Google広告の種類と特徴|AI時代に選ぶべきキャンペーンとは?
Google広告を運用する企業、特に法人向けビジネス(BtoB)を展開する企業において、広告の「種類」を正しく選択することは、投資対効果を左右する極めて重要な工程です。多くの場合、広告の種類が多すぎて自社の目的にどれが合致するのか分からない、あるいは以前試したが期待したような商談に繋がらなかったという悩みが聞かれます 。法人取引は消費者向け(BtoC)と比較して検討期間が長く、複数の決裁者が関与するという複雑な購買プロセスを辿ります 。そのため、単に広告を出すのではなく、顧客の検討段階(フェーズ)に合わせた戦略的な種類の選定が求められます。
この記事では、Google広告が提供する各キャンペーンの種類について、その特徴や仕組みを詳細に解説し、BtoBマーケティングにおける最適な選び方を提示します。
この記事で分かること:
- ・Google広告の主要8種類の役割と、それぞれの配信面や仕組みの違い
- ・顧客獲得、認知拡大、比較検討といったビジネス目的別の最適な種類の選び方
- ・BtoB特有の長い検討期間を勝ち抜くための運用のコツと失敗を防ぐ判断基準
目次
1. Google広告の「種類」とは?まず押さえる整理軸

Google広告の種類を理解するためには、個別の名称を覚える前に、それらを整理する「軸」を把握することが重要です。広告配信の設計単位である「キャンペーン」を選択する際、主に配信面、目的、自動化の強さという3つの観点から整理されます 。
配信面による整理(どこに表示されるか)
ユーザーが情報を能動的に探しているのか、あるいはWebサイトや動画を閲覧しているのかという「場所」によって、ユーザーの心理状態は大きく異なります。Google検索結果に表示される「検索面」、WebサイトやGmailなどの「フィード面・閲覧面」、そしてYouTubeなどの「動画面」に分類されます 。
目的による整理(何を達成したいか)
マーケティングファネル、つまり顧客の購買心理の段階に合わせた整理です。
- 獲得(コンバージョン):お問い合わせや資料請求、トライアル申し込みを直接的な成果として狙う段階 。
- 検討:自社製品の特長を理解させ、他社と比較検討している層にリーチする段階。
- 認知:まだ課題を自覚していない潜在層に対し、製品やブランドの存在を知らせる段階 。
自動化の強さによる整理(誰が調整するか)
近年のGoogle広告は人工知能(AI)による機械学習が進化しており、運用のスタイルも変化しています。
- 手動・半自動:キーワード選定や入札単価を人間が細かく管理する形式(従来の検索広告など) 。
- 全自動(フルオートメーション):画像やテキストの素材を登録すれば、配信先や入札はAIが判断する形式(P-MAXなど) 。
用語の定義として、Google広告における「キャンペーン」とは、共通の予算や配信地域、目的を持つ配信の管理単位を指します 。1つのキャンペーンの下に複数の「広告グループ」や「キーワード」「広告文(クリエイティブ)」が配置される構造になっています。
2. Google広告の主な種類一覧

Google広告で現在提供されている主要な種類は、以下の8つに集約されます。
- 検索広告(Search Ads)
- ディスプレイ広告(Display Ads)
- 動画広告(Video Ads / YouTube)
- ショッピング広告(Shopping Ads)
- アプリ広告(App Campaigns)
- P-MAX(パフォーマンス最大化キャンペーン)
- デマンドジェネレーション広告(Demand Gen)
- リマーケティング(手法としての概念)
以下に、これらを「目的」「難易度」「学習の必要性」などの観点で比較した一覧表を提示します。
| 種類 | 主な配信面 | 向いている目的 | メリット | デメリット | こんな企業に向く |
| 検索広告 | Google検索結果 | 獲得(リード獲得) | 購買意欲の高い層へ直接届く | 競合が多いと単価が高騰しやすい | 解決策を検索される商材を持つ企業 |
| ディスプレイ | 200万以上のサイト | 認知・検討・再訪 | 視覚的な訴求を安価に広められる | 獲得効率は検索より低い傾向がある | 潜在層への認知や追跡を行いたい企業 |
| 動画 | YouTube | 認知・製品理解 | ストーリーで記憶に残りやすい | 制作コストと時間がかかる | 視覚的なデモが必要な商材を持つ企業 |
| ショッピング | 検索結果・ショッピング枠 | 獲得(EC・物販) | 写真と価格で即決を促せる | 商品情報のデータ管理が煩雑 | ECサイトで有形商材を扱う企業 |
| アプリ | 検索・Playストア | 獲得(DL・利用) | 全自動でDL数を最大化できる | 配信の詳細な制御が難しい | 自社アプリの利用者を増やしたい企業 |
| P-MAX | Google全配信面 | 獲得(最大化) | AIが全チャネルを横断して最適化 | 分析がブラックボックス化しやすい | 運用工数を抑え成果を最大化したい企業 |
| デマンドジェン | YouTube・Discover | 認知・需要創出 | 視覚的な訴求で興味を惹きつける | 高品質な画像や動画素材が必須 | 新市場を開拓し需要を創りたい企業 |
