滞在時間とは|GA4での指標名と計算方法、LPでの見方

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滞在時間とは|GA4での指標名と計算方法、LPでの見方

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LPや記事の数字を見ていて、「滞在時間」を確認しようとGoogleアナリティクスを開いたのに、その名前の指標が見つからない。「平均ページ滞在時間」を探しても、GA4の画面には「平均エンゲージメント時間」しかない。こうした戸惑いを感じている方は多いのではないでしょうか。

アクセス解析でいう滞在時間は、ユーザーがページやサイトにいた時間のことです。GA4では「滞在時間」という名前の指標はなく、「ユーザー エンゲージメント」「平均エンゲージメント時間」などの名前で、ページが前面に表示されていた時間を測っています。旧バージョンのユニバーサル アナリティクス(UA)の「平均セッション継続時間」「ページ滞在時間」とは測り方が違うため、同じ感覚で読むと判断を誤ります。

この記事では、アナリティクス ヘルプ(2026年10月28日時点の記載)をもとに、GA4で滞在時間にあたる指標の定義と計算方法、UAの指標との違い、LPで滞在時間を見るときの注意をまとめます。

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1. 滞在時間とは|GA4では「エンゲージメント時間」として測る

1-1. アクセス解析での滞在時間の意味

滞在時間は、ユーザーがWebページやサイトにいた時間を表す言葉です。Googleも、Googleアナリティクスで得られるデータを「アクセスされたページ、滞在時間、とられた行動など」と説明しています(出典:Search Console と Google アナリティクスのデータを SEO に使用する|Google 検索セントラル)。

ただし、GA4の「ディメンションと指標」の一覧には、「滞在時間」という名前の指標はありません(出典:アナリティクスのディメンションと指標|アナリティクス ヘルプ)。GA4で滞在時間を確認したいときは、次の項で紹介する指標を使います。

1-2. GA4で滞在時間にあたる4つの指標

アナリティクス ヘルプの指標一覧で、時間を表す主な指標は次の4つです。

指標名ヘルプの説明何で割るか
ユーザー エンゲージメントウェブページが目的のコンテンツとして表示されている時間の長さ(アプリはフォアグラウンド表示の時間)割らない(合計)
平均エンゲージメント時間ユーザー エンゲージメントの合計時間 ÷ アクティブ ユーザー数アクティブ ユーザー数
セッションあたりの平均エンゲージメント時間セッションあたりの平均エンゲージメント時間セッション数
平均セッション継続時間ユーザー セッションの平均継続時間(秒)ヘルプに計算の記載なし

出典:アナリティクスのディメンションと指標|アナリティクス ヘルプ

このうち上の3つは、どれも「エンゲージメント時間」をもとにした指標です。違いは、合計をそのまま見るか、ユーザーの数で割るか、セッションの数で割るかです。「平均セッション継続時間」も指標一覧にありますが、計算方法はヘルプに書かれていないため、この記事ではエンゲージメント時間の3つを中心に説明します。

1-3. 「ページ滞在時間」はUAの指標

旧バージョンのUAには、「平均セッション継続時間」「ページ滞在時間」という指標がありました。UAのヘルプには、それぞれの計算方法が説明されています(4章で解説します)。

UAは、2023年7月1日以降に標準プロパティでのデータ処理が止まり、2024年7月1日の週以降は過去のデータにもアクセスできなくなっています(出典:ユニバーサル アナリティクスは Google アナリティクス 4 に置き換わりました|アナリティクス ヘルプ)。いま「滞在時間」を見るなら、GA4の指標で見ることになります。

2. GA4のエンゲージメント時間はどう測られるか

2-1. ページが「フォーカス状態」にあった時間だけを数える

GA4のユーザー エンゲージメントは、ウェブページがフォーカス状態にあった時間、またはアプリの画面がフォアグラウンド表示されていた時間の長さです(出典:[GA4]ユーザー エンゲージメント|アナリティクス ヘルプ)。

