優良誤認とは|有利誤認との違いとLPの表現

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優良誤認とは|有利誤認との違いとLPの表現

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LPや広告のコピーを書いていて、「この言い方は言い過ぎだろうか」「注記を入れておけば大丈夫だろうか」と迷うことはないでしょうか。広告審査で差し戻されたり、社内のチェックで「優良誤認になるかもしれない」と指摘されたりしても、どこからが問題なのかが分からないと、直し方も決められません。

優良誤認とは、商品やサービスの品質・規格などの内容を、実際よりも著しく良く見せる表示のことです。これに対して有利誤認は、価格や取引条件を実際よりも著しく有利に見せる表示を指します。どちらも景品表示法第5条で禁止されていて、わざとでなく誤って表示した場合も規制の対象になります。

この記事では、e-Gov法令検索の景品表示法の条文と消費者庁の公式ページ・公表資料をもとに、優良誤認と有利誤認の違い、効果や性能の表示に根拠を求める「不実証広告規制」、打消し表示の考え方、措置命令と課徴金の仕組みを整理します。そのうえで、LPや広告で起きやすい表現の型と直し方をまとめます。

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1. 優良誤認とは|品質・規格などの内容を著しく良く見せる表示

1-1. 景品表示法第5条第1号の要点

景品表示法第5条第1号は、事業者が自己の供給する商品・サービスの品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し次のように示す表示を禁止しています。

  • 実際のものよりも著しく優良であると示す表示
  • 事実に相違して、同種・類似の商品やサービスを供給している他の事業者のものよりも著しく優良であると示す表示

いずれも、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるものが対象です(出典:不当景品類及び不当表示防止法|e-Gov法令検索)。

消費者庁は、具体的には、商品・サービスの品質を実際よりも優れていると偽って宣伝したり、競争業者の商品より特に優れているわけではないのに、あたかも優れているかのように偽って宣伝したりする行為が優良誤認表示に当たると説明しています(出典:優良誤認とは|消費者庁)。

1-2. 「品質」「規格」「その他の内容」に入るもの

消費者庁のガイドブックでは、それぞれの言葉が指すものを次のように説明しています(出典:事例でわかる景品表示法(2026年3月改訂版)|消費者庁)。

区分含まれるもの(ガイドブックの例)
品質原材料、純度、添加物などの成分/性能、効果、鮮度などの属性
規格国、公的機関、民間団体などが定めた要件を満たすことで表示できる等級など
その他の内容原産地、製造方法、受賞の有無、有効期限など、品質や規格に間接的に影響するもの

LPでいえば、「効果」「性能」「成分」の訴求だけでなく、「受賞」「製法」「産地」の表記も優良誤認の対象になり得るということです。

1-3. 「著しく」は一般消費者の受け止め方で判断される

「著しく」について、消費者庁の不実証広告ガイドラインは、表示の誇張の程度が社会一般に許容される程度を超えて、一般消費者による商品・サービスの選択に影響を与える場合をいう、と説明しています。判断は業界の慣行や表示した事業者の認識ではなく、表示の受け手である一般消費者に「著しく優良」と認識されるかどうかで行われます。また、特定の文章や写真だけでなく、表示内容全体から一般消費者が受ける印象・認識が基準になります(出典:不当景品類及び不当表示防止法第7条第2項の運用指針(不実証広告ガイドライン)|消費者庁)。

「業界ではよくある言い方だから」「社内では誇張のつもりはなかった」という理由は、判断の基準になりません。法令や消費者庁の資料には、何%違えば「著しく」に当たるといった数値の基準は示されていないため、表示全体を一般消費者の目で読み直すことが出発点になります。

1-4. わざとでなくても対象になる

消費者庁は、故意に偽って表示する場合だけでなく、誤って表示してしまった場合でも、優良誤認表示に該当する場合は規制されると明記しています(出典:優良誤認とは|消費者庁)。ガイドブックも、事業者側に故意・過失がなかったとしても措置命令が行われるとしています(出典:事例でわかる景品表示法)。

2. 有利誤認とは|価格・取引条件を著しく有利に見せる表示

2-1. 景品表示法第5条第2号の要点

景品表示法第5条第2号は、商品・サービスの価格その他の取引条件について、実際のもの、または同種・類似の商品やサービスを供給している他の事業者のものよりも、取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示を禁止しています(出典:不当景品類及び不当表示防止法|e-Gov法令検索)。

