AIモードの広告とは?会話型広告のフォーマットと日本での出稿可否
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Google検索の「AIモード」に広告が入り始めています。2026年5月のGoogle Marketing Live 2026では、AIとの対話の中に差し込まれる新しい広告フォーマットが発表されました。
ただ、発表された5つのフォーマットは出る面も提供段階もバラバラです。AIモードに出るものと通常の検索に出るもの、テスト中のものと数カ月以内に提供されるもの、そもそも新フォーマットではなく既存機能の拡張であるものが混ざっています。ここを一括りに「AIモードの新広告」と紹介している解説が多く、実務の判断材料になりません。
そして日本の広告主にとって重要なのは「いま何が出せるか」です。結論を先に書くと、AIモードの新フォーマットはまだ出せませんが、AIによる概要(AI Overviews)の上下には、日本でもすでに広告が配信されています。「日本は未対応」で片づけると、いま起きている変化を見落とします。
この記事では、5つのフォーマットを面と段階で整理したうえで、日本の現在地と、提供開始を待つ間にやっておくべき準備までを解説します。
目次
1. AIモードの会話型広告とは

AIモードの会話型広告とは、AIとの対話の流れの中に、文脈に合わせて差し込まれる広告のことです。検索結果の上部や下部に枠として並ぶ従来のリスティング広告とは、表示のされ方が根本的に異なります。
前提として、AIモードはキーワードを入力してリンク一覧を得る従来の検索とは違い、AIと対話しながら調べ物を進める検索体験です。最初にAIが回答を提示し、ユーザーはその答えをもとに追加で質問を重ねていきます。Googleは2025年8月21日(米国時間)に日本を含む180の国と地域での展開を発表し、日本語版は2025年9月9日以降、利用できるようになりました。
この体験では、ユーザーはすでにAIから「答え」を受け取っています。そのため広告に求められる役割が変わります。「安い」「No.1」といった従来型の訴求ではなく、AIの回答を裏づける具体的な選択肢として機能することが期待されます。
もう一点、押さえておきたい前提があります。会話型広告は広告主が「AIモードに出したい」と指定して出稿するものではありません。既存の検索・ショッピング・P-MAXキャンペーンが、AI側の判断で対象になる形です。この点は3章と4章で詳しく扱います。
2. 会話型広告の5つのフォーマットと、それぞれの提供段階
2026年5月20日のGoogle Marketing Live 2026で発表された内容を、面(どこに出るか)と段階(いつ出せるか)で分けて整理します。まず全体像です。
| フォーマット | 出る面 | 提供段階 |
|---|---|---|
| Conversational Discovery ads | AIモード | テスト中(提供時期の告知なし) |
| Highlighted Answers | AIモード | テスト中(提供時期の告知なし) |
| AI-powered Shopping ads | 検索全体 | 今後数カ月で提供 |
| Business Agent for Leads | 検索全体 | 今後数カ月で提供 |
| Direct Offers(拡張) | AIモード | 米国でパイロット継続中 |
Google公式は全体を「Gemini搭載で、検索における新しい広告フォーマットをテストしており、Direct Offersパイロットを拡大している」と説明しています(Google公式ブログ|AI検索時代における次世代の広告戦略)。「テストしており」「パイロット」という段階表現が使われている点が重要です。正式提供の発表ではありません。
2-1. AIモードに出るもの(テスト中)
AIモードの中に表示されるフォーマットは2つです。どちらも2026年5月時点でテスト段階にあり、一般提供の時期は示されていません。
Conversational Discovery ads(会話型ディスカバリー広告)
ユーザーがAIモードで質問を重ねる会話の流れの中に、関連する広告を差し込むフォーマットです。特徴は、Geminiがその会話に合わせた広告文をリアルタイムで生成する点にあります。あらかじめ登録した広告文がキーワード一致で出るのではなく、対話の文脈に応じて内容そのものが組み立てられます。
Highlighted Answers(ハイライト回答型広告)
