Meta広告のダイナミッククリエイティブとは?設定と限界

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Meta広告のダイナミッククリエイティブとは?設定と限界

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「画像も文言も何パターンか用意したけれど、どれが当たりか分からない」。Meta広告を運用していると必ず出てくる悩みです。

ダイナミッククリエイティブは、この「組み合わせ探し」をMetaに任せる機能です。 画像・見出し・テキストを複数入れておくと、配信システムが見る人ごとに組み合わせを変えて表示します。

ただし、2024年6月以降は使える目的が減っていて、Meta自身が「A/Bテストの代わりにはおすすめしない」と書いています。この記事では、公式ヘルプで確認できる仕様と制約を整理したうえで、どの場面で使い、どの場面で使わないかまで具体的にまとめます。

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1. ダイナミッククリエイティブとは

Meta広告の自動化機能をキャンペーン・広告セット・広告の階層で整理した図

Metaビジネスヘルプセンターの説明は次のとおりです。

Meta広告マネージャでダイナミッククリエイティブを使用すると、画像や見出しなどの複数のクリエイティブ要素をアップロードできます。これらの要素を自動的に組み合わせることで、オーディエンスに合わせたさまざまな広告バリエーションが生成されます。

— Metaビジネスヘルプセンター「ダイナミッククリエイティブについて

ポイントは3つです。

  1. アセットを入れる側が人間、組み合わせを決める側がシステム
  2. 生成されるバリエーションは、入れたアセットと広告配置によって変わる
  3. 1本ずつ広告を作らなくてよくなる

「1つの訴求を1本の広告で出す」という作り方から、「素材をまとめて渡して、当てはめ方は任せる」という作り方に変わります。

1-1. ダイナミック広告(カタログ連動)とは別物

名前が似ていて混同されやすいのですが、ダイナミック広告(ダイナミック商品広告)とは別の機能です。

ダイナミッククリエイティブダイナミック広告(カタログ連動)
何を動かすか入稿した画像・テキストの組み合わせ商品カタログの中から出す商品
必要なもの複数のクリエイティブ素材商品カタログ、カタログ用のイベント計測
主な用途訴求の当たり探しECの商品リターゲティング

この記事で扱うのは前者です。

2. 2024年6月以降、使えない目的がある

ここが最も見落とされやすい点です。公式ヘルプには次の注記があります。

2024年6月以降、広告マネージャで「売上」または「アプリの宣伝」の目的を選択して広告セットを作成する際に、ダイナミッククリエイティブを使用できなくなります。ダイナミッククリエイティブを使用している既存のキャンペーンは現時点では影響はありませんが、同様の効果が得られるフレキシブル広告フォーマットの使用をおすすめします。

— Metaビジネスヘルプセンター「ダイナミッククリエイティブについて

整理すると次のようになります。

状況扱い
「売上」「アプリの宣伝」の目的で新しく広告セットを作るダイナミッククリエイティブは選べない
すでにダイナミッククリエイティブで動いている既存キャンペーン現時点では影響なし
代替として推奨されているものフレキシブル広告フォーマット

「廃止された」という表現を見かけますが、公式ヘルプ上は廃止ではありません。 特定目的での新規作成が止まり、既存は動き続けている、という状態です。ただしMetaの機能追加はフレキシブル広告フォーマット側に寄っているため、新規で組むなら最初からフレキシブルを前提にしたほうが手戻りがありません。

2-1. そもそも併用できないもの

目的以外にも、機能として噛み合わない組み合わせがあります。

  • 複数言語の広告
  • アセットカスタマイズ
  • 政治的コンテンツを含む広告

これらではダイナミッククリエイティブは機能しません。

また、ダイナミッククリエイティブがオンのあいだ、WhatsAppステータスは配置として選べません。 オフにして配置をAdvantage+配置にリセットすると、WhatsAppステータスが自動的に追加されます。配置一覧に出ないときは、まずこのスイッチを疑ってください。

3. 入稿できるアセットと上限

ベストプラクティスのページに具体的な数字があります。

項目上限・目安
1つの広告に選べるアセット最大10個
ダイナミッククリエイティブを使用した広告の作成数1,000件まで(到達したら削除かアーカイブが必要)
動画の長さ15秒以内

そのうえで、Metaは数を増やすことを推奨していません。

ダイナミッククリエイティブ広告には最大10個のアセットを選択できます。しかし、量よりも質を優先することをおすすめします。あまり自信のないアセットをいくつも使用するよりも、説得力のあるアセットを2つ組み合わせるほうが効果的です。