消費者庁の具体例には、基本価格を記載せずに「今なら半額!」と表示したが、実際は50%割引とは認められない料金で請け負っていたケースが挙がっています。有利誤認も、誤って表示した場合でも規制の対象です(出典:有利誤認とは|消費者庁)。

2-2. 「取引条件」に入るもの

ガイドブックでは、取引条件の例として数量、アフターサービス、保証期間、支払い条件などを挙げています。事例としては、別途、矯正装置の費用が必要なのに、記載された金額だけで歯列矯正を利用できるかのように表示したものや、自社に不利な他社の割引サービスを除外した料金比較で「自社が最も安い」かのように表示したものが紹介されています(出典:事例でわかる景品表示法)。

価格そのものだけでなく、「追加費用があるか」「どんな条件で安くなるか」も取引条件に含まれます。LPのオファー(初回価格、特典、保証)を書くときは、ここが有利誤認の論点になります。オファーの作り方そのものは「LPオファーの作り方|CVRが上がる文例25選と心理学7つ」で解説しています。

2-3. 二重価格表示は有利誤認の一つ

販売価格に「通常価格」「セール前価格」などの高い価格を並べる二重価格表示は、比較対照価格の内容が適正でない場合、有利誤認表示に当たるおそれがあります。消費者庁は「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」(価格表示ガイドライン)で判断の考え方を示しています(出典:事例でわかる景品表示法)。過去の販売価格を使うときの期間の基準などは、この記事では扱いません。

3. 優良誤認と有利誤認の違い

優良誤認表示(品質・規格その他の内容)と有利誤認表示(価格その他の取引条件)の違いを、消費者庁が示す例とあわせて左右に並べた図

2つの違いは、何を良く見せたかです。品質・規格などの「内容」なら優良誤認(5条1号)、価格などの「取引条件」なら有利誤認(5条2号)です。

項目優良誤認表示有利誤認表示
条文景品表示法第5条第1号景品表示法第5条第2号
対象品質、規格その他の内容価格その他の取引条件
消費者庁の例カシミヤ混用率80%程度のセーターに「カシミヤ100%」「他社商品の2倍の内容量」と表示したが、実際は他社と同程度
不実証広告規制対象(効果・性能の表示)対象外
課徴金・第48条の罰則対象対象

出典:表示規制の概要|消費者庁、不当景品類及び不当表示防止法|e-Gov法令検索

1つの広告の中に両方が含まれることもあります。たとえば「〇〇成分で効果が出る」は内容の表示、「今だけ半額」は取引条件の表示で、同じLPの中でそれぞれ判断されます。

なお、景品表示法第5条には第3号もあり、無果汁の清涼飲料水、商品の原産国、おとり広告、ステルスマーケティングなど、内閣総理大臣が指定する7つの表示が定められています(出典:表示規制の概要)。第3号の表示は課徴金の対象から除かれています(出典:e-Gov法令検索 第8条第1項)。ステマ規制や景品の上限額の規制は、この記事では詳しく扱いません。

4. 不実証広告規制|効果・性能の表示は「根拠を先に」

4-1. 資料を出せなければ優良誤認とみなされる

消費者庁長官は、表示が優良誤認に当たるかを判断する必要がある場合、期間を定めて、事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができます。期間内に提出しない場合や、提出された資料が合理的な根拠と認められない場合、その表示は、措置命令との関係では不当表示とみなされ(第7条第2項)、課徴金納付命令との関係では不当表示と推定されます(第8条第3項)(出典:不実証広告規制|消費者庁)。

つまり、消費者庁が「効果がない」ことを証明するのではなく、表示した事業者が「効果がある」根拠を示す必要がある仕組みです。ガイドラインは、対象になる表示として、痩身効果、空気清浄機能などの効果・性能に関する表示を挙げています(出典:不実証広告ガイドライン)。

不実証広告規制の流れ。消費者庁長官が文書で資料の提出を求め、提出期限は原則15日後。合理的な根拠と認められなければ措置命令では不当表示とみなされ、課徴金納付命令では推定される

4-2. 提出期限は原則15日

資料の提出期限は、消費者庁長官が文書で提出を求めた日から、原則として15日後です。延長は、事業者から書面で申出があり、正当な事由があると認められた場合に限られます。ガイドラインは、新たな又は追加的な試験・調査を実施する必要があるなどの理由は、正当な事由とは認められないと明記しています(出典:不実証広告ガイドライン)。

