コンバージョンリフト測定とは|Google広告で増分を測る
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広告の管理画面に表示されるコンバージョンの中には、広告を出していなくても起きていたものが含まれています。指名検索で来た人や、すでに購入を決めていた人です。「この広告がなかったら、コンバージョンはどれだけ減るのか」を知りたいと思ったことはないでしょうか。
それを測るのが、Google広告のコンバージョンリフト測定です。広告を見せるグループと見せないグループに分けて比べ、広告によって増えたコンバージョン(増分)を測ります。予算の配分を見直すときや、媒体の管理画面の数字を社内でどう説明するか迷ったときの判断材料になります。
この記事では、Google広告の公式ヘルプをもとに、仕組みと分かる指標、利用の条件、設定の手順、結果を信頼できるものにするための期間と注意点を整理し、測った結果をLPの改善につなげる進め方までを解説します。
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目次
1. コンバージョンリフト測定とは?広告を見せない群と比べて増分を測る
1-1. 広告を見た人と見なかった人の差が「リフト」
コンバージョンリフト測定は、広告を見たユーザーが行った購入やサイトアクセスなどのコンバージョンのうち、広告によって増えた分を測るインクリメンタリティ(増分)のツールです。Google広告のヘルプでは、仕組みを次のように説明しています(出典:コンバージョン リフト測定について|Google 広告 ヘルプ)。
- オーディエンスを2つのグループに分けて対照実験を行う
- 広告を見たユーザー(トリートメントグループ)と、広告を見なかったユーザー(コントロールグループ)のコンバージョンを比べる
- 2つのグループの差が、広告の効果によるコンバージョンの「リフト」(増分)になる
広告を見せないグループは「ホールドバック」と呼ばれ、調査の設定で1〜50%の範囲で割合を決めます。
1-2. ユーザーに基づく測定と、地域に基づく測定
グループの分け方には2種類があります。
| 種類 | グループの分け方 | 特徴 |
|---|---|---|
| ユーザーに基づくコンバージョンリフト | 集計したユーザー属性に基づいてグループを作る | 年齢や性別などで結果を分けて見られる |
| 地域に基づくコンバージョンリフト | 集計した地理的データに基づいてグループを作る | オフラインのデータにも対応。結果はユーザー属性では分けられない |
「リフト測定の種類の比較」のページでは、地域に基づく測定はグループ分割が比較的ノイズが多く、必要な予算額はユーザーに基づく測定を上回る傾向があると説明されています。一方、ユーザーに基づく測定は主にオプトインのトラフィックに依存するため、測定データの欠落による影響を受ける可能性があるとされています(出典:リフト測定の種類の比較|Google 広告 ヘルプ)。この記事では、主にユーザーに基づく測定を扱います。
1-3. 分かる指標:iCPAとiROAS
ユーザーに基づくコンバージョンリフト測定では、次の指標を確認できます。
| 指標 | 意味 |
|---|---|
| コンバージョン数の増分(絶対リフト) | 広告によって増えたコンバージョンの件数 |
| 相対的なコンバージョンリフト | 広告によってコンバージョンが何%増えたか |
| コンバージョン値の増分 | 広告によって増えたコンバージョン値 |
| アクション増分単価(iCPA) | 増分のコンバージョン1件を獲得するために使った費用(合計費用÷コンバージョン数の増分) |
| 広告費用対効果の増分(iROAS) | 費用1ドルあたりの収益の増分(コンバージョン値の増分÷合計費用)。コンバージョンアクションに値が割り当てられている場合に表示 |
管理画面のCPAが「広告経由と数えたコンバージョン」で割った値なのに対し、iCPAは「広告がなければ起きなかったコンバージョン」で割った値です。分母が違うので、iCPAと管理画面のCPAは同じ値になりません。ヘルプも、予算に関する重要な決定を行う前に調査を実施することを勧めています。
1-4. アトリビューションやブランドリフトとの違い
アトリビューションは、起きたコンバージョンをどの広告や接点の手柄として配分するかを決める考え方です。コンバージョンリフト測定は、そもそも広告がなかったら起きなかったコンバージョンがどれだけあるかを、実験で確かめます。アトリビューションの基本はアトリビューション分析とは|基本・モデル・やり方を解説で解説しています。
