TikTok広告カスタムアイデンティティ廃止|例外5つと連携手順

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TikTok広告カスタムアイデンティティ廃止|例外5つと連携手順

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「クライアントのTikTokアカウントがないと入稿できない」
「以前は自由に決められた広告の表示名が、選べなくなっている」
TikTok広告のカスタムアイデンティティ廃止によって、広告の作り方そのものが変わりました。

厄介なのは、説明する資料ごとに廃止の日付が食い違っていることです。「2025年3月廃止」「2025年9月から必須」「2026年1月1日に完全廃止」と、少なくとも3通りが流通しています。

しかも、TikTok公式ヘルプの原文に「完全廃止」とは書かれていません。原文は「すべての新規キャンペーン」で、影響を受けないキャンペーンタイプが5つ、注釈に明示されています。

代理店にはもう一つ落とし穴があります。アカウントの連携経路は2つあり、手軽なほうを選ぶと、後からチームや他の担当者と共有できなくなります。

この記事では、TikTok公式ヘルプで確認できる内容にもとづいて、何がどこまで変わったのか、代理店が最初に踏む分岐、クライアントがアカウントを持っていない場合の進め方までを解説します。

1. カスタムアイデンティティ廃止で変わったこと|公式が書いている変更の範囲

まず押さえるべきは、公式の表現が「完全廃止」ではないことです。

カスタムアイデンティティは、TikTokアカウントを紐づけずに、広告専用のプロフィール画像と表示名だけで広告を出せる機能でした。TikTok公式ヘルプの記載は次のとおりです。

TikTokは広告でのカスタムアイデンティティ利用機能(カスタムプロフィール画像や表示名による広告)を段階的に廃止します。

「段階的に廃止」です。多くの解説記事の書き方と食い違う、最初のポイントになります。

廃止前と廃止後で入れ替わったもの

廃止前廃止後
広告に出る名義任意のプロフィール画像・表示名連携したTikTokアカウント
TikTokアカウント不要新規キャンペーンでは必須
必要な準備画像とテキストのみアカウント作成・連携・所有者による承認
クライアント側の作業なし発生する

変わったのは、広告に出る名義だけではありません。

代理店にとって最も大きいのは、クライアント側に作業が発生するようになった点です。連携はアカウント所有者本人の承認がなければ完了しません。

ただし、廃止されたのはカスタムアイデンティティであって、広告クリエイティブの自由度そのものではありません。公式ヘルプは連携後も「自身の広告クリエイティブ追加、連携済みTikTokアカウントの投稿利用、承認済みクリエイター投稿を利用した広告配信は可能」としています。

変わったのは、その広告に誰の名前が乗るかです。

「完全廃止」ではない|影響を受けない5つのキャンペーンタイプ

公式原文には、見落とされやすいアスタリスクが付いています。

2026年1月以降、すべての新規キャンペーン*はTikTokアカウントとの連携が必須となります。

同じページの注釈に、影響を受けないキャンペーンタイプが列挙されています。

現時点で今回の変更の影響を受けないキャンペーンタイプ:

  • 「ブランドミッション」目的を使用するキャンペーン
  • 「売上 - TikTok Shop」目的を使用するキャンペーン
  • 「スマートクリエイティブを使用して広告を作成」トグルがオンのキャンペーン
  • カタログを使用した手動キャンペーン
  • Pangle / グローバルアプリバンドルのみのプレースメント

実務で効くのは3つ目と4つ目です。スマートクリエイティブのトグルがオンのキャンペーンと、カタログを使用した手動キャンペーン(商品フィードを使ったダイナミック広告)は、現時点では連携なしでも動きます。

ECでカタログ配信を回している場合、そこだけは止まっていないはずです。

ただし公式は「現時点で」と書いています。恒久的な例外ではないため、除外リストのキャンペーンだけで運用を続ける前提は立てないほうが安全です。

配信中の既存キャンペーンはどうなるか

連携が必須になったのは「新規キャンペーン」で、配信中のキャンペーンを止めるという記載はありません。

そのため「配信は続いているのに、新しいキャンペーンだけ作れない」という状態が起こります。

既存キャンペーンが動いているために変更に気づかず、新規案件の入稿当日に発覚する。これが典型的なパターンです。

2. 廃止日が資料ごとに違う理由|一次ソースで確定できるのは2026年1月だけ

日付がまとまらないのは、2025年の間に方針が二転三転したためです。

時期何が起きたか確認できるソースの種類
2025年5月段階的な廃止が始まり、一部の案件で入稿が止まる代理店・実務者による報告
2025年5月末日本のアカウントについては撤回とアナウンスされる代理店・実務者による報告
2025年7月撤回が撤回され、改めて廃止の方針が示される代理店・実務者による報告
2025年9月「未連携だと新規入稿ができない」として案内が出る代理店・実務者による報告
2026年1月すべての新規キャンペーンでTikTokアカウント連携が必須TikTok公式ヘルプの原文

