ターゲティング広告とは|種類と媒体別の設定の考え方

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ターゲティング広告とは|種類と媒体別の設定の考え方

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広告の配信先を絞りたいけれど、管理画面には「オーディエンス」「セグメント」「詳細ターゲット設定」など似た言葉が並んでいて、何をどう組み合わせればよいか分かりにくい。設定したはずなのに、指定していない人にも広告が出ている。こうした迷いを感じている方は多いのではないでしょうか。

ターゲティング広告とは、年齢や興味関心、過去の行動、地域、閲覧しているコンテンツなどの条件で、広告を表示する相手や場所を絞り込む広告のことです。条件の名前と動き方は媒体ごとに違い、最近は「指定した範囲の外にも自動で広げる」設定が標準になりつつあります。

この記事では、Google広告・Meta・LINEヤフー広告の公式ヘルプ(2026年10月29日時点の記載)をもとに、ターゲティング広告の種類と媒体ごとに使える条件、自動で広がる設定の見分け方、個人情報保護法の「個人関連情報」やCookieとの関係をまとめます。

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1. ターゲティング広告とは|「誰に」「どこで」を絞る広告

1-1. ターゲティングは配信先を絞り込む機能

LINEヤフー広告のヘルプは、ターゲティングを「どの地域にいるどんなユーザーに向けて、どのウェブサイトにいつ広告を出すのか、などの条件で絞り込み、適切なユーザーに適切なタイミングで広告を表示できる機能」と説明しています(出典:ターゲティングを活用する|LINEヤフー広告 ヘルプ)。ディスプレイ広告では、ターゲティングをすべて未設定にすると、あらゆるインターネットユーザーに配信されます(出典:ターゲティング設定について【ディスプレイ広告】|LINEヤフー広告 ヘルプ)。

つまりターゲティングは「広告を出す範囲を狭める」設定です。狭めるほど広告を見る人は減るため、どこまで絞るかが設定の考えどころになります。

1-2. 「人」で絞るか、「場所・コンテンツ」で絞るか

ターゲティングは、大きく2つに分けられます。LINEヤフー広告では「どんな人に配信するか」を指定するインターネットユーザーのターゲティングと、「どこに配信するか」を指定する配信サイトのターゲティングに分けています(出典:ターゲティングを活用する|LINEヤフー広告 ヘルプ)。

Google広告も同じく、ユーザーの属性や興味関心、すでにサイトを訪れたことがあるかなどで絞る「オーディエンス ターゲティング」と、トピックやプレースメント、キーワードに一致するコンテンツに広告を出す「コンテンツ ターゲティング」の2つを挙げています(出典:広告のターゲット設定|Google 広告 ヘルプ)。

1-3. 絞り込まずに「様子を見る」設定もある

Google広告には、配信先を絞る「ターゲティング」とは別に、リーチを制限せずに特定の条件での掲載結果だけを確認する「モニタリング」設定があります。モニタリングで成果の違いが見えたら、その条件に入札単価調整を設定したり、その条件で絞った広告グループを新しく作ったりできます(出典:「ターゲティング」と「モニタリング」設定について|Google 広告 ヘルプ)。いきなり絞り込む前に、まず成果の差を見るという進め方ができます。

2. ターゲティング広告の種類

主な種類と、3つの媒体での呼び名を並べると次のとおりです。この表は各媒体のヘルプの機能説明をもとに当社で整理したもので、媒体が公式に示している対応表ではありません。

種類何で絞るかGoogle広告MetaLINEヤフー広告
属性年齢・性別などユーザー属性・詳しいユーザー属性年齢・性別・言語性別・年齢
興味関心関心や購入意向アフィニティ・購買意向・ライフイベント・カスタム セグメント詳細ターゲット設定共通オーディエンスリスト(興味関心・購買意向・属性・ライフイベント)
行動・自社データサイト訪問・顧客リストデータ セグメント・カスタマー マッチカスタムオーディエンスオーディエンスリスト(ウェブサイト訪問ユーザー・顧客データなど)
類似自社データに似た人類似セグメント類似オーディエンス類似ユーザー
地域・時間・端末場所・曜日・デバイス地域・広告のスケジュール地域・配置のデバイス地域・曜日・時間帯・デバイス
コンテンツ掲載先のページや動画トピック・プレースメント・コンテンツ キーワード(配置で選ぶ)プレイスメント・コンテンツキーワード