また、広告想起や好意度、購入意向といった「ブランドに対する印象」の変化を測るのはブランドリフト(ブランド効果測定)です。こちらはブランドリフトサーベイとは|4指標と主要5媒体の比較で扱っています。広告効果の測り方の全体像は広告効果測定とは|主要指標と媒体別の測定方法を解説を参考にしてください。
2. 使える条件|1,000件・5,000米ドル以上、ただし一部のアカウントでは使えない
2-1. アカウントの基準
ユーザーに基づくコンバージョンリフト測定を設定するには、次の基準を満たす必要があります(出典:ユーザーに基づくコンバージョン リフト測定を設定する|Google 広告 ヘルプ)。
| 項目 | 基準 |
|---|---|
| 測定コンバージョン | 1,000件以上(補足データを含むコンバージョンは、必要な最小件数に数えない) |
| 予算 | 調査に5,000米ドル以上のキャンペーン予算が必要 |
| コンバージョンアクション | コンバージョンリフト測定に対応しているコンバージョンアクションを1つ以上トラッキングしていること |
| 調査の上限 | 1つのキャンペーンが同時に入れる調査は1つだけ(ブランド効果測定、検索数の増加、コンバージョンリフト測定のいずれか) |
注意したいのは、ヘルプの冒頭に「コンバージョン リフト測定は、一部の Google 広告アカウントではご利用いただけません」と書かれていることです。条件を満たしていても管理画面に項目が出ない場合は、Googleのアカウント担当者に問い合わせるよう案内されています。
2-2. 対応するキャンペーンは、公式の中で記述が分かれている
対応するキャンペーンの種類については、公式ヘルプの中で書き方が分かれています。
| 公式ヘルプのページ | 記述 |
|---|---|
| ユーザーに基づくコンバージョン リフト測定を設定する | サポートされているキャンペーンタイプ:ディスプレイ、検索ネットワーク、動画、デマンド ジェネレーション、アプリ、P-MAX(iOS向けのアプリキャンペーンと旅行広告は除く) |
| リフト測定の種類の比較 | 動画、ファインド、デマンド ジェネレーションで使用可能。アプリ、ディスプレイ、検索、ショッピング、P-MAXなどで使う場合はアカウント担当者に問い合わせ |
検索キャンペーンやP-MAXで測りたい場合は、管理画面の[リフト調査]でキャンペーンを選べるかを確かめ、選べなければアカウント担当者に問い合わせてください。
3. 設定の手順(ユーザーに基づくコンバージョンリフト測定)
ヘルプに書かれている手順は次のとおりです。
- [キャンペーン]メニューの[キャンペーン]→[テスト]にある[リフト調査]タブに移動し、プラスボタンを選ぶ
- [測定の対象は何ですか?]で[コンバージョン リフト測定]を選び、[続行]を選ぶ
- [テストグループの作成方法]で[ユーザー別に設定]を選び、[続行]を選ぶ
- リフト調査の名前を入れ、測定するキャンペーンを選ぶ(リストから選ぶか、CSVでキャンペーンIDをアップロードする)
- コンバージョン目標を選ぶか、キャンペーンのデフォルトのまま使う
- レポートで注目する指標を選ぶ(コンバージョン数=コンバージョンの伸びとiCPA/コンバージョン値=コンバージョン値の伸びとiROAS)
- 調査の開始日と終了日、ホールドバックのサイズ(1〜50%)を決める
- 検出力(結果の確実性の見込み)を確認し、[調査の作成]を選ぶ
結果は、表示項目で[コンバージョン リフト測定]を選ぶと「リフト測定」表で確認できます。
4. 結果を信頼できるものにするための条件
4-1. 確実性は90%以上を目指す
設定の画面には、調査の結果がどれくらい確実になりそうかの見込み(検出力)が、50〜95%の範囲で表示されます。ヘルプは、最も信頼性の高い結果を得るために90%の確実性を目指すこととし、50〜90%の結果は「方向性を示す結果」として使えるとしています。90%に届かない場合は、予算のガイダンスが表示されます。
検出力は、調査期間を延ばす、予算を増やす、ホールドバックの割合を大きくする、測るコンバージョンアクションを増やす、といった設定で高まります。
4-2. 期間は14日以上、頻度は予算の判断に合わせる
ヘルプのベストプラクティスから、設定で迷いやすい点をまとめます。
| 項目 | ヘルプの推奨(要旨) |
|---|---|
| 調査期間 | 最短7日。通常は14日以上を推奨。コンバージョンまでの期間が長い場合、「14 日未満の調査では、絶対リフトが 17% も低下することがわかりました」 |
