要があるとし、別に対価を請求するのに明示しない表示や、条件を明示しない表示は不当表示に該当するおそれがあるとしています。この考え方はサービスの価格表示にも基本的に適用されます(出典:不当な価格表示についての景品表示法上の考え方|消費者庁)。
「1泊○円〜」と書くなら、その料金が何名1室の場合か、どの曜日・時期か、食事は付くかを近くに書きます。Googleの料金の精度のポリシー(2-5)でも、必ずかかる費用を合計料金に含めることが求められています。
5-2. 「通常料金」との比較は、8週間の販売実績が目安
「通常○円のところ○円」のように過去の価格と比べる二重価格表示には基準があります。消費者庁の考え方では、セール開始時点からさかのぼる8週間のうち、比較に使う価格で販売されていた期間が過半を占めていれば、問題ないと考えられるとしています。ただし、その価格で販売されていた期間が通算2週間未満の場合や、その価格で販売した最後の日から2週間以上経っている場合は当たらないとされています(出典:同上)。
宿泊料金は日によって変わるため、どの日の料金を「通常料金」とするかが曖昧になりがちです。比較の表示をするなら、比べる料金がこの基準を満たしているかを記録しておきましょう。
5-3. 料理の食材の表示もメニューのルールの対象
消費者庁の「メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方」は、ホテルや百貨店、レストランなどが提供するメニュー・料理等の表示はすべて景品表示法の対象であるとしています(出典:メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について|消費者庁)。夕食付きプランのLPで食材の産地やブランドを強調する場合は、実際の仕入れと一致しているかを料理の担当者に確認してから公開します。
5-4. 交通や体験を組み合わせて売るときは旅行業法を確認する
旅行業法は、報酬を得て、旅行の目的地や日程、運送や宿泊のサービスの内容と対価を定めた計画を作り、そのサービスの契約を結ぶ行為や、他人の経営する運送機関や宿泊施設を利用して運送・宿泊のサービスを提供する行為などを「旅行業」と定めています。旅行業を営もうとする者は観光庁長官の登録を受けなければなりません(出典:旅行業法 第2条・第3条|e-Gov法令検索)。
自社の客室に、他社の交通や体験を組み合わせたプランを広告で売り出す場合は、この定義に当たらないかを、事前に観光庁や都道府県の窓口に確認しておきましょう。なお、登録を受けた旅行業者等が企画旅行の広告をするときは表示しなければならない事項があり、誇大広告も禁止されています(出典:旅行業法 第12条の7・第12条の8)。
5-5. 依頼した口コミ・投稿は広告と分かるように
2023年10月1日から、広告であることを隠すステルスマーケティングは景品表示法違反になりました(出典:令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。|消費者庁)。運用基準では、事業者が第三者にSNSや口コミサイトで自社のサービスについて表示させる場合は事業者の表示になるとし、自社サイトで第三者の投稿を恣意的に抜き出して使う場合も事業者の表示とされることがあるとしています(出典:「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」の運用基準|消費者庁)。招待した人の投稿をLPに載せるときは、広告であることが分かる表示にします。
6. ホテルの集客でよくある失敗例
6-1. 失敗例1:予約ページで税・手数料を後から加えると、Googleでの表示が減る
症状:Googleに送る料金には税・手数料を含めず、予約ページの最後の画面で必須の費用を加算すると、Googleに表示された料金と予約ページの合計料金が一致しなくなる。料金の精度のスコアが下がると、ホテル広告と無料の予約リンクの掲載順位や広告費用に影響し、評価が[不合格]になると表示されなくなる。
原因:料金の精度に関するポリシーでは、予約ページにGoogleと同じ1泊あたりの合計料金を目立つように表示し、支払いが必要な料金・税金・手数料をすべて開示することが求められています(出典:料金の精度に関するポリシー)。
対策:Hotel Centerの料金の精度のレポートで不一致のサンプルを確認し、接続パートナーに送る料金に必須の費用を含めるよう設定を直します。予約ページの最初の画面でも合計料金を表示します。
回避策:料金プランを追加・変更するときは、Googleに表示される料金と、予約ページの最後の画面の合計料金を、実際に予約の手前まで進めて照合する手順を入れておきます。サイトで料金を変えるのと同じ頻度でフィードを更新することもヘルプで勧められています(2-5・4-1)。
6-2. 失敗例2:無料の予約リンクと広告のクリックを分けずに、広告の成果を見誤る
症状:ホテル広告と無料の予約リンクの両方から公式サイトに人が来ているのに、ランディングページで両者を区別していないと、公式サイトの予約の増減を広告の成果として判断してしまう。無料の予約リンクから来た予約まで広告の成果に見え、入札や予算を誤って増やすことになる。