出典:オーディエンス セグメントについて|Google 広告 ヘルプ、新規オーディエンスへのリーチについて|Metaビジネスヘルプセンター、ディスプレイ広告(運用型)のターゲティングはどんな種類がありますか?|LINEヤフー広告 ヘルプ、オーディエンスリストとは|LINEヤフー広告 ヘルプ

ターゲティング広告の種類を、人で絞るもの(属性・興味関心・行動と自社データ・類似)と、場所・時間・コンテンツで絞るものに分け、Google広告・Meta・LINEヤフー広告での呼び名を並べた図

2-1. 属性|年齢・性別などで絞る

Google広告の年齢は「18~24歳」から「65歳以上」までの区分と「不明」、性別は「女性」「男性」「不明」から選びます。日本を含む一部の国では世帯収入も使えます。Googleのヘルプは、年齢や性別によるターゲティングを「指定したユーザー属性に当てはまらないユーザーに広告を表示しない手段」と説明しています(出典:年齢や性別によるターゲティングについて|Google 広告 ヘルプ)。

Metaでは、FacebookとInstagramで指定できる最高年齢は「65歳以上」で、利用者の最低年齢が13歳のため、13歳以上の利用者だけがターゲットになります(出典:新規オーディエンスへのリーチについて|Metaビジネスヘルプセンター)。

2-2. 興味関心|関心や購入意向で絞る

Google広告では、熱中していることや習慣で絞る「アフィニティ セグメント」、最近の購入意向で絞る「購買意向の強いセグメント」、人生の節目で絞る「ライフイベント」、キーワードやURL、アプリを入力して作る「カスタム セグメント」があります(出典:オーディエンス セグメントについて|Google 広告 ヘルプ)。

Metaの「詳細ターゲット設定」は、興味・関心、行動、利用者層データで絞る設定です(出典:詳細ターゲット設定について|Metaビジネスヘルプセンター)。LINEヤフー広告では、LINEヤフーが提供する共通オーディエンスリスト(興味関心・購買意向・属性・ライフイベント)を使います(出典:オーディエンスリストとは|LINEヤフー広告 ヘルプ)。各媒体のオーディエンスの種類は「広告のオーディエンスとは?ターゲットとの違いと種類・選び方」でも整理しています。

2-3. 行動・自社データ|サイト訪問者や顧客リストで絞る

自社サイトを訪れた人や、自社が持つ顧客リストを使う種類です。Google広告では「データ セグメント」(旧称「リマーケティング」)とカスタマー マッチ、Metaでは「カスタムオーディエンス」、LINEヤフー広告では「オーディエンスリスト」が該当します。

Metaのカスタムオーディエンスは、ウェブサイト、アプリ、カタログ、顧客リスト、オフラインのアクティビティ、FacebookやInstagramでのエンゲージメントなどから作れ、1つの広告アカウントで最大500種類まで作成できます(出典:カスタムオーディエンスについて|Metaビジネスヘルプセンター)。Google広告のカスタマー マッチの有効期間は540日間で、リストを有効に保つにはこの期間内に少なくとも100人のメンバーを追加または更新する必要があります(出典:カスタマー マッチについて|Google 広告 ヘルプ)。

サイト訪問者に再び広告を出すリターゲティングは、このうち「サイト訪問者」を使う代表的な使い方です。自社で集めたデータの扱い方は「ファーストパーティーデータとは|広告主の活用と対策」で解説しています。

2-4. 類似|自社データに似た人へ広げる

自社データの人と特徴が似た人に広げる種類です。媒体ごとに、基になるリストの条件が書かれています。

媒体名称基になるリストの条件(ヘルプの記載)
Google広告類似セグメントデマンド ジェネレーション キャンペーンでのみ使用可。基となるリストの最小サイズ(100人)は適用されなくなった
Meta類似オーディエンス少なくとも100人のソースが必要。通常は1,000〜5,000人のソースを推奨
LINEヤフー広告類似ユーザー基となるリストの過去28日間(顧客データは過去180日間)のユーザーサイズが100を超えた場合に蓄積

出典:オーディエンス セグメントについて、類似セグメントを使用してオーディエンスを増やす(Google 広告 ヘルプ)、類似オーディエンスを作成する|Metaビジネスヘルプセンター、オーディエンスリストとは|LINEヤフー広告 ヘルプ

