「記事LPでCVRを倍に」D2Cヨミテが4年半の全配信データをAIに繋ぎ、分析時間を1/10に
株式会社ヨミテ(CARTA HOLDINGSグループ)様
会社概要/提供サービス
NTTドコモと電通グループのジョイントベンチャー、CARTA HOLDINGS傘下のD2Cメーカー「株式会社ヨミテ」。ワキガ対策デオドラント「プルーストクリーム」(2024年・国内売上No.1、累計出荷160万本突破)を皮切りに、創業8年・社員約70名で複数のヒット商品を生み出してきました。
その裏側には、4年半にわたって蓄積された配信データがあります。ヨミテはいま、このデータをMCP(Model Context Protocol)経由でAIに接続し、ABテストの分析にかかる時間を約1/10に短縮しています。
「データの読み解きはAI、施策への落とし込みは人間」——本記事では、AI研修兼インハウスチーム責任者・澤田一進氏に、Squad beyondとAIをどう組み合わせ、属人化しがちなデータ分析を"誰でも回せる仕組み"に変えてきたのか、その再現可能な設計を伺いました。
01なぜ「量で勝負するD2C」は、分析が後回しになるのか
広告で新規顧客を獲得し続けるD2Cメーカーにとって、本来いちばんの勝負どころは「ABテストを高速で回し、勝ちパターンを見つけること」です。ところが現場では、これが後回しになりやすい構造があります。
「メーカーって、本当にいろんな業務があるんです。CRMやCSのところとか、ASP対応とか、代理店みたいな動きまでしないといけない。だからABテストを回すのが、どうしても後回しになりがちなんですよね」
さらに厄介なのは、配信データの分析が属人化することです。「あの数字を読めるのはあの人だけ」という状態は、量で勝負する組織ほどボトルネックになります。
ヨミテは、「分析が後回しになる」「分析が属人化する」という2つの課題を、Squad beyondとAIの組み合わせで解いてきました。
02なぜSquad beyondなのか — 記事LPと、4年半の“データ資産”
ヨミテはSquad beyondを4年半(2021年10月利用開始)継続利用しています。理由を澤田氏は明快に語ります。
「ひとことで言えば、Webマーケティングで成果を出すうえで最高のプロダクトだからです。日本のWebマーケティングの新規獲得において、記事LPは最重要と言ってもいいほど不可欠で、私たちも特に記事LPの領域で使い込んでいます。Squad beyondはこの記事LPでベストプラクティスを作っているので、これ以上ないツールなんです」
記事LPの効果について、澤田氏の指摘は鋭い。
「メーカーさんの中には記事LPを挟まない方もいます。でも、CVRを倍に上げてくれる要因が記事LPであることは、僕らは経験的に確信しています。挟まない方には“もし挟んだらCVRが倍になる可能性があるのに、なぜその接点を自ら減らすんですか?”と問いかけたいくらいです」
そして、この4年半の使い込みが、いま効いています。Squad beyondには、ヒットした記事も、伸びなかった記事も含めた配信データが一箇所に蓄積されている。この“データ資産”が、次に述べるAI活用の燃料になります。記事LPのベストプラクティスを標準装備したプロダクトに、勝ち負け両方のデータが貯まり続けている。この組み合わせが、ヨミテの分析を一段引き上げる土台になりました。
03蓄積データをAIに繋ぐ — MCP連携で「分析時間1/10」
ヨミテは、Squad beyondに眠る配信データをMCP経由でAIに接続し、分析を自動化・高度化しています。
「Squad beyondには、僕らとしてもデータが眠っているんですよ。これをMCPで繋いで、AIに分析させる仕組みを作っています。大きいデータを扱うのは人間には大変なので、ここはAIの力を借りた方が圧倒的にやりやすい」
AIの使い方にも、再現性のある工夫があります。
「まずは記事の課題を、定量・定性の両面でAIに正しく読み込ませることを重視しています。そのうえで、いきなり全部を変えるのではなく、“文章と画像のセット”を1つの単位——僕らは“1ボックス”と呼んでいます——として、その1ボックスだけ改善点を見つけて直す、と変数を絞って指示しています」
こうして出てきた「次のネクストアクション」の叩き台をもとに、最後の詰めを人間が行います。
「叩き台までAIに作ってもらって、最後の詰めを人間がやる。ABテストのラフ作りまでをAIに任せて、自社でPDCAを高速で回せるようにする狙いでした」
効果は、まず分析時間の短縮として表れています。
「分析時間で言うと、なんなら1/10ぐらいにはなったんじゃないかと感じています」
ただし、澤田氏が強調するのは「速くなったこと」そのものではありません。
「1/10になったことで、ネクストアクション(次の打ち手)に時間を割けるようになって、出力の量と質が上がりました。分析を効率化すること自体が目的ではなく、その後の質と量が上がることが本質なんです」
もう一つの大きな変化が、属人化の解消です。