| リマーケティング | ディスプレイ・検索等 | 検討・再アプローチ | 訪問者に再度促し成約率を高める | 過度な配信は不快感を与えるリスク | 検討期間が長いBtoB商材を扱う企業 |
結論の早見:迷ったらここをチェック
- まず1つ選ぶなら
→検索広告(ニーズが顕在化している層を狙う) - サイト訪問者を逃したくないなら
→リマーケティング(再来訪を促す) - 広範囲から効率的にリードを増やしたいなら
→P-MAX(AIによる全自動最適化) - 視覚的にサービスの良さを伝えたいなら
→デマンドジェネレーション広告(画像と動画の活用)
3. 各種類の詳細と運用のコツ

ここからは、前述した各広告種類について、その定義、仕組み、メリット・デメリット、そして実務上の注意点を深掘りしていきます。特にBtoBマーケティングにおける特有の振る舞いに着目して解説します。
1) 検索広告(リスティング)
検索広告は、ユーザーがGoogleで検索したキーワードに連動して、検索結果の上下に表示されるテキスト広告です。検索している時点で課題がはっきりしているため、問い合わせや資料請求につながりやすいのが特徴です。
一方で、競合が多い領域ではクリック単価が上がりやすく、検索されないテーマ(新カテゴリなど)にはそもそも届きません。まずは除外キーワードを整え、広告文とキーワードのズレを減らすところから始めると、費用対効果が安定しやすいです。
2) ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、提携サイトやアプリ、Gmail、YouTubeなどの広告枠に表示される画像・動画中心の広告です。検索ではなく“閲覧中”に接点を作れるため、潜在層への認知拡大や、過去訪問者へのリマーケティングに向いています。
ただし、ユーザーは別目的で見ていることが多く、検索広告よりCVRは下がりやすい点に注意が必要です。配信面が広い分、成果の悪いサイトやアプリ面を除外しながら、クリエイティブを複数用意して回すのが基本です。
3) 動画広告(YouTube)
動画広告は、YouTubeの再生前後や再生中、ホームや検索結果などに表示される広告です。動き・音・テキストで伝えられるので、サービスの仕組みや導入イメージを短時間で理解させたい商材と相性がいいです。
一方で制作コストがかかり、内容が合わないとすぐスキップされます。冒頭数秒で「誰の何を解決するか」を見せ、CTAを常に出して次の行動につなげる設計が重要になります。
4) ショッピング広告
ショッピング広告は、商品フィードに基づいて、画像・価格・商品名などを検索結果に表示するEC向けの広告です。価格や見た目を見たうえでクリックされるため、購買につながりやすい傾向があります。
ただし、在庫・価格・商品情報を常に正しく更新する運用が必要で、無形商材や個別見積もりが前提のサービスには不向きです。商品タイトルの整備や、出したくない商品を除外するなど、フィードの品質が成果を左右します。
5) アプリ広告
アプリ広告は、アプリのインストールやアプリ内行動を増やすことを目的に、検索・YouTube・Playストアなどへ横断配信する自動型キャンペーンです。素材を入れると、配信先や組み合わせはAIが最適化します。
運用はシンプルですが、どこで成果が出たか見えづらく、素材が同じだと伸びが止まりやすいのが弱点です。素材を継続投入しつつ、インストールではなく重要アクション(登録・課金など)を最適化対象に置くのがポイントです。
6) P-MAX(Performance Max)
P-MAXは、検索・YouTube・ディスプレイ・Discover・Gmailなど、Googleの面をまとめて使い、コンバージョン最大化を狙うキャンペーンです。アセット(画像・動画・文)と、オーディエンスのヒントを渡すと、AIが最適な面と形式を選びます。
運用工数を減らしつつ取りこぼしを拾える反面、検索語句や配信面の透明性は下がります。学習には一定のCV数が必要なので、既に獲得実績がある状態で拡大目的に使うと噛み合いやすいです。
P−MAXについてより詳しく知りたい方はこちら
P-MAXとは?できること・設定方法・注意点まで完全解説
7) デマンドジェネレーション(Demand Gen)
デマンドジェネレーションは、YouTubeホーム・ショート・Discover・Gmailなど、フィード型の面で需要を作るキャンペーンです。検索前のユーザーに見せて興味を作り、資料請求や指名検索につなげる役割を担います。
成果は素材の影響が大きく、獲得までの時間もかかりやすいので、画像・動画のテストを前提に設計します。リードフォームを使って離脱を減らしたり、動画→Demand Gen→リマーケの流れで動かすと整理しやすいです。
デマンドジェネレーションについて詳しく知りたい方はこちら
デマンドジェネレーションとは?Google広告とLPOでCVRを最大化する運用ガイド
8) リマーケティング
リマーケティングは、一度サイトを訪れた人や特定行動をした人に、別のサイト閲覧中やYouTube、検索時に広告を再表示する手法です。検討層に絞れるため、BtoBのように検討期間が長い商材で効きやすいのが特徴です。