— Metaビジネスヘルプセンター「ダイナミッククリエイティブ広告のベストプラクティス

枠が10個あるから10個入れる、は逆効果になりえます。 弱いアセットが混ざると、その分だけ配信が分散し、1つあたりに溜まるデータが減ります。Meta広告は学習にデータ量が要るため、分散は不利に働きます。学習の考え方はMeta広告の最適化とは?成果を安定させる考え方と実践手順で詳しく整理しています。

画像アセットがまだ揃っていない段階なら、テキストアセットだけ複数用意して始めるのがヘルプ上の推奨です。

3-1. その他のベストプラクティス

公式に挙がっているものを列挙します。

  • 複数のCTAボタンを試す:見た後にとってほしい行動から逆算し、効果的なボタンを特定する
  • Metaピクセルと組み合わせる:結果をトラッキングし、サイト訪問者を把握できるようにする
  • テキストは短く、ポイントを絞る:フィードやストーリーズは高速でブラウジングされる
  • 画像にテキストを載せない:テキスト・見出し・リンクの説明のフィールドを使う
  • 動画は冒頭と末尾にブランドを置き、15秒以内にする
  • 音声なしで伝わる設計にする:テキスト・グラフィック・キャプションを使う

4. 「見る人ごとにクリエイティブを最適化」をオンにすると何が変わるか

ダイナミッククリエイティブのバリエーションは、基本的には入力したアセットだけを基に作られます。 ただし[クリエイティブ]セクションの「見る人ごとにクリエイティブを最適化」をオンにすると、Meta側が素材そのものに手を入れる可能性が出てきます。

公式ヘルプが挙げている処理は次のとおりです。

  1. サムネイルや画像にエンハンスを適用する
  2. 画像や動画をトリミングする
  3. ストーリーズ向けにテンプレートを適用する
  4. シングル画像・見出し・商品カタログからストーリーズのカルーセル広告を作成する
  5. 音声のない動画の再生速度を変更する
  6. メインテキストと見出しなど、フィールド間でテキストを交換する
  7. 画像から動画を作成する
  8. カルーセルカードを動画として表示する
  9. 広告のコンテンツに合う曲を追加する
  10. ウェブサイトとFacebook・Instagramのショップの間でリンク先を最適化する
  11. 画像の背景を調和する色やパターンで塗りつぶして拡張する

注意すべきなのは、これらが事前に確認できない点です。 公式ヘルプは、特定の配置でパフォーマンスが向上する可能性が高い場合にのみ適用され、微細な変更であるため予め確認することはできない、と説明しています。

ブランドのトーンや、画角に意味がある素材(人物の見切れ、文字の位置など)を扱う場合、トリミングや背景拡張が意図と合わないことがあります。 素材の見え方を厳密に管理したいなら、この切り替えはオフにしてください。

5. A/Bテストの代わりにはならない

ダイナミッククリエイティブについて最も重要な制約が、公式ヘルプにはっきり書かれています。

結果は全バリエーションについての集計パフォーマンスとして表示されるため、ダイナミッククリエイティブをA/Bテストの代わりに使用することはおすすめしません。

— Metaビジネスヘルプセンター「ダイナミッククリエイティブについて

「当たった組み合わせ」を取り出して次の制作に活かす、という使い方には向きません。 出てくるのは全バリエーションを合算した数字で、どの組み合わせがどれだけ効いたかを厳密に切り分けられないためです。

ここを誤解したまま運用すると、次のような詰まり方をします。

やりたいことダイナミッククリエイティブで足りるか
とりあえず反応する組み合わせに寄せたい足りる
どの見出しが効いたかを特定して次に使いたい足りない(A/Bテストが要る)
配置ごとの当たり素材を知りたい足りない
素材が少ない状態で早く立ち上げたい足りる

「探索」には向き、「検証」には向かない機能だと考えると整理しやすくなります。検証をしたいときは、MetaのA/Bテスト機能や、広告セットを分けた比較に切り替えてください。A/Bテストの組み方はABテストで最適なLPを|基本的なやり方から徹底解説にまとめています。

6. フレキシブル広告フォーマットとの違い

2024年6月以降の代替として案内されているのがフレキシブル広告フォーマットです。名前も役割も近いのですが、動かしている対象が違います。

ダイナミッククリエイティブフレキシブル広告フォーマット
自動で決まるものアセットの組み合わせ広告フォーマットそのもの(シングル画像/動画/カルーセル)
選べる素材数最大10個のアセット最大10件の画像と動画
設定する階層広告セット広告レベルの[広告設定]
目的の制限「売上」「アプリの宣伝」で新規作成できない公式ヘルプ本文では「売上」「アプリの宣伝」が条件と記載