Metaでは、ソースオーディエンスに含まれる人は類似オーディエンスから除外されます(出典:類似オーディエンスを作成する|Metaビジネスヘルプセンター)。LINEヤフー広告の類似ユーザーには、基となるリストのユーザーが含まれる場合があります(出典:オーディエンスリストとは|LINEヤフー広告 ヘルプ)。既存顧客を除いて新規だけに出したい場合は、媒体ごとに除外の設定を確認する必要があります。

2-5. 地域・時間・デバイス|場所といつで絞る

地域の指定方法と上限は、媒体ごとに違います。

時間は、Google広告では「広告のスケジュール」で、指定した曜日や時間帯にだけ広告を出したり、入札単価を調整したりできます(出典:広告のスケジュール設定について|Google 広告 ヘルプ)。LINEヤフー広告の検索広告では、曜日・時間帯、デバイス、地域、サイトリターゲティングなどを設定できます(出典:ターゲティングについて【検索広告】|LINEヤフー広告 ヘルプ)。

2-6. コンテンツ|掲載するページや動画で絞る

人ではなく、広告を出す場所で絞る種類です。Google広告の「コンテンツ ターゲット」は、指定したキーワードやトピックをもとに、関連するディスプレイ ネットワークのページやYouTubeの動画に広告を表示します。ただしYouTubeでは、キーワードとトピックは広告を表示できる場所の「ヒント」として扱われます(出典:コンテンツ ターゲットについて|Google 広告 ヘルプ)。LINEヤフー広告では、配信先のサイトを指定する「プレイスメントターゲティング」と、ページの内容をキーワードで指定する「コンテンツキーワードターゲティング」があります(出典:ターゲティングを活用する|LINEヤフー広告 ヘルプ)。

3. 媒体別の設定の考え方

3-1. Google広告|キャンペーンの種類で使えるセグメントが違う

Google広告では、キャンペーンの種類によって使えるオーディエンス セグメントが違います。たとえば検索キャンペーンでは、カスタム セグメントとライフイベントは使えません。ホテル キャンペーンで使えるのは広告主様のデータだけです(出典:オーディエンス セグメントについて|Google 広告 ヘルプ)。

P-MAX キャンペーンに追加する「オーディエンス シグナル」は、AIの学習を早めるためのヒントです。ヘルプには、シグナルで指定したユーザーにのみ配信されることを保証するものではないと書かれています(出典:同上)。キャンペーンの種類ごとの特徴は「Google広告の種類と特徴|AI時代に選ぶべきキャンペーンとは?」を参照してください。

3-2. Meta|自分で定義するか、Advantage+ オーディエンスに任せるか

Metaでは、年齢・地域・詳細ターゲット設定などを自分で組み合わせる方法と、Advantage+ オーディエンスでMetaのAIにオーディエンスを見つけさせる方法があります。Advantage+ オーディエンスをオンにすると、手動ではターゲットに設定しなかった利用者にもリーチが広がります。Metaはほぼすべてのタイプのキャンペーンで Advantage+ オーディエンスのA/Bテストを推奨する一方、リターゲティングキャンペーンにはおすすめしないとしています(出典:Advantage+ オーディエンスについて|Metaビジネスヘルプセンター)。

地域は「オーディエンス制御」として扱われ、[広告に反応する可能性が高い人へのリーチを増やす]が選択されていない限り、指定した地域を超えて配信されることはありません。ただし市区町村や地域を選んだ場合、このオプションがデフォルトでオンになっていることがあります(出典:広告の地域を選択する方法|Metaビジネスヘルプセンター)。キャンペーン全体の自動化については「Advantage+キャンペーン統合とは?ASC終了の変更点と備え方」で解説しています。

3-3. LINEヤフー広告|異なる条件は「かつ」、同じ条件の中は「または」

LINEヤフー広告は、2026年4月1日にLINE広告とYahoo!広告が統合されてできた広告サービスです(出典:LINEヤフー広告|LINEヤフー for Business)。ターゲティングを複数設定すると、異なるターゲティングどうしはAND(AかつB)、ディスプレイ広告で同じターゲティングの中から複数のリストやカテゴリーを選んだ場合はOR(AまたはB)になります。ヘルプは、対象を絞り込みすぎると狭い範囲にしか広告が配信されなくなると注意しています(出典:ターゲティングを活用する|LINEヤフー広告 ヘルプ)。