ヘルプは、エンゲージメント時間を「ウェブページがフォーカス状態にあった時間」と定義し、フォーカス状態のウェブページからユーザーが離れたときや、タブやウィンドウを閉じたときなどにアナリティクスへ送るとしています(出典:[GA4]ユーザー エンゲージメント|アナリティクス ヘルプ)。そのため、GA4のエンゲージメント時間は「ページを開いていた時間」と同じものとは読まず、「ページがフォーカス状態にあった時間」として扱います。

2-2. ページを離れたときなどにまとめて送られる

GA4は、新しいセッションが始まるとエンゲージメント時間をミリ秒単位で記録し始めます。記録した時間は、次のいずれかが起きたときにGoogleアナリティクスへ送られます(出典:[GA4]ユーザー エンゲージメント|アナリティクス ヘルプ)。

  • フォーカス状態のウェブページからユーザーが離れる
  • タブやウィンドウを閉じる、別のページに移動するなどで、ユーザーがページから離れる
  • アプリの画面がバックグラウンドに移る
  • サイトやアプリで問題が発生する

時間は engagement_time_msec というパラメータで、次に収集されるイベントに付けて送られます(出典:同上)。ヘルプの例(2-3)では、次のページへの移動時とサイトからの離脱時に user_engagement というイベントで時間が送られています。user_engagement は自動で収集されるイベントで、アプリがフォアグラウンド表示されている状態、またはウェブページにフォーカスがある状態が1秒以上続いたときに収集されます(出典:自動的に収集されるイベント|アナリティクス ヘルプ)。

2-3. ヘルプの例で、時間が送られる流れを追う

アナリティクス ヘルプには、2ページを見て離脱したユーザーの例が載っています。ホームページを開き、8秒後にスクロールし、その11秒後に2ページ目へ移動。2ページ目では6秒後にスクロールし、その7秒後にサイトを離れた、という流れです(出典:[GA4]ユーザー エンゲージメント|アナリティクス ヘルプ)。

ユーザーの動き送られるイベントengagement_time_msec
ホームページが表示されるfirst_visit、page_view、session_startなし
ページを下にスクロールするscroll8781
次のページに移動するuser_engagement11856
2ページ目にアクセスするpage_viewなし
ページを下にスクロールするscroll6677
ウェブサイトから離脱するuser_engagement7711

出典:同上

ページを開いた時点のイベントに時間が付いていないのは、セッションの中で直前のイベントからのエンゲージメント時間がないためです。このセッションで送られた時間を足すと、8,781+11,856+6,677+7,711=35,025ミリ秒(35.025秒)になります(足し算はこの記事で行ったもので、ヘルプに合計値の記載はありません)。

GA4のエンゲージメント時間が、スクロールやページ移動、離脱のときにengagement_time_msecとして送られる流れをアナリティクス ヘルプの例で示した図

なお、user_engagement はキーイベントとしてサポートされていないため、[管理] > [データの表示] > [イベント] に表示されないことがあります(出典:[GA4]ユーザー エンゲージメント|アナリティクス ヘルプ)。一覧に見当たらなくても、計測されていないとは限りません。

3. 平均エンゲージメント時間の計算方法

3-1. 平均エンゲージメント時間=合計 ÷ アクティブ ユーザー数

平均エンゲージメント時間は、ユーザー エンゲージメントの合計時間をアクティブ ユーザー数で割った値です(出典:アナリティクスのディメンションと指標|アナリティクス ヘルプ)。分母は「ユーザーの数」で、訪問の回数ではありません。

ヘルプには、7月に2人のユーザーがアクセスした例が載っています。ユーザー#1は7月2日に3分、7月4日に5分で合計8分。ユーザー#2は7月3日に4分、7月4日に6分で合計10分。この場合、7月の平均エンゲージメント時間は(8分+10分)÷ 2人=9分00秒です(出典:エンゲージメント概要レポート|アナリティクス ヘルプ)。

3-2. セッションあたりの平均エンゲージメント時間=合計 ÷ セッション数

セッションあたりの平均エンゲージメント時間は、各セッション中にウェブサイトがフォーカス状態にあった平均時間です(出典:[GA4]ランディング ページ レポート|アナリティクス ヘルプ)。分母は「セッションの数」です。