TikTok公式ヘルプの本文で確認できるのは、最下段の「2026年1月」だけです。上4段は、公式ページ上の日付表記としては確認できませんでした。

「2026年1月1日に完全廃止された」という書き方が広く流通しています。しかし、公式原文にその日付と表現はありません。

社内やクライアントへ説明する場面では、「2026年1月以降、新規キャンペーンは連携必須」という公式の表現をそのまま使うのが安全です。廃止済みと伝えると、除外される5タイプの説明がつかなくなります。

3. 代理店が最初に踏む分岐|連携経路を間違えると共有できなくなる

TikTokアカウントを広告配信に使えるようにする方法は2つあり、選び方によっては運用体制そのものが詰みます。

多くの解説記事は、広告マネージャーから直接つなぐ手順だけを紹介しています。手順が短く、画面上でも先に出てくるためです。

ところが公式ヘルプは、この方法に明確な注記を付けています。

なお、TikTok広告の運用設計そのものは「TikTok広告運用のポイント:CVR改善と工数削減の2026最新ガイド」にまとめています。

連携経路は2つある|手軽なほうを選ぶと共有できない

ビジネスセンター経由広告マネージャーから直接
公式の位置づけ「ほとんどのビジネスに推奨」併記されているだけ
アクセスできる人権限を付与したメンバー全員連携した本人のみ
代理店との共有できるできない
複数アカウントの一元管理できるできない
手間権限設計が必要少ない

公式ヘルプは、直接連携について次のように注記しています。

注:この方法で連携したTikTokアカウントは、連携した本人のみアクセス可能で、チームメンバーや代理店との共同作業による一元管理や共有はできません。

担当者が退職・異動した時点で、そのアカウントを使った入稿ができなくなります。

急いでいる案件ほど直接連携を選びがちです。ただ、代理店が扱うアカウントで直接連携を選ぶ理由はほぼありません。最初からビジネスセンター経由で組みます。

ビジネスセンター経由の手順|クライアント側の承認まで必要

前提として、ビジネスセンターの管理者権限を持つメンバーである必要があります。

公式ヘルプに記載されている手順は次のとおりです。

  • TikTokビジネスセンターにログインし、左側メニューの「広告アカウント」→「TikTokアカウント」を開く
  • 「TikTokアカウントを追加」→「既存のTikTokアカウントを連携」→「QRコードを送信」を選び「次へ」
  • 権限レベルとして「広告配信」を選択する
  • 必要な広告権限を指定して「次へ」をクリックし、QRコードを生成する
  • 「QRコードをコピー」でダウンロードし、TikTokアカウントの所有者に共有する
  • 所有者がTikTokモバイルアプリのプロフィール画面からQRコードスキャナーを開き、スキャンして承認する

5〜6番目が、この変更の実質的なボトルネックです。連携は代理店側だけでは完了しません。

クライアントのTikTokアカウントにログインできる人が、スマートフォンで実際にQRコードをスキャンする必要があります。「来週開始の案件で入稿できない」という事態は、この工程を逆算に入れていないことで起きます。

逆算の起点は、入稿日ではなくクライアントの承認完了日です。

なお公式ヘルプは、権限レベルの「広告配信」について「より広範な管理機能は付与されません」と補足しています。アカウントを渡すのではなく、広告配信に使う権限だけを預かる形だと説明できます。

付与する権限の選び方|Spark Adsを出すなら2つは必ずオン

ここで絞りすぎると、連携は完了しているのに広告が作れないという状態になります。

QRコードを生成する前に、個別の権限を指定します。主な権限は次のとおりです。

  • 既存の投稿:連携アカウントの既存投稿を広告に使える
  • 新しい動画を公開・管理する:自社で用意した動画をクライアントのアカウントに送り込める
  • 広告としてのみ表示:広告としては配信されるが、オーガニックには表示されない
  • TikTokプロフィールおよび広告として表示:広告とオーガニックの両方に表示される
  • そのほか、LIVE動画、ショーケース、メッセージ広告、Seriesなどの権限