たとえば「映画好き」「大学生、大学院生」の2つのリストと、地域「神奈川県」を設定すると、どちらかのリストに当てはまり、かつ神奈川県に滞在または関心のあるユーザーが配信対象になります(出典:複数のターゲティングを設定した場合、ANDまたはORのどちらの組み合わせになりますか?【ディスプレイ広告】|LINEヤフー広告 ヘルプ)。

4. 自動で広がるターゲティング|指定は「制約」か「ヒント」か

最近の広告では、指定した条件が「この範囲にしか出さない」という制約として働くとは限りません。条件を「ヒント」として扱い、成果が見込める人に自動で広げる設定が増えています。

媒体設定指定した範囲の外に出るか(ヘルプの記載)
Google広告最適化されたターゲティングすべてのキャンペーンで自動的に有効。手動で選んだセグメント以外のユーザーにも配信。広告グループ設定で無効にできる
Google広告類似セグメント(提案モード)2026年を通して段階的に移行。基となるリストはシグナルとして扱われ、類似性しきい値(対象地域のユーザーの2.5%、5%、10%)に制限されない
MetaAdvantage+ オーディエンス手動でターゲットに設定しなかった利用者にもリーチを広げる
LINEヤフー広告スマートターゲティングオーディエンスリストを設定している場合、指定範囲を超えて配信されることがある。デバイス・性別・年齢・地域などは範囲内

出典:最適化されたターゲティングについて、類似セグメントを使用してオーディエンスを増やす(Google 広告 ヘルプ)、Advantage+ オーディエンスについて|Metaビジネスヘルプセンター、スマートターゲティング|LINEヤフー広告 ヘルプ

ターゲティングの条件が、指定した範囲だけに出す制約として働く場合と、範囲外にも広がるヒントとして働く場合の違いと、Google広告・Meta・LINEヤフー広告で範囲外にも広がる設定を並べた図

Google広告の最適化されたターゲティングは、ランディング ページやクリエイティブ アセットのキーワードなどの情報を確認して、キャンペーン目標を達成できそうなオーディエンスを見つけます(出典:最適化されたターゲティングについて|Google 広告 ヘルプ)。LPに書いてある内容が、配信先を決める材料の1つになるということです。

LINEヤフー広告のスマートターゲティングは、広告グループを新しく作るとき、キャンペーン目的が「コンバージョン」「アプリ訴求」「サイト誘導」なら初期値が「利用する」になっています(出典:スマートターゲティング|LINEヤフー広告 ヘルプ)。範囲内だけに出したい場合は、設定画面で初期値のままになっていないかを確認します。

5. プライバシー規制とターゲティング広告

ターゲティング広告は、閲覧履歴や購買履歴など、個人に関する情報を使います。ここでは日本の法令と媒体の基準のうち、ターゲティング広告に関わる部分を公式の記載の範囲でまとめます。個別の判断は、自社の法務担当や専門家に確認してください。

5-1. Cookieで集めた閲覧履歴は「個人関連情報」にあたる

個人情報保護法は「個人関連情報」を、生存する個人に関する情報であって、個人情報、仮名加工情報及び匿名加工情報のいずれにも該当しないものと定めています(出典:個人情報の保護に関する法律 第2条第7項|e-Gov法令検索)。個人情報保護委員会のガイドラインは、個人関連情報の事例として「Cookie等の端末識別子を通じて収集された、ある個人のウェブサイトの閲覧履歴」や、商品購買履歴、位置情報、興味・関心を示す情報を挙げています(出典:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)|個人情報保護委員会)。

5-2. 提供先で個人データになるなら、本人同意の確認が必要

個人関連情報を第三者に渡すとき、提供先がそれを個人データとして取得することが想定される場合は、本人の同意が得られていることなどを、あらかじめ確認しないで提供してはならないと定められています(出典:個人情報の保護に関する法律 第31条|e-Gov法令検索)。ガイドラインでは、提供元と提供先が、提供する項目や、提供先で顧客情報などの個人データと紐付ける予定があるかを確認して判断する流れが示されています(出典:個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)|個人情報保護委員会)。