公式ヘルプの説明は次のとおりです。

広告フォーマットとして[フレキシブル]を選択すると、1つの広告キャンペーンで最大10件の画像と動画を選択でき、広告配信システムによって、シングル画像、動画、またはカルーセルなど、メディアやその組み合わせが自動的に決定されます。

— Metaビジネスヘルプセンター「フレキシブル広告フォーマットについて

メリットとして挙がっているのは3点です。

  • 自動最適化:配置やオーディエンスに応じて最適なフォーマットを表示する
  • 手間がかからない広告作成:配置ごとにフォーマットを選ぶ必要がなく、フォーマット比較のために広告を増やさなくてよい
  • 追加のカスタマイズ:特定のメディアを異なるテキストの組み合わせとグループ化でき、広告疲れを防げる

注意点として、同じページ内で目的の条件の書き方が一致していません。 本文は「売上」「アプリの宣伝」を選んでキャンペーンを作成した場合のみ選べると書いていますが、注記では「トラフィック」ならウェブサイト、「エンゲージメント」ならウェブサイトまたはメッセージのリンク先、といったコンバージョンの場所の条件にも触れています。実際に選べるかどうかは広告マネージャの画面で確認してください。 [広告設定]にフレキシブルが出ない場合は、[その他のオプション]をクリックすると表示されることがあります。

7. Advantage+クリエイティブ・キャンペーン統合との関係

ダイナミッククリエイティブとAdvantage+クリエイティブは、どちらもクリエイティブの自動最適化を担うため、同時にオンにする使い方は想定されていません。 片方を使うと決めてから設定してください。

キャンペーンの階層では、Advantage+ショッピングキャンペーン(ASC)とAdvantage+アプリキャンペーン(AAC)の統合が進んでいます。こちらは広告セットの1機能ではなくキャンペーン構造そのものの変更なので、影響範囲が違います。変更点と準備はAdvantage+キャンペーン統合とは?ASC終了の変更点と備え方にまとめています。

階層で整理すると次のようになります。

階層機能
キャンペーンAdvantage+キャンペーン統合
広告セットダイナミッククリエイティブ
広告フレキシブル広告フォーマット/Advantage+クリエイティブ

8. 遷移先が1つだと頭打ちになる|Squad beyondでの進め方

ダイナミッククリエイティブは広告の中だけで完結する機能です。画像も見出しも自動で入れ替わりますが、クリックした先のLPは1つのままです。

ここで起きるのが、次のようなズレです。

  • 症状:CTRは改善したのにCVRが下がり、CPAが変わらない
  • 原因:バリエーションごとに刺さる訴求が違うのに、遷移先が全員同じページになっている。「価格で釣られた人」と「実績で納得した人」が同じLPに着地する
  • 対策:訴求の系統ごとにLPを分け、広告とLPの言っていることを揃える
  • 回避策:LPを分けると制作と管理の本数が増えるため、1本作ってから複製して差分だけ変える運用にする。分けたあとにレポートを訴求単位で見られるようにしておく

Squad beyondなら、LPを複製して差分だけ差し替えたパターンを並行配信し、どのパターンが取れているかをレポートで確認できます。 広告側の組み合わせをMetaに任せたうえで、遷移先の当たり外れは自社で検証する、という分担が作れます。LP側の改善の進め方はLP改善とは?効果的な方法と成果につなげる5ステップを紹介を参照してください。

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9. 使うべき場面・使わないほうがいい場面

ここまでの内容を判断基準にまとめます。

状況判断理由
素材が少なく、まず反応する方向を知りたい使うテキストアセットだけでも始められる
配信を立ち上げたばかりでデータがない使う組み合わせ探しを任せられる
どの見出しが効いたかを特定したい使わない集計値しか出ない
ブランドの見え方を厳密に管理したい条件付き「見る人ごとに最適化」はオフにする
「売上」「アプリの宣伝」で新規に組む使えないフレキシブル広告フォーマットを選ぶ
素材が10案あるので全部入れたい使わない弱い案が混ざると配信が分散する

クリエイティブの反応が落ちてきたときの見極めは広告クリエイティブの疲弊対策とは?|兆候から量産の実務ガイドにまとめています。配信が意図せず止まっている場合はMeta広告が「勝手に配信停止」になる|広告セットが止まる理由と直し方を先に確認してください。

10. ダイナミッククリエイティブについてよくある質問(FAQ)

Q. ダイナミッククリエイティブは廃止されたのですか?

公式ヘルプ上は廃止ではありません。2024年6月以降、「売上」または「アプリの宣伝」の目的で新しく広告セットを作る際に選べなくなったというのが正確な状態で、既に動いている既存キャンペーンは現時点では影響を受けないと明記されています。ただし機能追加はフレキシブル広告フォーマット側に寄っているため、新規に組むならそちらを前提にしたほうが手戻りがありません。