ヘルプの例では、2人のユーザーが7月に合計5回のセッションで、3分、3.5分、4.5分、4分、6分のエンゲージメントがありました。合計21分を5回で割り、セッションあたりの平均エンゲージメント時間は4分12秒(4.2分)です(出典:エンゲージメント概要レポート|アナリティクス ヘルプ)。

同じデータでも、ユーザーで割るかセッションで割るかで値が変わります。同じ人が何度も訪れるページでは、ユーザーで割る平均エンゲージメント時間のほうが大きく出ます。

平均エンゲージメント時間(合計÷アクティブ ユーザー数、例は9分00秒)と、セッションあたりの平均エンゲージメント時間(合計÷セッション数、例は4分12秒)の違いを、アナリティクス ヘルプの例で示した図

3-3. 期間全体の値と、日ごとのグラフの値は一致しない

エンゲージメント概要レポートでは、上部のタブに出る平均エンゲージメント時間が、グラフに出る日ごとの値より長くなる場合があります。タブの値は期間全体のユーザー数で割り、グラフの各点はその日のユーザー数で割っているためです。3-1の例では、タブは9分00秒ですが、グラフは7月2日が3分00秒、7月3日が4分00秒、7月4日が5分30秒です(出典:エンゲージメント概要レポート|アナリティクス ヘルプ)。

「日ごとの値の平均」と「期間全体の値」は別のものとして扱い、報告ではどちらの値かを書き添えておくと誤解を防げます。

4. UAの「平均セッション継続時間」「ページ滞在時間」との違い

4-1. UAの平均セッション継続時間は「ヒットの時刻の差」

UAの平均セッション継続時間は、すべてのセッションの継続時間(秒)の合計をセッション数で割った値です。1つのセッションの継続時間は、セッションの最後のページで「エンゲージメント ヒット」(非インタラクションの指定がないイベントによるヒット)があったかどうかで計算が変わります(出典:平均セッション継続時間|アナリティクス ヘルプ)。

  • 最後のページにエンゲージメント ヒットがない場合:最後のページでの最初のヒットの時間 − 最初のページでの最初のヒットの時間
  • 最後のページにエンゲージメント ヒットがある場合:最後のページでの最後のエンゲージメント ヒットの時間 − 最初のページでの最初のヒットの時間

ヘルプの例では、ページ1が10時、ページ2が10時5分、ページ3が10時10分に表示されると、継続時間は10分(600秒)です。ページ3で10時15分にエンゲージメント ヒットがあれば15分(900秒)になります(出典:同上)。最後のページで操作がなければ、そのページを読んでいた時間は継続時間に入りません。

4-2. UAのページ滞在時間は「次のページを開くまでの時間」

UAのページ滞在時間は、連続するページビューの開始時刻の差分として算出されます。ヘルプの例では、ページビュー2の開始が14時2分、ページビュー3の開始が14時31分のとき、ページビュー2のページ滞在時間は29分です(出典:[UA]ユニバーサル アナリティクスでのウェブ セッションの算出方法|アナリティクス ヘルプ)。

この計算では、次のページビューがないページ、つまりセッションの最後に見たページには、差を取る相手がありません。

4-3. 1ページで終わった訪問の扱いが違う

違いが最も大きく出るのは、1ページだけ見て離れた訪問です。UAでは、ページで何も行われなかった1ページのみのセッションは直帰で、直帰の場合のセッション継続時間は0秒です。ホームページを数分読んでいても、クリックなどのイベントがなければ直帰として数えられます(出典:[UA]指標の比較: Google アナリティクス とユニバーサル アナリティクス|アナリティクス ヘルプ)。

GA4では、ユーザーがページから離れるときにもエンゲージメント時間が送られます(2-2)。1ページだけの訪問でも、フォーカス状態にあった時間が記録されます。広告から1ページのLPに来て、読んでから離れる訪問が多いLPほど、UAとGA4で数字の出方が変わります。