5-3. 外部送信規律は、対象になる事業者が決まっている

2022年6月の電気通信事業法の改正で、タグや情報収集モジュールを使って利用者に関する情報を外部に送信する場合に、利用者が確認できるようにする「外部送信規律」が設けられました。対象者は、送信される情報の内容、その情報を取り扱う者の名称、利用目的を通知するか、利用者が容易に知り得る状態に置く必要があります。総務省の説明では、SNSや検索サービス、ニュースサイトなどが対象の例で、自社商品等のオンライン販売や企業等のホームページの運営は電気通信事業に該当しないため対象にならないとされています(出典:外部送信規律|総務省)。

5-4. 媒体の基準|プライバシーポリシーとデリケートな情報

法令とは別に、媒体ごとの基準もあります。LINEヤフー広告では、サイトの訪問・行動履歴を使う広告商品を利用する場合、プライバシーポリシーや、トップ画面から1〜2回の操作で到達できる場所に、第三者がクッキーなどで訪問・行動履歴を取得・利用することがある旨と、オプトアウトの手段で利用を停止できる旨を説明する必要があります(出典:プライバシーポリシーに必要な記載事項【運用型】|LINEヤフー広告 ヘルプ)。

また、健康状態や信仰、性的指向などのデリケートな情報に関わるターゲティングは、各媒体で制限されています。

Cookieに頼らない計測や配信の考え方は「クッキーレスとは?広告・マーケへの影響と今とるべき対策を解説」で解説しています。

6. ターゲティング広告でよくある失敗例

6-1. 失敗例1:条件を重ねすぎて、広告がほとんど配信されない

症状:年齢・性別・興味関心・地域・時間帯を一度にすべて細かく指定すると、配信の設定は完了しているのに、インプレッションがほとんど出ない、または配信されない状態になる。

原因:LINEヤフー広告では、異なるターゲティングどうしはAND(かつ)で組み合わさるため、条件を足すほど対象は狭くなります。指定した地域内のユーザー数が少ない場合は、配信設定が完了していても広告は配信されません(出典:ターゲティングを活用する、地域ターゲティング【ディスプレイ広告】)。Google広告でも、小さい半径や極端に狭い地域を指定すると、広告が表示されにくくなったり、まったく表示されなくなったりする場合があります(出典:広告の対象地域を設定する|Google 広告 ヘルプ)。

対策:条件を1つずつ外して、どの条件で対象が大きく減っているかを確かめます。外した条件の成果を見たい場合は、Google広告ならモニタリング設定にして、リーチを制限せずに掲載結果だけを確認します。

回避策:最初は必要な条件だけで配信し、成果の差が見えた条件から絞り込みます。同じ条件の中で複数のリストを選ぶとOR(または)になるため、対象を広げたい場合は条件を足すのではなく、同じ条件の中で選択肢を増やします。

6-2. 失敗例2:指定していない人にも配信され、設定が効いていないと判断する

症状:オーディエンスリストや興味関心で絞ったのに、レポートを見ると指定していない層にも広告が出ている。設定が反映されていないと考えて、条件を作り直してしまう。

原因:自動で広がる設定がオンになっている可能性があります。Google広告の最適化されたターゲティングは、すべてのキャンペーンで自動的に有効になり、手動で選んだセグメント以外にも配信します。LINEヤフー広告のスマートターゲティングは、オーディエンスリストを設定していると指定範囲を超えて配信されることがあり、目的が「コンバージョン」などの広告グループでは初期値が「利用する」です(出典:最適化されたターゲティングについて|Google 広告 ヘルプ、スマートターゲティング|LINEヤフー広告 ヘルプ)。

対策:広告グループの設定で、最適化されたターゲティングやスマートターゲティングがオンになっていないかを確認します。指定した範囲内だけに出したい場合はオフにし、オンのまま使う場合は、範囲外への配信を前提にCVとCPAで評価します。

回避策:広告グループを作る段階で、その広告グループの条件を「制約」として使うのか「ヒント」として使うのかを決め、自動で広がる設定のオン・オフを入稿前の確認項目に入れておきます。