AIモードがリスト形式で回答を返す場面に対応したフォーマットです。たとえば「旅行前に使える語学アプリ」といった質問にAIが候補を列挙する際、そのリストの中に広告が候補の一つとして並びます。掲載位置は入札額だけでなく関連性で決まるとされています。
2-2. 検索全体に出るもの(今後数カ月で提供)
残る2つは、AIモード限定ではなく検索全体に展開されるフォーマットです。Googleは「今後数カ月で検索全体に展開する」としており、上の2つより提供が具体的です。
AI-powered Shopping ads(AI搭載ショッピング広告)
検討期間が長い商材向けに、Geminiがクエリごとに商品の説明文を生成するショッピング広告です。同じ商品でも、ユーザーが何を気にして検索しているかによって見せる説明が変わります。
Business Agent for Leads(リード獲得向けビジネスエージェント)
BtoBや不動産、保険のようなリード獲得型の業種にとっては、5つの中で最も影響が大きいフォーマットです。広告をクリックすると、検索結果ページ上にその企業のAIチャットが直接開きます。ユーザーはフォームに入力する代わりに、チャットで質問しながら自分で条件を絞り込めます。
つまり、これまでLPとフォームが担っていた「見込み度の見極め」の一部が、検索結果ページ側に移ります。
2-3. Direct Offersは新フォーマットではなく既存パイロットの拡張
Direct Offersを「GML2026で発表されたAIモードの新フォーマット」として紹介している解説がありますが、これは正確ではありません。2026年1月に開始済みのパイロットで、GML2026で発表されたのはその拡張です。開始時点ではChewy、Gap、L'Orealなどの限定パートナーが参加していました。
拡張の中身は3つです。
- プロモーションのバンドル化:割引・プレゼント・地域クーポンなどを登録しておくと、Geminiが検索内容に合わせて組み合わせを作る
- ネイティブ決済:Universal Commerce Protocol(UCP)対応の事業者向けに、検索から離脱せず購入を完了できる導線を追加
- 旅行カテゴリへの拡大:BookingやExpediaといったパートナーが、AIによる旅行プランニングの中で直接オファーを提示できるようになる
ただしDirect Offersは引き続き米国の広告主向けのパイロットです。日本から参加できるものではありません。
3. 従来の検索広告(リスティング)との違い

最大の違いは、配信の起点が「キーワードの一致」から「会話の文脈と検索意図の理解」に移る点です。
従来のリスティング広告は、ユーザーが入力したキーワードに対して広告を出していました。会話型広告では、AIが対話の流れ・ランディングページの内容・商品カタログまで見て、関連性の高い広告を判断します。
| 従来のリスティング広告 | 会話型広告 | |
|---|---|---|
| 配信の起点 | 入札キーワードとの一致 | 会話の文脈と検索意図の理解 |
| 広告文 | 事前に登録したものを掲載 | Geminiがクエリに応じて生成 |
| 掲載位置の決まり方 | 入札額と品質スコア | 入札額に加えて回答との関連性 |
| 広告主の指定 | キーワード・配信面を指定できる | 面の指定は不可。既存キャンペーンから自動的に対象 |
この方向性は、広告主にとって必ずしも不利な話ではありません。Googleの広告部門グローバル担当バイスプレジデントDan Taylor氏は、Geminiによるクエリ理解の改善を過去2年間ほぼ月1回のペースで投入した結果、無関係な広告の表示が約40%減ったと説明しています。
この数字はAIモードの導入による効果ではなく、2年かけた検索広告全体の改善の積み上げである点は補足しておきます。会話型広告はその延長線上にあるものです。
そして、この変化を広告主側で扱えるようにする仕組みが「AI Max」です。従来の動的検索広告(DSA)をアップグレードし、AIモードやAIによる概要への出稿設定をまとめて扱えるようにするものです。詳しくは「Google広告 AI Maxの移行と備え方」で解説しています。
4. いま日本で出稿できるのか
ここが実務上いちばん知りたいところだと思います。「日本は未対応」とまとめている解説が多いのですが、面によって扱いが違います。
4-1. AIによる概要の広告:上下と内部で扱いが違う
AIモードの前に、先に実装が進んでいる「AIによる概要(AI Overviews)」から確認します。Google広告ヘルプを読むと、表示位置によって提供範囲が2つに分かれています。