UAの平均セッション継続時間・ページ滞在時間と、GA4のユーザー エンゲージメントの測り方の違い、1ページだけで操作のない訪問の扱いの違いを示した図

4-4. UAの「滞在時間」目標は、GA4のキーイベントで再現できない

UAには「到達ページ」「滞在時間」「ページ / セッション」「スマートゴール」「イベント」の5つの目標タイプがありました。アナリティクス ヘルプには、GA4のキーイベントを使って、スマートゴールや滞在時間の目標を複製することはできないと書かれています(出典:[UA]指標の比較: Google アナリティクス とユニバーサル アナリティクス|アナリティクス ヘルプ)。

UAで「〇分以上の滞在」を目標にしていた場合は、GA4では別の行動(フォームへの到達やボタンのクリックなど)を中間の成果として決め直す必要があります。中間の行動を成果として数える考え方は「マイクロコンバージョン(MCV)とは|定義・設定手順を解説」で解説しています。

5. LPで滞在時間を見るときの注意

5-1. LPは「ランディング ページ」レポートで、セッションあたりで見る

GA4で滞在時間を見られる標準レポートは主に2つあります。

レポート開き方時間の指標対象のページ
ページとスクリーン[レポート] > [エンゲージメント] > [ページとスクリーン]平均エンゲージメント時間(÷ アクティブ ユーザー数)セッションの最初か後の方かを問わず、アクセスしたページ
ランディング ページ[レポート] > [エンゲージメント] > [ランディング ページ]セッションあたりの平均エンゲージメント時間セッションで最初にアクセスしたページ

出典:[GA4]ページとスクリーンのレポート|アナリティクス ヘルプ、[GA4]ランディング ページ レポート|アナリティクス ヘルプ

広告から来てLPで訪問が始まる場合、LPはランディング ページとして集計されます。LPの1回の訪問でどれだけ時間が使われたかを見たいときは、ランディング ページ レポートの「セッションあたりの平均エンゲージメント時間」が目的に合います。ランディング ページ レポートは、セカンダリ ディメンション「セッションの参照元 / メディア」を追加すると、流入元ごとに分けて見られます(出典:[GA4]ランディング ページ レポート|アナリティクス ヘルプ)。

5-2. 長い・短いだけでは良し悪しが決まらない

今回確認したアナリティクス ヘルプには、平均エンゲージメント時間の「目安となる秒数」は書かれていません。時間の長さは、LPの文字量や構成、商材によって変わります。

また、時間が長いことは「よく読まれた」とも「迷って行動できなかった」とも読めます。時間の指標だけでは、どちらかを区別できません。LPの良し悪しは、最終的にはCVの数と率で判断し、滞在時間はその理由を探る手がかりとして使うのが現実的です。LP分析でほかに見る指標は「LP分析で押さえておくべき5つの指標|陥りがちな失敗や具体的な分析方法も解説」にまとめています。

5-3. 計測の前提が変わると、時間も変わる

GA4のエンゲージメント時間は、タグが動いて初めて記録されます。Google検索セントラルは、ユーザーがトラッキングを拒否した場合、Googleアナリティクスのデータにずれが生じると説明しています(出典:Search Console と Google アナリティクスのデータを SEO に使用する|Google 検索セントラル)。

同意の取り方やタグの設置を変えた前後では、時間の指標も比べにくくなります。タグや同意ツールの影響で数字が欠ける原因と確認の手順は「GA4でコンバージョンが計測されない原因とは?|解決方法を紹介」で解説しています。

6. 滞在時間はSEOの評価に使われるのか

6-1. 「滞在時間が長いと順位が上がる」とは公式に書かれていない

「滞在時間が長いページはSEOで評価される」という説明を見かけることがあります。しかし、この記事で確認したGoogleの公式ページ(この章で出典に挙げたもの)には、そうした記載は見当たりません。Googleは検索結果のランク付けについて、「集約、匿名化したインタラクション データ」を使って、検索結果が検索クエリと関連性があるかどうかを評価していると説明しています。ただし、このページには「滞在時間」やGoogleアナリティクスのデータを使うとは書かれていません(出典:検索結果のランク付け|Google 検索の仕組み)。