消費者庁のガイドブックも、効果・性能の優良性を示す表示を行う場合は、根拠を示す資料をあらかじめ有した上で表示を行うべきだとしています(出典:事例でわかる景品表示法)。求められてから試験を始めても間に合わない、ということです。

4-3. 「合理的な根拠」の2つの要件

提出資料が合理的な根拠と認められるには、次の2つを満たす必要があります(出典:不実証広告規制|消費者庁)。

  1. 客観的に実証された内容であること:試験・調査によって得られた結果か、専門家・専門家団体・専門機関の見解または学術文献。試験・調査は、関連する学術界・産業界で一般的に認められた方法などで行う必要がある
  2. 表示された効果・性能と、実証された内容が適切に対応していること

2つ目の要件が、LPの表現で特に問題になります。ガイドラインの例では、「99%の紫外線をカット」と表示した衣料について、提出された学術文献が紫外線を50%遮断することを確認したものにすぎず、99%遮断までは実証していなかったため、合理的な根拠とは認められていません。また、ここでいう「表示された効果、性能」は、文章、写真、試験結果から引用した数値、イメージ図、消費者の体験談などを含めた表示全体から一般消費者が認識するものです(出典:不実証広告ガイドライン)。

4-4. 体験談・モニターの声を根拠にする場合

体験談やモニターの意見を集めた調査を根拠にする場合は、無作為抽出法でサンプルを選び、作為が生じないように考慮するなど、統計的に客観性が十分に確保されている必要があります。ガイドラインは、自社の従業員やその家族の体験談を集めた調査や、自分から体験談を送ってきた利用者の声だけを母体にした調査は、客観的に実証されたものとは認められないとしています(出典:不実証広告ガイドライン)。

なお、販売業者が自ら試験をすることが常に求められるわけではありません。製造業者が行った試験のデータの有無や、その試験方法・結果の客観性を販売業者が確認したことを示す書面なども、根拠として提出できるとされています(出典:同上)。

5. 打消し表示の考え方|注記を入れても誤認が消えるとは限らない

5-1. 打消し表示は「例外的に」使うもの

消費者庁は、断定的な表現や目立つ表現で品質や価格を強調した表示を「強調表示」、強調表示からは予期できない例外条件・制約条件などを示した表示を「打消し表示」と呼んでいます。強調表示は、対象の商品・サービスのすべてに無条件・無制約に当てはまるものと受け止められるため、例外があるときは打消し表示を分かりやすく適切に行わなければ、不当表示として問題となるおそれがあります(出典:打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点(実態調査報告書のまとめ)|消費者庁)。

同じ資料は、強調表示の内容が商品・サービスの実際を反映していることが原則で、打消し表示は例外的に使用されるべきものだとしています。強調表示と打消し表示が矛盾する場合も、問題となるおそれがあります(出典:同上)。注記を足す前に、まず強調表示そのものを実際に合わせられないかを考える、という順番です。

5-2. スマホLPで問題になりやすい表示方法

この資料は、打消し表示が正しく認識されるかを、文字の大きさ、強調表示とのバランス、配置箇所、背景との区別などから総合的に判断するとしています。スマートフォンのWebページについては、次の点が挙げられています(出典:打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点)。

  • 距離:強調表示の近くに「※」などの記号があっても、打消し表示が離れた別の画面にあり、他の表示によっても気付けない場合は、正しく認識できないと考えられる。強調表示に隣接した箇所に表示することが求められる
  • 文字の大きさ:同じ画面にある他の表示と比べても、打消し表示がより注意を引き付ける文字の大きさにすることが求められる
  • 色・背景:強調表示と打消し表示の文字色や背景色を統一するなどして、一体として認識できるようにすることが求められる
  • コンバージョンボタン:ボタンが強調表示と同じ画面にあり、打消し表示が離れた画面にある場合、打消し表示を見落としたままボタンをタップするおそれがある
  • アコーディオンパネル:ラベルが抽象的で、タップする必要性に気付かない場合は、正しく認識できないと考えられる
スマートフォンのLPで、打消し表示をページ下部の小さな注記にした場合と、強調表示のすぐ下に同じ背景色で置いた場合を並べた図

ページ下部に注意書きをまとめる作り方は、スマホでは強調表示から離れやすい点に注意が必要です。スマホ向けのLPの作り方全般は「LPレスポンシブ対応の方法|スマホ最適化でCVRを上げる7つの施策」で解説しています。