6-3. 失敗例3:デリケートな商材で自社データのリストを使い、配信が制限される

症状:健康に関わる商品やサービスの広告で、サイト訪問者や顧客リストのオーディエンスを使って配信すると、審査で制限がかかり、想定どおりに配信されない。

原因:Google広告のポリシーでは、健康などの「デリケートな情報に該当するインタレスト カテゴリ」の商品・サービスは、カスタマー マッチやデータ セグメント、類似セグメントなどの「広告主様が選択したオーディエンス」で宣伝できません(出典:制限付きターゲティング(パーソナライズド広告の場合)|Google 広告ポリシー ヘルプ)。LINEヤフー広告でも、健康状態などのデータを利用したターゲティングは禁止されています(出典:1. 慎重に扱うべき個人に関するデータを利用したターゲティングの禁止|LINEヤフー広告 ヘルプ)。

対策:該当するカテゴリでは、Google広告の場合は事前定義された Google オーディエンス(購買意向やアフィニティなど)や、地域、コンテンツでの絞り込みに切り替えます。そのうえで、審査結果とポリシーの該当箇所を確認します。

回避策:商材がデリケートなカテゴリに当たるかを、配信設計の最初に各媒体のポリシーで確認します。当たる場合は、自社データを使うターゲティングを前提にしない計画にしておくと、配信直前の作り直しを防げます。

7. Squad beyondでターゲティングごとにLPを出し分ける

ターゲティングで広告を見る人を分けても、全員を同じLPに送ると、絞り込んだ意味がLP側で薄れてしまいます。Squad beyondでは、ターゲティングごとにLPの見せ方を変え、その成果を分けて見る準備ができます。

広告グループ(ターゲティング)ごとに違うパラメータを付けたURLを入稿し、Squad beyondでLPのVersionを出し分ける流れと、パラメータなしのアクセスで404にならないための注意を示した図

7-1. パラメータでVersionを出し分ける

Squad beyondには、URLに特定のパラメータが付いている場合だけ、指定したVersionを表示する機能があります。複数のパラメータを設定した場合は、いずれか1つがURLに含まれていれば該当のVersionが表示されます(出典:パラメータごとにVersionを出し分けする|Squad beyond FAQ)。たとえば広告グループ(ターゲティング)ごとに異なるパラメータを付けたURLを入稿すれば、同じ配信URLのまま、ターゲティングごとに別のVersionを見せる設計ができます。

注意点として、指定したパラメータを含まないURLからアクセスし、かつ配信割合が1以上のVersionが無い場合は404エラーになります(出典:同上)。配信前に、パラメータを付けたURLと付けないURLの両方で表示を確認しておきましょう。

7-2. パラメータ付きURLを発行し、クリエイティブごとの数字を分ける

beyondページの「基本情報」画面から、パラメータ付きのURLを発行できます。クリエイティブには「utm_creative」というパラメータが推奨されていて、値に「/」を入れるとレポートに表示されないこと、値の文字数は99文字までであることがFAQに書かれています(出典:パラメータ付きURLの発行機能について|Squad beyond FAQ)。

クリエイティブにパラメータを付けて入稿すると、ヒートマップでクリエイティブごとの比較ができ、クリエイティブごとの数値をレポートで見られるようになります(出典:広告媒体に入稿する際、クリエイティブにパラメータを付与するメリットは何ですか?|Squad beyond FAQ)。ターゲティングごとに広告を分けていれば、どのターゲティングから来た人がLPのどこで離脱しているかを比べられます。

7-3. 端末ごとに出し分ける(有料)

デバイスのターゲティングに合わせてLPを変えたい場合は、モバイルOS別にVersionを出し分ける機能(有料)があります。利用にはLP高速表示モード(β)をオンにする必要があり、OSを指定したVersionは、指定したOS以外(PCを含む)からのアクセスでは表示されません(出典:モバイルOS別にVersionを出し分けする(有料)|Squad beyond FAQ)。同じURLでPCにも配信する場合は、OS指定をすべてオフにしたPC用のVersionを用意します。

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8. ターゲティング広告についてよくある質問

Q. ターゲティング広告とリターゲティング広告は何が違いますか?

ターゲティング広告は、年齢や興味関心、地域、閲覧しているコンテンツなど、さまざまな条件で配信先を絞る広告の総称です。リターゲティング広告は、そのうち「過去に自社サイトを訪れた人」という条件で絞る使い方を指します。Google広告では「データ セグメント」(旧称「リマーケティング」)、Metaでは「ウェブサイトカスタムオーディエンス」、LINEヤフー広告では「ウェブサイト訪問ユーザー」のオーディエンスリストとして設定します。