Q. アセットは何個入れるのが良いですか?

上限は10個ですが、Metaは量より質を推奨しています。自信のないアセットを並べるより、説得力のあるものを2つ組み合わせるほうが効果的だと公式ヘルプに書かれています。弱い案を足すと配信が分散し、1案あたりに溜まるデータが減るためです。入れる本数を絞るぶん、当たった方向に沿った次の案を早く用意できるかが差になります。 Squad beyondなら、成果が出たパターンを複製して差分だけ変えたバリエーションを作れるので、次の案を出すまでの時間を短くできます。

Q. どの組み合わせが効いたか知る方法はありますか?

ダイナミッククリエイティブのレポートは全バリエーションの集計として表示されるため、組み合わせ単位で厳密に切り分けることはできません。 公式ヘルプもA/Bテストの代わりに使うことを推奨していません。どの見出しが効いたかを特定したい場合は、広告セットを分けて1つずつ配信するか、MetaのA/Bテスト機能を使ってください。ただし分けるほど1つあたりの配信量が減るため、検証したい要素を1つに絞ってから分けるのが現実的です。「まず反応する方向を探す」段階はダイナミッククリエイティブ、「どれが効いたかを確定させる」段階はA/Bテスト、と工程で使い分けてください。

Q. ダイナミッククリエイティブとAdvantage+クリエイティブは併用できますか?

どちらもクリエイティブの自動最適化を担うため、同時に有効にする使い方は想定されていません。どちらか一方を使うと決めてから設定してください。 両方オンにすると、成果が動いたときにどちらの機能が効いた結果なのかを後から説明できなくなり、次の打ち手を決められなくなります。判断の順番としては、まず目的が「売上」「アプリの宣伝」かどうかを確認し、該当するならダイナミッククリエイティブは新規で選べないため、フレキシブル広告フォーマットやAdvantage+側の機能に寄せることになります。

Q. 「見る人ごとにクリエイティブを最適化」はオンにすべきですか?

反応を優先するならオン、見え方の管理を優先するならオフです。オンにすると、トリミング、背景の塗りつぶしによる拡張、画像から動画の生成、テキストのフィールド間交換、コンテンツに合う曲の追加などが適用される可能性があり、これらは事前に確認できません。 公式ヘルプも、特定の配置で成果が上がる可能性が高い場合にのみ適用され、微細な変更のため予め確認することはできないと説明しています。人物の見切れや文字位置に意味がある素材、レギュレーションが決まっているブランド素材では意図と合わない結果になる場合があるため、オフから始めて必要に応じて試すのが安全です。

Q. CTRは上がったのにCPAが下がりません。何を見ればいいですか?

広告側の組み合わせだけが最適化され、遷移先のLPが1つのままになっていないかを確認してください。訴求ごとに刺さる理由が違うのに着地先が同じだと、クリックは増えてもCVには繋がりません。訴求の系統ごとにLPを分けるのが対策になりますが、本数が増えると管理が重くなります。Squad beyondなら1本作ったLPを複製して差分だけ差し替えられるので、訴求別のページを増やしても制作と計測の手間が比例しません。

Q. CPMが上がってきたのはダイナミッククリエイティブのせいですか?

断定はできません。CPMは配信面の競合状況、オーディエンスの重なり、クリエイティブの反応、季節要因など複数の要素で動くため、機能のオンオフだけを原因にはできないためです。まずは同じ広告セットでオンにする前後の期間を比べ、次に配信面と配置の内訳を見て、どこでCPMが上がっているかを特定してください。切り分けの手順はCPMとは?計算方法と高くなる理由・下げ方を解説にまとめています。

11. まとめ

ダイナミッククリエイティブは、アセットの組み合わせ探しをMetaに任せる機能です。押さえる点をまとめます。

  • 最大10個のアセットを入れられるが、Metaの推奨は量より質
  • 2024年6月以降、「売上」「アプリの宣伝」の目的では新規の広告セットで選べない。既存は現時点で影響なし
  • 代替として案内されているのはフレキシブル広告フォーマット(動かすのはフォーマットそのもの)
  • 結果は全バリエーションの集計で出るため、A/Bテストの代わりにはならない
  • Advantage+クリエイティブとは同時に有効にしない
  • 「見る人ごとにクリエイティブを最適化」は事前確認できない加工が入る

そして、広告の中身をいくら自動化しても、遷移先が1つのままなら伸びしろは頭打ちになります。 広告側は探索をMetaに任せ、LP側は自社で検証する。この分担を作れるかどうかが、CPAを動かせるかの分かれ目になります。

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