| 表示位置 | 提供範囲 | 日本 |
|---|---|---|
| AIによる概要の上・下 | AIによる概要が提供されているすべての市場 | 対象 |
| AIによる概要の内部 | 英語・12か国のみ | 対象外 |
つまり日本の広告主も、AIによる概要の上下にはすでに広告が配信されています。既存の検索・ショッピング・P-MAX・アプリキャンペーンを回していれば、特別な設定をしなくても対象です。逆に「AIによる概要にだけ出す」という指定もできません。
対象外なのは概要の内部への差し込みのほうで、こちらは英語・12か国に限られています(Google広告ヘルプ|広告とAIによる概要について)。あわせて、広告の選定にはユーザーのクエリだけでなく生成された概要の内容も使われる点、アダルト・アルコール・ギャンブル・金融・ヘルスケア・政治などのクエリでは概要内部に広告が表示されない点も明記されています。
4-2. AIモードの広告:テスト段階
一方、2章で見た会話型広告のフォーマットはテスト段階です。Google自身が「テストしている」と書いており、一般提供の告知は出ていません。日本での提供時期についても示されていません。
新フォーマットは米国を中心とした英語圏で先行してテスト・展開され、日本への提供にタイムラグが生じるのがこれまでの通例です。AIによる概要の内部表示が英語・12か国に限られている状況を踏まえると、AIモードの広告についても日本語対応が最初の関門になると見ておくのが現実的です。
4-3. 日本の広告主が今できること
整理すると、日本の現在地はこうなります。
- AIによる概要の上下:すでに配信中。既存キャンペーンがそのまま対象
- AIによる概要の内部:対象外(英語・12か国のみ)
- AIモードの会話型広告:テスト段階。提供時期は未定
- Direct Offers:米国のパイロットのみ
「まだ何もできない」ではありません。すでに配信されている上下の枠で、AIが生成した回答の隣に並んだときに選ばれるかどうかが、いま実際に起きている競争です。AI検索面の広告全体の整理は「Gemini広告とは?アプリ広告の現状と日本の提供状況」でも扱っています。
5. 提供開始に向けて準備しておくアカウント側の整備

会話型広告は、面を指定して出稿するものではなく既存キャンペーンが対象になる形で提供されます。だとすれば、いま整えるべきは「新フォーマットの出稿設定」ではなく、AIが参照する材料のほうです。3つに絞ります。
5-1. AI Maxへの移行を進めておく
AI Maxは、キーワード指定に依存せずAIが配信対象を広げる仕組みです。会話型広告がキーワード一致から離れる方向にある以上、キーワード指定前提の運用に最適化されたアカウントほど、移行時のギャップが大きくなります。
いきなり全面移行するのではなく、影響の小さいキャンペーンから試して、検索語句レポートで実際にどこまで広がるかを確認しておく進め方が安全です。
5-2. AIが読む材料を整える(LP・フィード・構造化データ)
会話型広告では、AIがランディングページの内容や商品カタログまで見て配信を判断します。つまりLPに書かれていないことは、広告の配信判断にも使われません。
- LPに情報が揃っているか:価格、対応範囲、提供条件、他社との違い。「問い合わせで確認」に逃していないか
- 商品フィードの記述が具体的か:ショッピング広告ではフィードの説明文が生成の材料になる
- 構造化データが入っているか:価格・在庫・評価などを機械が読み取れる形で持っているか
この整備は、AI検索に引用されるための情報設計とほぼ同じ作業になります。考え方は「GEO/LLMO対策の基本」で解説しています。
5-3. リード獲得型はフォーム前提の設計を見直す
Business Agent for Leads が提供されると、ユーザーは検索結果ページ上のチャットで疑問を解消してからサイトに来るようになります。LPに来る前に検討が進んでいる状態です。
この前提だと、基礎的な説明から順に読ませるLPは冗長になります。よく聞かれる質問と回答を洗い出しておき、LP側は「すでに理解している人が申し込むための導線」に寄せられるよう準備しておくと、提供開始時に切り替えやすくなります。
6. Squad beyondで受け皿のLPを高速に検証・改善する

広告のフォーマットがどう変わっても、ユーザーが最後に着地するのはランディングページです。そして5章で見たとおり、会話型広告の時代はLPに求められる中身が変わります。AIとの対話を経て来る分、前提知識を持った状態で着地するためです。