「複数の商品を並行で扱っていると、チームによって分析が得意・不得意というばらつきが出ます。そこを限りなく小さくできているのが大きい。誰でもAIの力を借りてデータを活用できるようになって、心理的なハードルも下がり、すぐ次のアクションに移れるようになりました」
04「読み解きはAI、施策は人間」 — 再現できる役割分担
注目すべきは、ヨミテがAIに丸投げしていない点です。むしろ「どこをAIに任せ、どこを人間が握るか」の線引きが明確で、ここがそのまま他社にも応用できるノウハウになっています。
「分析時間は明確に削減できました。ただ、分析結果から要因を考察して、媒体の癖や運用経験を踏まえて施策に落とし込むところは、まだ人間の経験と知見が必要です。分析結果をどう捉えるか、ニュアンスをClaudeに教え込むプロセスが必要で、ここはまだ完全にAIに依存するのは難しい段階です」
データの読み解き・要約・叩き台づくりはAI。
媒体の癖を踏まえた仮説構築と施策設計は人間。
このシンプルな分担が、ヨミテ流のSquad beyond × AI活用の現在地です。これからデータ活用を始める企業にとって、最初に置くべき“地図”になります。
05クリエイティブも量産 — 「5時間 → 1時間」、狙ったポーズを無限生成
分析と並んで効率化が進んだのが、クリエイティブ制作です。ヨミテのインハウスチームは毎週何百本という制作量を追っており、その量はもはや人手だけでは成立しません。
「静止画のクリエイティブを作るとき、昔はストックサイトで類似画像を大量にダウンロードして、全部編集していました。素材を集めるだけで5時間かかっていた作業が、今は1時間程度で生成して作れるようになっています」
しかもAIは、ストックフォトに“ない”画像を狙って量産できます。
「手をクロスして×をしている20代の綺麗な女性の画像って、ストックにはないんですよ。それをAIで無限に生成できる。スマートニュースで配信したら、めちゃくちゃ伸びた事例もあります」
広告で伸びるクリエイティブは「特定のポーズやコンセプト」が決め手になることが多い。狙った訴求の素材を量産できるようになったことで、未経験者が短期間で戦力化する仕組みも生まれています。
064年半使い続ける、もう一つの理由 — 気軽に頼れるサポート
機能や数字と並んで、ヨミテがSquad beyondを使い続ける理由には「サポートの気軽さ」があります。
「チャットで気軽に質問できるのが大きいですね。社内の人間に聞くようなレベルで“こんなウィジェットありますか?”と聞くと、すぐ“ありますよ”と返ってくる。記事の装飾を作っていく中で、ウィジェットを探す時間がネックになりがちなんですが、そこをスムーズに進められたのは助かりました」
困ったときにすぐ相談でき、すぐ答えが返ってくる。この距離の近さが、長く使い込むほど効いてきます。
加えて、澤田氏は今後への期待も語ります。
「データを活用したレポート自動化に、最も期待しています。代理店からの報告を待たずに、配信金額や効果をAI側で即座に可視化して、ネクストアクションの叩き台まで自動生成できれば、業務効率は大きく変わります」
07なぜヨミテは、これができるのか — “火を絶やさない”組織
ここまでのスピードを支えているのは、ツールでも手法でもなく、組織文化だと澤田氏は言い切ります。先進事例が「特殊な誰か」ではなく「文化」から生まれていることが、この事例の再現性を担保しています。
「うちの強みは、Do(やってみる)というチャレンジ精神とアクション量です。Veo3を全社展開して動画を作らせていたら、翌月とんでもない請求が来た——月75万円。従量課金という知識が完全に抜けていたんです(笑)。でも、こういう失敗を恐れずやってみる文化がなければ、ここまで速くは進まなかった」
超フラットな組織、新卒・未経験中心の構成、そして低い離職率。長く在籍するメンバーの知見が、新技術を取り入れる判断スピードを支えています。
「3年前にこの企画をやってた人が、まだ社内にいるんですよ。だからAIを取り入れるときも“あの時こうだった”がすぐ共有できて、失敗を回避するスピードが圧倒的に上がります」
「『火を絶やすでないぞ』——キングダムの麃公将軍の言葉が好きなんです。組織って常に火を起こしている感覚で、誰かがヒットを打って流れを作る。それを絶やさない。ヨミテの『Do』も、火を絶やさない文化だと思っています」
- ✓記事LPに特化したSquad beyondで、CVRを左右する最重要の接点を押さえる
- ✓4年半の配信データ(ヒット・不ヒット両方)を一箇所に蓄積し、“データ資産”に変える
- ✓そのデータをMCPでAIに接続し、分析の叩き台づくりを自動化。分析時間を1/10に、属人化も解消。空いた時間でネクストアクションの量と質を上げる
- ✓「読み解きはAI、施策は人間」の役割分担で、再現可能なPDCAに
- ✓困ったらすぐ相談できる気軽なサポートが、4年半の継続利用を支えている
「先進的だから真似できない」のではなく、「記事LP → データ蓄積 → AI接続 → 役割分担」という順番が見える事例です。これからSquad beyondを最大活用したい企業にとって、そのまま地図になります。