Google検索セントラルの「ランキング システム ガイド」「SEO スターター ガイド」などの日本語版も、2026年10月28日時点で「滞在」という語を含みません(出典:Google 検索ランキング システムのご紹介|Google 検索セントラル、Google 公式 SEO スターター ガイド|Google 検索セントラル)。滞在時間を順位のために伸ばす、という考え方には公式の根拠がありません。

6-2. 検索の成果はSearch Console、サイト内の行動はGA4で見る

Search Consoleの検索パフォーマンス レポートで選べる指標は、クリック数、インプレッション数、CTR、平均掲載順位で、滞在時間の指標はありません(出典:検索パフォーマンス レポート(検索結果): 概要と基本設定|Search Console ヘルプ)。

Google検索セントラルは、検索パフォーマンスに関する信頼できる情報源は常にSearch Console、サイト内での行動に関する信頼できる情報源はGoogleアナリティクスだと説明しています。そのうえで、「google organic」からのセッションに絞ったランディング ページ レポートで、オーガニック検索から来たユーザーにとってページがどの程度有用か、エンゲージメントとコンバージョンにどれほど貢献しているかがわかるとしています(出典:Search Console と Google アナリティクスのデータを SEO に使用する|Google 検索セントラル)。滞在時間は、順位の材料としてではなく、検索から来た人がページで何をしたかを知る材料として使います。

7. 滞在時間でよくある失敗例

7-1. 失敗例1:UAの平均セッション継続時間とGA4の平均エンゲージメント時間を前年比で並べる

症状:UA時代に記録した「平均セッション継続時間」と、GA4の「平均エンゲージメント時間」を同じ表に並べて前年比を出すと、LPを変えていないのに時間が大きく増えた、または減ったように見える。

原因:UAの平均セッション継続時間はヒットの時刻の差で計算し、操作のない1ページだけのセッションは0秒になります。GA4の平均エンゲージメント時間は、ページがフォーカス状態にあった時間をアクティブ ユーザー数で割ります。分子も分母も違うため、同じ訪問でも違う値になります(出典:平均セッション継続時間|アナリティクス ヘルプ、アナリティクスのディメンションと指標|アナリティクス ヘルプ)。

対策:UAとGA4の時間の指標は、増減の比較に使わないと決めます。比べるときはGA4の中だけで、同じ指標・同じレポート・同じ期間の区切りで前後を比べます。

回避策:レポートのテンプレートに「指標名」と「何で割った値か」を書く欄を設けます。過去の資料にUAの数字が残っている場合は、「UAの定義による値」と注記して、GA4の値と同じ列に置かないようにします。

7-2. 失敗例2:ページとスクリーン レポートの値を「LPの1回の訪問の時間」として読む

症状:ページとスクリーン レポートの平均エンゲージメント時間をLPの「1回の訪問あたりの時間」として報告すると、同じ人が何度も訪れたLPほど、実際の1回の訪問より長い時間が報告される。

原因:ページとスクリーン レポートの平均エンゲージメント時間は、ユーザー エンゲージメントの合計時間をアクティブ ユーザー数で割った値です。同じユーザーが複数回訪れると、その時間はすべて合計され、分母のユーザー数は1のままです(出典:[GA4]ページとスクリーンのレポート|アナリティクス ヘルプ)。

対策:1回の訪問あたりの時間を見たいときは、ランディング ページ レポートの「セッションあたりの平均エンゲージメント時間」を使います。LPで始まった訪問なら、LPはランディング ページとして集計されます。

回避策:報告で時間の数字を使うときは、「ユーザーあたり」か「セッションあたり」かを必ず書き添えます。社内で「滞在時間」と言ったときにどの指標を指すかを、あらかじめ1つに決めておくと取り違えを防げます。

7-3. 失敗例3:滞在時間が延びたことを、LP改善の成果として報告する

症状:LPの文章を増やしたり構成を変えたりしたあと、平均エンゲージメント時間が延びたことだけを根拠に「改善した」と判断すると、CVの数や率が下がっていても見落とされる。

原因:エンゲージメント時間は、ページがフォーカス状態にあった時間です(出典:[GA4]ユーザー エンゲージメント|アナリティクス ヘルプ)。時間が延びた理由が「読み込んだから」なのか「必要な情報が見つからず迷ったから」なのかは、時間の指標からは分かりません。また、Googleの公式に、滞在時間が長いと検索順位が上がるという記載はありません。