どう変えるべきかは事前には決まりません。試して確かめる回数を増やせる体制が必要になります。
LP最適化プラットフォームのSquad beyondは、LPの制作・複数パターンの作成・A/Bテスト・LPOまでを一気通貫で回せるツールです。
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6-1. パターンを量産して同時に検証する
ファーストビューの訴求、オファーの見せ方、フォームの位置といった要素を変えた複数バージョンを作り、配信比率を指定して同時に走らせられます。
会話型広告のようにどんな文脈で流入してくるかを広告主側でコントロールできない配信では、想定を1つに絞った単一LPは弱くなります。複数の入口を同時に持ち、実際に当たったものを残す進め方のほうが噛み合います。
6-2. AIツールから直接レポートを取得・分析する
Squad beyondはMCP(Model Context Protocol)に対応しており、Gemini CLI・Claude・ChatGPTといったAIツールから直接操作できます。
- 日次・週次・月次のレポートデータ(PV・CV・CVRなど)の取得
- ページごとのCVR・流入元・離脱状況の横断分析
- ヒートマップの分析
- A/Bテストの配信割合の変更
「今週のレポートを取得して、CVRが高い順にLPをランキングして」といった自然文の指示で分析まで進められるため、管理画面から数値を書き写す往復がなくなります。検証の回数を増やすうえでは、この往復の削減が効いてきます。
7. AIモードの会話型広告についてよくある質問(FAQ)
Q. AIモードの会話型広告はもう日本で使えますか?
A. AIモードの新フォーマット(Conversational Discovery ads・Highlighted Answers)はテスト段階で、日本での提供時期は示されていません。ただし、AIによる概要の上下に表示される広告は日本も対象で、既存の検索・ショッピング・P-MAX・アプリキャンペーンからすでに配信されています。「日本では何も出ていない」わけではありません。
Q. 発表された5つのうち、AIモードに出るのはどれですか?
A. Conversational Discovery ads と Highlighted Answers の2つがAIモード向けで、どちらもテスト中です。AI-powered Shopping ads と Business 7. Agent for Leads は検索全体に今後数カ月で展開されます。Direct Offers はGML2026の新フォーマットではなく、2026年1月に始まった米国向けパイロットの拡張です。
Q. 従来のリスティング広告とどう違いますか?
A. 配信の起点が「キーワードの一致」から「会話の文脈と検索意図の理解」に移る点が最大の違いです。広告文もあらかじめ登録したものではなく、Geminiがクエリに応じて生成します。また広告主側でAIモードを配信面として指定することはできず、既存キャンペーンが自動的に対象になります。
Q. 提供開始までに準備できることは何ですか?
A. AI Maxへの段階的な移行、AIが参照するLP・商品フィード・構造化データの整備、そして受け皿となるLPを高速に検証・改善できる体制づくりです。会話型広告は面を指定して出稿するものではないため、出稿設定より「AIに読ませる材料」を整えるほうが効きます。
8. まとめ
AIモードの会話型広告は、AIとの対話の流れに文脈で差し込まれる広告です。配信の起点がキーワードから検索意図の理解へ移り、広告文の生成までAIが担うようになります。
2026年8月時点の現在地を整理すると、次のとおりです。
- GML2026で発表された5つは、面も提供段階も異なる。AIモード向けは2つでテスト中
- 日本はAIによる概要の上下にはすでに配信中。内部表示とAIモードの新フォーマットは対象外
- いま整えるべきは出稿設定ではなく、AIが読む材料(LP・フィード・構造化データ)
提供開始を待つ理由はありません。AIが生成した回答の隣で選ばれるかどうかは、すでに日々の配信の中で問われています。受け皿のLPを速く回せる体制を先に作っておくことが、フォーマットが変わったときの立ち上がりを分けます。
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