| ホールドアウトのサイズ | 大きくすると(最大50%)サンプルが増えるが、広告を見せないことで逃す収益も増える。小さくするなら期間を長くする |
| コンバージョンの種類 | ページビューやリードフォームなどの上流・中間のアクションはリフトが出やすい。下流と上流の両方を測るのがおすすめ |
| 入札戦略・アトリビューション | コンバージョンや値に基づく入札戦略、データドリブン アトリビューションを使うキャンペーンはリフトが高くなる |
| キャンペーンの選び方 | 同じタイプ・オーディエンス・ターゲティング戦略のキャンペーンをすべて含めるのがおすすめ。一部だけだとリフトを検出しにくい |
| 実施の頻度 | 広告を見せない分の収益を逃すため慎重に。多くの広告主は年1〜2回程度 |
あわせて、拡張コンバージョンや同意モードなどを開始前に実装しておくと、測定されていないコンバージョンを補えて結果の精度が上がるとされています。拡張コンバージョンの設定はGoogle拡張コンバージョンとは?設定方法と効果の出し方を解説で解説しています。
4-3. よくある失敗:調査の途中でLPと広告文を差し替えた
症状:2週間のコンバージョンリフト測定を始めた直後に、成果の出ていないLPのファーストビューを差し替え、広告文も新しい訴求に入れ替えた。調査が終わると、iCPAが管理画面のCPAと大きく離れていたが、それが広告そのものの効果なのか、途中で変えたLPや広告文の影響なのかを説明できない。
原因:リフト測定は、調査期間中の広告の効果をまとめて1つの数字にします。ヘルプのよくある質問でも、調査中のキャンペーンに変更を加えることはできるものの、変更は入札単価や予算の調整など業務で通常行う範囲に留めることを勧めていて、調査中にクリエイティブとオーディエンスを更新すると、調査のパフォーマンスに影響し、効果的な要素を把握することが難しくなるとしています。遷移先のLPを大きく変えることも、同じように結果を読みにくくします。
対策:今回の調査の結果は、途中で変更があったことを記録したうえで「方向性を示す結果」として扱います。予算の判断に使う数字が必要なら、変更を加えない状態で、14日以上の期間をとって測り直します。
回避策:調査を始める前に、期間中はLPと広告文を変えないと決めておきます。LPの改善は、調査が終わってから別の比較として行います。急ぎで直したいLPがある場合は、調査の対象に入れていないキャンペーンで試すか、調査の開始日を後ろにずらします。
5. リフトの結果をLP改善につなぐ|Squad beyondでの進め方
5-1. 調査中はLPを固定し、終わってから比べる
コンバージョンリフト測定で分かるのは、広告がどれだけコンバージョンを増やしたかです。広告で連れてきた人がLPでどれだけコンバージョンするかは、LPの出来に左右されます。リフト測定と並べて、LPの比較も進めておくと、予算とLPの両方を根拠を持って直せます。
進め方は次のとおりです。
- 調査期間中は、調査対象のキャンペーンの遷移先LPを変えない
- 調査が終わったら、iCPAとiROASを見て、予算を寄せるキャンペーンを決める
- 予算を寄せるキャンペーンの遷移先LPについて、改善した版を作り、今の版と並べて配信してコンバージョン率を比べる
3の比較は、広告のリンク先URLを変えずに複数の版を出し分けられると、広告側の設定に手を入れずに進められます。Squad beyondでは、同じ配信URLのまま複数のVersionを作り、配信割合を決めてABテスト配信ができ、レポートの結果に合わせて配信割合を増減できます(出典:Versionの配信割合について|Squad beyond FAQ)。ABテストの基本的な進め方はABテストとは?成果につながるやり方やおすすめのツール・成功事例を紹介を参考にしてください。
5-2. Squad beyondで計測したCVをGoogle広告に反映する
リフト測定も自動入札も、Google広告に記録されているコンバージョンを手がかりにします。Squad beyondで計測しているコンバージョンは、Google広告に反映できます。beyondページの基本情報で媒体に「Googleディスプレイ広告」「Googleデマンドジェネレーション広告」「Google検索広告」のいずれかを選んでアカウント連携をすると、1時間ほどでGoogle広告の管理画面に反映されます。スプレッドシートを使ったオフラインコンバージョンのインポートでの方法もあります。なお、MCV(中間コンバージョン)の反映は現状できません(出典:Google広告にSquad beyondのCVを反映する|Squad beyond FAQ)。