公式ヘルプには「TikTokアカウントを使用してSpark Adsを配信できるように、「既存の投稿」と「新しい動画を公開・管理する」をオンにしてください」との注記があります。

Spark Adsを回す予定があるなら、この2つは最初からオンにします。後から追加すると、クライアント側にもう一度承認を依頼することになります。

4. クライアントがアカウントを持っていない/広告を表に出したくないとき

クライアントがTikTokアカウントを持っていない場合の連携対応

現場でつまずくのは、多くの場合、次の2パターンです。どちらも公式ヘルプに答えがあります。

アカウントがない場合|連携完了までに発生する作業

アカウント自体がない場合は、作成とビジネスアカウントへの切り替えから始めます。切り替えは、プロフィール画面右上のメニューから「設定とプライバシー」→「アカウント」→「ビジネスアカウントに切り替える」で行い、その上で連携手順に進みます。

ここで見落とされやすいのが、年齢の要件です。

TikTok for Businessに連携できるのは、所有者が18歳以上のTikTokアカウントのみです。

登録時の生年月日が要件を満たしていないと、連携の段階で「年齢制限により、この機能はお客様のアカウントではご利用いただけません」というエラーが出ます。

このエラーは異議申し立てで解消できます。ポップアップからフォームに進み、トピックで「TikTok for Business」、詳細で「年齢関連の問題」を選択。登録者本人の生年月日が記載された写真付き身分証明書をアップロードして提出すると、結果がメールで通知されます。

身分証が必要な分、クライアント側の稟議を含めるとさらに日数がかかります。

プロフィールに広告を出したくない場合|「広告表示オンリー」と、その代償

「TikTokアカウントは作るが、広告をプロフィールに並べたくない」という要望には、広告表示オンリーモード(旧称:広告オンリーモード)で対応できます。

公式ヘルプは「その投稿は広告としてのみ表示され、フィード上でオーガニック投稿としては表示されません」と説明しています。TikTok広告マネージャー経由でオンにした場合はアカウント所有者本人のプロフィール上でも非表示になり、広告マネージャー内で新規作成された広告ではデフォルトでオンです。

より確実なのは、権限指定で「広告としてのみ表示」を選ぶ方法です。公式ヘルプはこの権限に「おすすめ」と付記した上で、次のように記載しています。

この権限を割り当てられたメンバーは、(略)Spark Adsを作成する際、広告マネージャーで「広告のみで表示」設定を無効にできなくなります。

運用者側が誤って解除できなくなるため、「絶対にプロフィールに出さない」という条件がある案件は権限側で縛ります。ただし、公式ヘルプは代償も明記しています。

  • 広告表示オンリーモードがオンになっている投稿では、オーガニックな視聴は一切発生しません。
  • 広告表示オンリーモードがオンになっている投稿では、キャンペーンでペイドおよびオーガニックの最適化機能を利用できません。

オーガニック側の伸びしろを完全に捨てる設定です。ペイド&オーガニック最適化は公式がSmart+キャンペーン限定の機能として挙げているため、Smart+を使う予定があるなら、オンにする前に確認します。

なお利用できるのはSpark Adsのみで、広告マネージャーからはPushメソッドを採用しているSpark Adsに限られます。既存のオーガニック投稿からPullしたSpark Adsには、トグル自体が表示されません。

5. 広告の名義が変わったあとにLP側で見直すこと

広告の名義が実在アカウントに変わった後にLP側で見直すポイント

連携が終わったあとに効いてくるのは、広告の見え方が変わっていることです。

カスタムアイデンティティでは、キャンペーンごとに表示名を作り分けられました。廃止後は、連携した実在のTikTokアカウントが広告の名義になります。

公式ヘルプはこの変更のメリットとして「ビジネスを実在のTikTokアカウントに連携することで、TikTokユーザーの発見やエンゲージメントのハードルが下がります」と挙げています。裏を返すと、ユーザーは「誰の広告か」を認識した状態で遷移先に到達します。