対策:LPの改善の判定は、CVの数と率で行います。時間の変化は、ヒートマップやスクロールの到達率と合わせて、どの部分で時間が使われたのかを確認する材料にします。

回避策:変更の前に「この変更で何が増えれば成功か」を決め、CVを主な指標、滞在時間を補助の指標として記録しておきます。変更前後は同じ期間の長さ・同じ流入元で比べます。

8. Squad beyondでLPの「どこで時間が使われたか」を見る

GA4の平均エンゲージメント時間は、ページ単位の平均です。LPのどの部分で時間が使われたか、どこで離れたかまでは分かりません。Squad beyondでは、LP(Version)ごとに次の数字を確認できます。

8-1. ヒートマップの「滞在時間」は表示位置ごとの回数・中央値・平均値

Squad beyondのヒートマップには、ライン非表示・到達率・離脱率・滞在時間・クリック数の5つの指標があります。このうち滞在時間は、表示位置に滞在した回数、滞在時間の中央値、滞在時間の平均値を表示します(出典:ヒートマップについて|Squad beyond FAQ、ヒートマップ上に表示された数字が示しているものについて|Squad beyond FAQ)。

平均値に加えて中央値も見られるため、一部の長い閲覧に平均が引っぱられていないかを確かめられます。LPの離脱や到達箇所を分析するときは、1%単位で数値が出る「全ページ表示」で確認するようFAQで案内されています(出典:ヒートマップの表示形式について|Squad beyond FAQ)。

8-2. ヒートマップの色は「時間の長さ」ではない

ヒートマップの色は、赤が「1秒以上滞在していたユーザーが多い」、青が「少ない」を表します。FAQには、色は滞在時間の長さではなく、その地点に1秒以上滞在したユーザー数の多さを基準にしており、赤い箇所が必ずしも平均滞在時間が長いことを意味するものではないと書かれています(出典:ヒートマップの色について|Squad beyond FAQ)。時間の長さを見るときは、指標で「滞在時間」を選んで数値で確認します。

ヒートマップのデータは、1日・1Versionで「PV10以上」「Click1以上」「CV1以上」のいずれかを満たすと取得されます。ページに1秒以上滞在しないとヒートマップのPVとして数えられない点にも注意が必要です(出典:ヒートマップの表示条件について|Squad beyond FAQ)。

8-3. FVER・SVER・OARで、離脱と到達を割合で見る

レポートでは、1度もスクロールせずに離脱したユーザーの割合(FVER)、スクロールしたが画面サイズの2倍の長さまで到達せずに離脱したユーザーの割合(SVER)、最初の計測機能付きリンクまで到達したユーザーの割合(OAR)を確認できます(出典:レポートの指標②(FVER・SVER・FSVER・OAR)|Squad beyond FAQ)。

GA4の平均エンゲージメント時間が短いとき、FVERが高ければファーストビューで離れている、OARが低ければ申し込みのリンクまで届いていない、というように、どこを直すかを絞り込めます。

8-4. Versionを複製して、CVで比べる

時間やスクロールの数字から改善案を作ったら、Versionを複製してファーストビューやCTAボタンを変えた版を作り、ABテストで比べられます(出典:Versionを複製する|Squad beyond FAQ、ABテストを実施する|Squad beyond FAQ)。判定には、Versionを閲覧したユーザーがCVする確率であるCTVR(CV数 ÷ VersionPV)を使えます(出典:レポートの指標①(CTR・CVR・CTVR)|Squad beyond FAQ)。LP改善の進め方全体は「LP最適化(LPO)とは?目的やリスク・改善ポイントをわかりやすく解説」で解説しています。

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9. 滞在時間についてよくある質問

Q. 滞在時間と平均エンゲージメント時間は同じものですか?

同じではありません。滞在時間はページやサイトにいた時間を指す一般的な言葉で、GA4にはその名前の指標がありません。GA4の平均エンゲージメント時間は、ページがフォーカス状態にあった時間(ユーザー エンゲージメント)の合計を、アクティブ ユーザー数で割った値です。数えるのはフォーカス状態にあった時間で、分母は訪問の回数ではなくユーザーの数です。「滞在時間」と書くときは、どの指標の値かを添えると誤解を防げます。