Q. ターゲティングは細かく絞るほど成果が上がりますか?

細かく絞れば広告を見る人は確実に減りますが、成果が上がるとは限りません。LINEヤフー広告では異なるターゲティングどうしはANDで組み合わさり、ヘルプも絞り込みすぎると狭い範囲にしか配信されなくなると注意しています。Google広告のモニタリング設定のように、リーチを制限せずに条件ごとの成果を見てから絞る方法もあります。絞った後は、広告ごとにLPを分けておくと、どの条件の人がLPで成果につながったかを比べやすくなります。Squad beyondならパラメータごとにVersionを出し分けて、同じ配信URLのまま見せ方を変えられます。

Q. 自動で広がるターゲティングはオフにしたほうがいいですか?

一律に決めるものではありません。Google広告の最適化されたターゲティングやMetaの Advantage+ オーディエンスは、指定した範囲の外でも成果が見込める人に配信を広げる設定です。Metaは多くのキャンペーンでA/Bテストを推奨する一方、リターゲティングキャンペーンにはおすすめしないとしています。指定した条件の人だけに出す必要があるかどうかで決め、オンにする場合はCVとCPAで評価します。範囲外から来た人の反応を見るには、LP側で流入ごとの数字を分けて見られるようにしておくと判断しやすく、Squad beyondのパラメータ付きURLとレポートが使えます。

Q. 類似オーディエンスを作るには何人のリストが必要ですか?

媒体によって違います。Metaの類似オーディエンスは少なくとも100人のソースが必要で、通常は1,000〜5,000人のソースが推奨されています。LINEヤフー広告の類似ユーザーは、基となるリストの過去28日間(顧客データの場合は過去180日間)のユーザーサイズが100を超えた場合に蓄積されます。Google広告の類似セグメントはデマンド ジェネレーション キャンペーンでのみ使え、基となるリストの最小サイズ(100人)は適用されなくなったとヘルプに書かれています。

Q. Cookieの規制で、ターゲティング広告は使えなくなりますか?

使えなくなるわけではありませんが、使う情報の扱いに注意が必要です。Cookieなどで集めた閲覧履歴は、個人情報保護法の「個人関連情報」の例に挙げられています。提供先がそれを個人データとして取得することが想定される場合は、本人の同意を確認してから提供する必要があります。また、媒体ごとにプライバシーポリシーへの記載やデリケートな情報の利用制限が決まっています。属性や興味関心、コンテンツなど、自社で集めたデータに頼らない条件と組み合わせて設計しておくと、変化の影響を受けにくくなります。

Q. ターゲティングごとにLPを分けるのは手間がかかりませんか?

ターゲティングごとにページを作り直すと、作成と管理の手間は増えます。一方で、年齢層や関心ごとに見せる訴求を変えないと、広告で絞り込んだ意味がLPで薄れることがあります。見出しやファーストビューなど、差を付けたい部分だけを変える形にすると負担を抑えられます。Squad beyondでは、URLのパラメータごとに表示するVersionを出し分けられるため、配信URLを1つのまま、ターゲティングごとに別の見せ方を用意できます。パラメータなしのURLで表示するVersionも必ず残しておきましょう。

9. まとめ

  • ターゲティング広告は、年齢・興味関心・行動・地域・コンテンツなどの条件で、広告を出す相手や場所を絞り込む広告
  • 種類は「人」で絞るもの(属性・興味関心・自社データ・類似)と、「場所・コンテンツ」で絞るもの(地域・時間・掲載先)に分けられ、媒体ごとに名前と条件が違う
  • 指定した条件が「制約」になるとは限らない。最適化されたターゲティング、Advantage+ オーディエンス、スマートターゲティングは範囲の外にも配信を広げる
  • Cookieで集めた閲覧履歴は「個人関連情報」の例。提供先で個人データになる場合は本人同意の確認が必要で、媒体ごとの基準もある
  • 絞りすぎると配信されない。条件は1つずつ足し、成果の差を見てから絞る

広告で配信先を分けたら、LPもその分け方に合わせて見せ方を変え、成果を分けて見ることで、ターゲティングの判断ができるようになります。Squad beyondのパラメータごとのVersionの出し分けとパラメータ付きURLが、その準備に使えます。

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