原因:無料の予約リンクのクリックはGoogle広告のアカウントには表示されず、トラッキングテンプレートも使われないため、キャンペーンIDが付きません(出典:無料の予約リンクのトラッキングについて)。
対策:Hotel Centerのランディングページの設定で、CAMPAIGN-IDまたはIF-AD-CLICKのパラメータを使い、広告のクリックと無料の予約リンクのクリックを自社のレポートで区別します。検証用のリンクはVERIFICATIONのパラメータで除きます。
回避策:ホテル広告を始める前に、無料の予約リンクだけの期間の予約数を記録しておきます。広告を始めたあとは、両者を分けたレポートで比べ、広告を足したことで増えた分を判断します。
6-3. 失敗例3:訪日客向けに施設の地域を指定しても、海外に住む人には届かない
症状:Meta広告で訪日客を集めるつもりで、施設のある市区町村を選び[広告に反応する可能性が高い人へのリーチを増やす]をオンにすると、広告は日本に住んでいる人にしか配信されない。英語の広告を作っても、海外にいて旅行を計画している人には表示されない。
原因:このオプションは、その地域への旅行に関心がある人をさらに探す機能ですが、広告は選択した市区町村または地域と同じ国に住んでいる人にしか配信されないと定められています(出典:選択した市区町村または地域に関心がある人にリーチする方法)。
対策:訪日客向けの広告セットでは、旅行者が住んでいる国を地域に指定し、その国の言語で広告とLPを用意します。国内の旅行者向けの広告セットとは分けて作ります。
回避策:広告セットを作る前に「国内の旅行者向け」か「海外に住む人向け」かを決め、地域の設定をその目的に合わせます。Google広告でも、旅行者が住む国を対象地域にし、広告とLPの言語をそろえる考え方は同じです(3-3)。
7. Squad beyondで直販予約のLPを運用する
直販の広告では、国・言語・プランごとに見せたい内容が変わり、予約は外部の予約エンジンで完了します。Squad beyondでは、広告ごとに表示を出し分け、予約エンジンまでの遷移を計測する運用ができます。
7-1. 広告ごとに言語や訴求のVersionを出し分ける
Squad beyondでは、URLに特定のパラメータが付いている場合だけ、指定したVersion(LPの版)を表示できます(出典:パラメータごとにVersionを出し分けする|Squad beyond FAQ)。たとえば、英語の広告から送るURLにだけパラメータを付けて英語のVersionを表示し、日本語の広告からは日本語のVersionを表示する、といった設計ができます。
指定したパラメータを含まないURLからアクセスし、かつ配信割合が1以上のVersionがない場合は404エラーになります(出典:同上)。なお、デバイス別の出し分けのFAQには「Version出し分け機能は、STANDARDプラン以上でご利用いただけます」と書かれています(出典:PC/スマホで表示されるページ内容を変更する|Squad beyond FAQ)。パラメータ別の出し分けのFAQには利用できるプランの記載がないため、契約中のプランで使えるかは事前に確認してください。配信前に、パラメータを付けたURLと付けないURLの両方で表示を確認しましょう。
7-2. 予約エンジンへの遷移を計測し、パラメータを引き継ぐ
LP内の予約ボタンを「計測機能付きリンク」にすると、予約エンジンへの遷移をクリックとしてSquad beyondのレポートに反映できます(出典:Squad beyondでクリックを計測する|Squad beyond FAQ)。予約エンジン側でCVを計測する場合は、Squad beyondが付与するパラメータがサンクスページまで引き継がれているかを、CVテストの中で確認します(出典:パラメーターが引き継げているか確認する|Squad beyond FAQ)。
7-3. 予約完了をCVとして返す
計測ツールやカートなど外部ツールのCVを、Squad beyondに反映するCV計測連携があります。連携先が管理画面にない場合は、ツールの担当者に外部送信が可能かを確認する手順がFAQに書かれています(出典:外部ツールのCVをSquad beyondに反映する|Squad beyond FAQ)。予約エンジンが外部送信に対応しているかは、利用中のプロバイダに確認してください。Squad beyondで取得したCVは、Google広告の管理画面に反映することもできます(出典:Google広告にSquad beyondのCVを反映する|Squad beyond FAQ)。
7-4. 季節のプランを日付で切り替え、訴求を比べる
日付別出し分けを使うと、指定した日程に合わせてVersionを切り替えられます(出典:日付別にVersionを出し分けする|Squad beyond FAQ)。連休や季節のプランを、販売期間に合わせて表示し、終わったら通常の版に戻せます。さらに、既存のVersionを複製してファーストビューだけを変えた版を作り、配信割合を1以上にすれば、同じ配信URLでABテストができます(出典:Versionを複製する|Squad beyond FAQ、ABテストを実施する|Squad beyond FAQ)。