Q. GA4で平均滞在時間はどこで確認できますか?

ページごとの値は、[レポート] > [エンゲージメント] > [ページとスクリーン] の「平均エンゲージメント時間」で確認できます。セッションで最初に見られたページごとの値は、[レポート] > [エンゲージメント] > [ランディング ページ] の「セッションあたりの平均エンゲージメント時間」です。前者はアクティブ ユーザー数で、後者はセッション数で割った値なので、1回の訪問あたりの時間を見たいときはランディング ページ レポートを使います。

Q. 滞在時間の目安は何秒ですか?

今回確認したアナリティクス ヘルプには、平均エンゲージメント時間の目安となる秒数は書かれていません。LPの文字量や商材によって適切な時間は変わるため、他社の数字と比べるより、同じLPの変更前後や、同じ流入元のLPどうしで比べるほうが判断に使えます。Squad beyondでは、Versionを複製して変えた版を同じURLで出し分け、ヒートマップの滞在時間とCTVRを並べて比べられます。

Q. 滞在時間が長いとSEOに有利ですか?

今回確認したGoogleの公式ページに、滞在時間が長いと検索順位が上がるという記載はありません。Googleは、集約・匿名化したインタラクション データを使って検索結果の関連性を評価していると説明していますが、それが滞在時間を指すとは書かれていません。Search Consoleにも滞在時間の指標はありません。検索から来たユーザーのページ内の行動は、GA4のランディング ページ レポートで「google organic」に絞って確認します。

Q. 1ページだけのLPでも滞在時間は測れますか?

GA4では測れます。ユーザーがページから離れるときにもエンゲージメント時間が送られるため、1ページだけの訪問でも、ページがフォーカス状態にあった時間が記録されます。UAでは、操作のない1ページだけのセッションは継続時間が0秒になっていました。ただしGA4の値もページ全体の平均です。Squad beyondのヒートマップなら、1ページのLPでも、表示位置ごとの滞在時間の回数・中央値・平均値を確認できます。

Q. 滞在時間が短いLPはどこから直せばよいですか?

まず、短くなっているのが流入元のずれによるものか、LPの内容によるものかを分けます。ランディング ページ レポートに「セッションの参照元 / メディア」を追加すると、流入元ごとのセッションあたりの平均エンゲージメント時間を比べられます。特定の流入元だけ短い場合は、広告とLPの訴求のずれを疑います。全体的に短い場合は、Squad beyondのFVER(1度もスクロールせずに離脱した割合)でファーストビューで離れていないかを確かめ、改善案のVersionを作って比べます。CVRの改善の考え方は「CVR改善の基本:心理・導線・検証を一つずつ整える」で解説しています。

10. まとめ

  • 滞在時間はページやサイトにいた時間を表す言葉。GA4には「滞在時間」という名前の指標はなく、ユーザー エンゲージメント・平均エンゲージメント時間・セッションあたりの平均エンゲージメント時間で見る
  • GA4のエンゲージメント時間は、ページがフォーカス状態にあった時間。ページを離れるときなどに engagement_time_msec で送られる
  • 平均エンゲージメント時間はアクティブ ユーザー数で、セッションあたりの平均エンゲージメント時間はセッション数で割る。LPの1回の訪問を見るならランディング ページ レポート
  • UAの平均セッション継続時間・ページ滞在時間はヒットやページビューの時刻の差で計算し、操作のない1ページだけのセッションは0秒。GA4の数字とは並べて比べない
  • 滞在時間が長いと検索順位が上がるとは、Googleの公式に書かれていない。LPの良し悪しはCVで判定し、時間は理由を探る材料にする

GA4の時間の指標はページ単位の平均なので、LPのどこで時間が使われ、どこで離れたかまでは分かりません。Squad beyondのヒートマップの滞在時間とFVER・OARで位置ごとに確かめ、Versionを並べてCVで比べると、時間の数字を改善につなげられます。

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