反映したコンバージョンアクションをリフト測定で使えるかどうかは、調査を作成するときのコンバージョンの選択画面と、自動診断の表示で確認してください。
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6. コンバージョンリフト測定についてよくある質問
Q. コンバージョンリフト測定で何が分かりますか?
広告を見たグループと見なかったグループのコンバージョンを比べて、広告によって増えたコンバージョンの件数(絶対リフト)、増加率(相対リフト)、コンバージョン値の増分、増分1件あたりの費用(iCPA)、費用1ドルあたりの収益の増分(iROAS)が分かります。管理画面のCPAやROASは広告経由と数えたコンバージョンをもとにしていますが、iCPAやiROASは広告がなければ起きなかったコンバージョンをもとにしているので、予算を増やすか減らすかを決める材料になります。
Q. 管理画面にコンバージョンリフト測定の項目が出ません。なぜですか?
ヘルプでは、コンバージョンリフト測定は一部のGoogle広告アカウントでは利用できないとされています。また、測定コンバージョン1,000件以上、5,000米ドル以上のキャンペーン予算、対応するコンバージョンアクションのトラッキングといった基準があります。対応するキャンペーンの種類については、ヘルプのページによって書き方が分かれていて、検索やP-MAXについてはアカウント担当者への問い合わせを案内しているページもあります。基準を満たしていても項目が出ない場合は、Googleのアカウント担当者に問い合わせてください。
Q. ブランドリフトとは何が違いますか?
ブランドリフト(ブランド効果測定)は、広告想起、認知度、好意度、購入意向など、ブランドに対する印象がどれだけ変わったかをアンケートで測ります。コンバージョンリフト測定は、購入やサイトアクセスなどのコンバージョンが広告によってどれだけ増えたかを、広告を見せないグループとの比較で測ります。1つのキャンペーンが同時に入れる調査は、ブランド効果測定、検索数の増加、コンバージョンリフト測定のいずれか1つです。
Q. 調査の期間はどれくらい必要ですか?
最短7日で実施できますが、ヘルプは通常14日以上を勧めています。購入までの期間が短い商材なら7〜14日でも問題ないとされる一方、コンバージョンまでの期間が長い場合、14日未満の調査では絶対リフトが17%低下したとされています。頻度については、広告を見せない分の収益を逃すため慎重に決めることとされ、多くの広告主は年1〜2回程度実施しているとされています。
Q. 調査の途中でLPを変えてもいいですか?
避けたほうが安全です。ヘルプでは、調査中のキャンペーンへの変更は入札単価や予算の調整など通常の業務の範囲に留めることを勧めていて、クリエイティブやオーディエンスを更新すると結果を読みにくくなるとしています。LPの改善は、調査が終わってから、今のLPと改善したLPを並べて配信して比べるのがおすすめです。Squad beyondなら、広告のリンク先URLを変えずに、Versionの配信割合を決めてLPを出し分けられます。
Q. Squad beyondで計測したコンバージョンをGoogle広告に反映できますか?
反映できます。beyondページの基本情報で媒体に「Googleディスプレイ広告」「Googleデマンドジェネレーション広告」「Google検索広告」のいずれかを選んでアカウント連携をすると、1時間ほどでGoogle広告の管理画面に反映されます。オフラインコンバージョンのインポートでの方法もあります。MCVの反映は現状できません。反映したコンバージョンアクションをリフト測定で使えるかは、調査の作成画面で確認してください。
まとめ
コンバージョンリフト測定は、広告を見せるグループと見せないグループを比べて、広告によって増えたコンバージョンを測る仕組みです。iCPAやiROASは、広告がなければ起きなかったコンバージョンをもとにしているので、予算を判断する材料になります。
使うには、測定コンバージョン1,000件以上、5,000米ドル以上のキャンペーン予算などの基準があり、一部のアカウントでは利用できません。対応するキャンペーンの種類は公式ヘルプの中で書き方が分かれているので、管理画面で選べるかを確かめ、選べなければアカウント担当者に問い合わせてください。
結果を信頼できるものにするには、確実性90%以上を目指し、期間は14日以上とり、調査中はLPや広告文を変えないことが大切です。調査が終わったら、予算を寄せるキャンペーンのLPを並べて配信して比べ、広告とLPの両方を根拠を持って直していきましょう。
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