問題になるのは、広告の名義と遷移先の名義がずれているケースです。商材ごとに別名義で出していた運用では、広告アカウント名とLPに書かれている社名・サービス名が一致しなくなります。

さらに広告表示オンリーモードをオンにしていると、プロフィールを見に行っても投稿が並んでいません。ブランドを確かめる手段がプロフィール側にないため、LP側だけで完結させる必要があります。

連携が終わったら、次の3点を確認します。

  • 広告に出るアカウント名と、LPのファーストビューに出る社名・サービス名が一致しているか
  • 商材ごとに名義を分けていた場合、どのアカウントからどのLPへ送るかが整理されているか
  • 名義を統一したことによる反応の変化を、LPを差し替えながら検証できる状態になっているか

3つ目が特に重くなります。出せる名義の数が絞られる以上、差をつけられるのは遷移先の側だけになるためです。

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その遷移先を、訴求を変えながら素早く作成・検証できるのがSquad beyondです。LPとフォームをセットで作成・複製できるため、名義を統一したあとでも、商材や訴求ごとに遷移先のパターンを並行して用意できます。

広告側で調整できる余地が減った分、遷移先の検証速度がそのまま成果の差になります。

LPそのものの改善手順は「LPOとは?CVR改善の実践5ステップ」もあわせて参考にしてください。

6. TikTok広告のカスタムアイデンティティ廃止についてよくある質問(FAQ)

Q. 配信中の広告は止まりますか?

A. TikTok公式ヘルプが連携を必須としているのは「新規キャンペーン」で、既存の配信中キャンペーンを停止するという記載はありません。管理画面に明確なエラーは出ず、キャンペーン作成の途中でアイデンティティの選択を求められて進めなくなる形になります。

Q. 連携できるアカウント数に上限はありますか?

A. あります。TikTok公式ヘルプによれば、各TikTokアカウントは広告配信用に最大800件のビジネスセンターに連携でき、各ビジネスセンターは最大800件のTikTokアカウントを連携できます。1つのTikTokアカウントの投稿を使用できる広告は、2,000件までとされています。

Q. クライアントのアカウントが年齢制限で連携できません。

A. TikTok for Businessに連携できるのは、所有者が18歳以上のTikTokアカウントのみです。要件を満たしていない場合は、連携時のエラーポップアップから異議申し立てを行えます。フォームでトピックに「TikTok for Business」、詳細に「年齢関連の問題」を選択し、登録者本人の生年月日が記載された写真付き身分証明書を添付して提出します。

Q. 連携したら広告がクライアントのプロフィールに並んでしまいますか?

A. 広告表示オンリーモードで防げます。TikTok広告マネージャー内で新規作成された広告はデフォルトでオンになり、この経路でオンにした場合はアカウント所有者本人のプロフィールでも非表示になります。確実に防ぐなら、権限付与の段階で「広告としてのみ表示」を選び、運用者側が解除できない状態にします。ただしオーガニックな視聴は一切発生せず、ペイドおよびオーガニックの最適化機能も使えなくなります。

7. まとめ

TikTok広告のカスタムアイデンティティ廃止は、「広告の表示名が変わった」だけの変更ではありません。クライアント側の作業が入稿の前提になったという点が、実務では最も大きく効きます。

  • 公式原文は「完全廃止」ではない。「2026年1月以降、すべての新規キャンペーンは連携が必須」で、影響を受けないキャンペーンタイプが5つ明示されている
  • 止まるのは新規キャンペーンだけ。既存の配信は続くため、変更に気づかないまま入稿当日に発覚しやすい
  • 連携経路は2つあり、直接連携を選ぶと共有できない。代理店が扱うアカウントはビジネスセンター経由で組む
  • クライアントによるQRコードのスキャン承認が必ず1回発生する。入稿日ではなく、承認完了日から逆算する
  • Spark Adsを出すなら「既存の投稿」と「新しい動画を公開・管理する」を最初からオンにする。後から追加すると再承認が必要になる

そして、広告に出る名義が実在のアカウントに統一された以上、差をつけられる余地は遷移先の側に移っています。

※本記事の仕様は2026年8月時点でTikTok広告マネージャー ヘルプ|カスタムアイデンティティに関する今後の変更についておよびTikTok広告マネージャー ヘルプ|アイデンティティについて見るを確認した内容です。仕様は変更される場合があるため、最新の内容は各公式ページでご確認ください。

 

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