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8. ホテルの集客についてよくある質問
Q. OTAと自社サイト(直販)はどう使い分ければいいですか?
OTAは宿を探している人が集まる場所で、施設を知ってもらう入口として役立ちます。一方、直販は送客の手数料がかからず、宿泊した人とのつながりを自社で持てます。OTAで施設を知った人が施設名で検索したときに公式サイトにたどり着けるよう、ビジネスプロフィールと無料の予約リンクを整え、施設名の検索広告やプラン別のLPで直販に送るのが基本の形です。プラン別のLPは、Squad beyondのようにVersionを複製してABテストできる環境があると、訴求の比較を続けやすくなります。
Q. Googleのホテル広告とは何ですか?
ユーザーがGoogle検索やGoogleマップでホテルを検索したときに表示される「ホテル予約モジュール」に入札して、自社の予約リンクを料金とともに表示する広告です。広告を出すには、ホテルのリスト、旅程ごとの最新の料金、ランディングページをHotel Centerで管理する必要があり、ヘルプでは現在、料金を接続パートナーを通じてGoogleと共有する方法が案内されています。入札方式には、予約が完了したときだけ料金が発生するコミッション型や、クリック単価型などがヘルプに挙がっています。
Q. 無料の予約リンクとホテル広告は何が違いますか?
表示される情報はほぼ同じですが、ホテル広告は有料で、Googleの広告オークションに応じてランク付けされます。無料の予約リンクは費用がかからず、ユーザーにとっての利便性に基づいてランク付けされます。ホテル広告に入札しているかどうかや入札単価は、無料の予約リンクのランキングに影響しません。どちらも料金の精度のポリシーの対象で、Googleに表示される料金と予約ページの合計料金が一致していないと、表示が減ったり表示されなくなったりします。
Q. 訪日外国人向けの広告はどう設定すればいいですか?
施設のある地域ではなく、旅行者が住んでいる国を対象地域にし、その国の言語で広告を作ります。Meta広告で施設の市区町村を選んで[リーチを増やす]を使っても、配信は日本に住んでいる人に限られます。Google広告は2026年9月から、検索キャンペーンの言語を広告の言語で自動的に判断するようになり、ランディングページの言語も確認されるため、LPも同じ言語で用意します。Squad beyondのパラメータ別の出し分けを使えば、国や言語ごとの広告から、同じ配信URLで言語別のVersionを表示できます。
Q. 「公式サイトが最安値」と広告に書いてもいいですか?
価格について、実際や他社と比べて著しく有利であると誤認される表示は、景品表示法の有利誤認表示として禁止されています。消費者庁の価格表示の考え方では、他の事業者の販売価格と比べる表示をするときは、その最近時の販売価格を正確に調査すること、特定の事業者と比べる場合はその名称を明示することが必要とされています。宿泊料金は日によって変わるため、比べた時点と表示している時点で料金がずれやすい点にも注意が必要です。迷う場合は、比較の表現を使わず、プランの内容で魅力を伝えるほうが安全です。
Q. 予約エンジンに移ると、広告の成果が測れなくなりませんか?
予約エンジンで予約が完了する場合でも、LPの予約ボタンのクリックを計測し、予約エンジン側の予約完了の数と突き合わせれば、広告ごとの成果を把握できます。Googleのホテル広告と無料の予約リンクは、Hotel CenterのCAMPAIGN-IDなどのパラメータで区別します。Squad beyondでは、予約ボタンを計測機能付きリンクにしてクリックを測り、パラメータが予約完了まで引き継がれているかをCVテストで確認できます。予約エンジンが外部へのCV送信に対応していれば、予約完了をCVとしてSquad beyondに反映することもできます。
9. まとめ
- ホテルの集客は、OTAをやめるのではなく、OTAと直販の役割を分け、Web広告から自社予約までの導線を整える
- Googleでは、ビジネスプロフィールと接続パートナー経由の料金共有で無料の予約リンクを表示し、そのうえでホテル広告を検討する
- Googleに表示される料金と予約ページの合計料金をそろえる。不一致は料金の精度のスコアを下げ、表示を減らす
- 訪日客には旅行者が住む国を対象地域にし、広告とLPの言語をそろえる。Metaの[リーチを増やす]は国内在住者向けの設定
- 料金表示は適用条件と別にかかる費用まで書き、「通常料金」との比較は8週間の販売実績を確認する
直販予約を増やすには、広告ごとに合ったLPから予約エンジンまで迷わず進めること、そしてどの経路の予約かを分けて測ることが欠かせません。国・言語・プランごとのLPを出し分けて成果を比べる運用には、Squad beyondのパラメータ別の出し分けと計測機能が使えます。
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