ただし、出しすぎると不快感につながるため表示回数の上限を設け、行動に合わせて訴求を出し分けます。再検索時に取り切るなら、検索広告向けリマーケ(RLSA)も合わせると設計が安定します。
4. 目的別|google広告の種類の選び方

Google広告には多種多様な選択肢がありますが、BtoB企業のマーケティング担当者が「最初の一手」や「見直し」で迷った際に参考となる、目的別の推奨パターンを紹介します。
パターン1:今すぐのリード(獲得)を最優先したい
【推奨:検索広告 + リマーケティング】 最も王道かつ確実性の高い組み合わせです。自社のサービス名や課題に関連するキーワードで検索している層を検索広告で捕まえ、一度の訪問で決断しなかったユーザーをリマーケティング(ディスプレイやRLSA)で継続的に追いかけます 。予算が限られている場合は、ここからスタートしてPDCAを回すのが鉄則です 。
パターン2:認知を広げ、市場でのプレゼンスを確立したい
【推奨:動画広告(YouTube) + デマンドジェネレーション】 まだ課題を自覚していない潜在層に対し、動画や高品質な画像で「気づき」を与えます。YouTubeで製品の活用イメージを植え付けた後、DiscoverやGmail面でデマンドジェネレーション広告を表示させ、ホワイトペーパーなどの「役立つ情報」のダウンロードを促してリード化します 。
パターン3:獲得効率を限界まで高め、工数を削減したい
【推奨:P-MAX + 検索広告(ブランド名・指名ワード)】 ある程度の成約データが溜まった段階で、P-MAXを導入します。Googleの全配信面をAIが巡回して効率的にコンバージョンを探す一方で、重要な自社名(指名検索)や特定の最重要キーワードは従来の検索広告で手動管理することで、ブランドイメージの維持と最大効率を両立させます 。
選び方チェックリスト(Yes/Noで判定)
自社の状況に合わせて、以下のチェックリストで優先すべき種類を特定してください。
- 1. 今すぐの獲得(コンバージョン)を最優先しているか?
はい → 検索広告、P-MAX
いいえ → ディスプレイ広告、動画広告、デマンドジェネレーション広告 - 2. すでに自社のサービス名や課題に関する検索が月間で一定数あるか?
はい → 検索広告(完全一致、フレーズ一致を優先)
いいえ → デマンドジェネレーション広告、動画広告(需要の創出が必要) - 3. 高品質な画像や動画を制作できる体制、または既存素材があるか?
はい → デマンドジェネレーション広告、P-MAX、動画広告
いいえ → 検索広告に集中し、テキストの訴求を磨く - 4. 月間のコンバージョン数が30〜50件以上見込める予算があるか?
はい → P-MAXの導入を検討(AI学習が機能する)
いいえ → 検索広告の手動運用を優先(AIに任せるとデータ不足で失敗しやすい) - 5. 商品点数が多く、在庫状況や価格が頻繁に変動するECサイトか?
はい → ショッピング広告(Merchant Center連携が必須)
いいえ → 検索広告、P-MAX、ディスプレイ広告
5. Google広告の種類についてよくある質問(FAQ)
Q. 初心者はどの種類から始めるべきですか?
A. BtoBであれば「検索広告(リスティング広告)」から始めるのが最も確実です 。ユーザーの検索語句から「何に悩んでいるのか」を直接知ることができるため、失敗の原因特定がしやすく、学習コストも比較的低く抑えられます。
Q. P-MAXは検索広告の代わりになりますか?
A. 完全に代わりになるわけではありません。P-MAXは検索、動画、バナーなど全ての面を網羅しますが、特定のキーワードに対して「この広告文を絶対に出す」といった細かい制御が苦手です 。重要なキーワードは検索広告で残しつつ、それ以外の機会をP-MAXで拾う「併用」が現在の推奨スタイルです 。
Q. 予算が月5万〜10万円と少ない場合、どれが現実的ですか?
A. 予算が少ない場合は、手を広げすぎないことが重要です。「検索広告」で最も成約に近いキーワードに絞るか、サイト訪問者だけを狙う「リマーケティング」のどちらか一方に予算を集中させるのが最も賢明です 。
Q. 計測(CV)が不安定なときに見直すポイントは?
A. 計測タグの設置ミスを除けば、最大の要因は「データの少なさ」です。お問い合わせ(最終CV)が月に数件しかない場合は、資料ダウンロードや料金ページの閲覧などを「マイクロコンバージョン」として設定し、AIに学習のヒントを多く与えることで安定しやすくなります 。
6. まとめ
Google広告の種類は、テクノロジーの進化とともに複雑化していますが、その本質は「ユーザーの心理フェーズに合わせた最適なコミュニケーション」をとることにあります。
まずは自社の現在の課題が「獲得数の限界」なのか「認知の不足」なのかを見極め、優先順位をつけて1つずつ取り組んでいくことが、広告運用の成功を確実なものにします。
Google広告の種類選定から、実際のキーワード設計、クリエイティブ制作、そしてAI学習の最適化まで、自社だけで完結させるのは決して容易ではありません。Squad beyondでは、BtoBマーケティングにおける豊富な支援実績に基づき、貴社に最適な広告戦略の構築をサポートします。
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