5-3. 表示内容で問題になる4つの型

表示方法が適切でも、内容が理解できなければ意味がありません。同じ資料は、問題となる打消し表示の内容を4つの型に分けています(出典:打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点)。

型どういうものかLPでの例(資料の記載)
例外型強調した内容に何らかの例外がある例外事項なしに利用できると受け止められる
別条件型割引期間・割引料金の適用に別の条件がある定期購入で初回価格の安さを強調し、解約条件を打消し表示に書く
追加料金型「全て込み」と強調しつつ追加料金がある当該価格以外に追加料金がかからないと受け止められる
試験条件型試験の条件が専門的で理解できない商品ではなく成分の試験結果を、商品の効果のように見せる

試験条件型について資料は、商品に効果があるかのような強調表示に対して、「成分に効果があるだけで商品には効果がない」旨の打消し表示を付けるような、強調表示と打消し表示が矛盾する場合は問題となるおそれがあるとしています。

5-4. 体験談に「個人の感想です」を付けても認識は変わりにくい

同じ資料によると、商品を使った人の体験談を見た一般消費者は「大体の人が効果を得られる」という認識を抱き、「個人の感想です。効果には個人差があります」といった打消し表示に気付いても、その認識が変わることはほとんどないと考えられています。体験談を使う場合は、事業者が行った調査の被験者の数とその属性、体験談と同じような効果が得られた人の割合、得られなかった人の割合などを明瞭に表示すべきだとしています(出典:打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点)。口コミや体験談をLPに載せるデザインの考え方は「LPの口コミデザイン10例|CVRを上げる信頼性演出の方法」でまとめていますが、載せる内容はこの考え方に沿って選ぶ必要があります。

6. 違反するとどうなるか|措置命令・課徴金・確約手続・罰則

6-1. 措置命令

景品表示法に違反する疑いがある場合、消費者庁は関連資料の収集や事業者への事情聴取などの調査を行い、違反行為が認められれば、誤認の排除、再発防止策の実施、今後同様の違反を行わないことなどを命じる「措置命令」を行います。違反の事実が認められない場合でも、違反のおそれがある行為には指導が行われます。都道府県知事も措置命令を行うことができます(出典:景品表示法違反行為を行った場合はどうなるのでしょうか?|消費者庁)。措置命令は、違反行為がすでになくなっている場合でも行うことができます(出典:e-Gov法令検索 第7条第1項)。

6-2. 課徴金納付命令

優良誤認表示・有利誤認表示をした事業者には、課徴金の納付が命じられます。条文とガイドブックで確認できる仕組みは次のとおりです。

項目内容
金額課徴金対象期間の対象商品・サービスの売上額 × 3%
命じられない場合表示が不当であると知らず、かつ知らないことについて必要とされる注意を怠った者でないと認められるとき/課徴金額が150万円未満(売上額5,000万円未満)のとき
対象期間違反行為をした期間(やめた後6か月以内の取引を含む)。3年を超えるときは末日からさかのぼって3年間
繰り返した場合さかのぼって10年以内に課徴金納付命令を受けていた場合は 4.5%
減額違反の事実を自主的に報告した場合は2分の1を減額(調査を予知した報告は除く)/認定を受けて返金措置(購入額の3%以上)を行った場合は減額など
期限違反行為をやめた日から5年を経過すると命じられない

出典:不当景品類及び不当表示防止法|e-Gov法令検索(第8条・第9条・第10条・第12条第7項)、事例でわかる景品表示法

「必要とされる注意」について、ガイドブックは、表示の根拠となる情報を確認するなど、正常な商慣習に照らし必要とされる注意をしていた場合と説明しています。表示を作るときに根拠を確認したかどうかが、ここで問われます。

6-3. 確約手続

違反の疑いがある行為について、事業者の自主的な取組で解決するための「確約手続」もあります。消費者庁から通知を受けた事業者は、通知を受けた日から60日以内に是正措置の計画を作って認定を申請でき、認定されれば措置命令と課徴金納付命令の規定は適用されません(出典:e-Gov法令検索 第26条〜第28条、景品表示法違反行為を行った場合は)。

6-4. 罰則

現行の景品表示法には、次の罰則があります(出典:e-Gov法令検索 第46条・第48条・第49条)。

  • 品質などについて著しく優良、価格などの取引条件について著しく有利であると一般消費者を誤認させるような表示をしたとき:100万円以下の罰金(第48条)
  • 措置命令に違反したとき:2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金(第46条)。法人には3億円以下の罰金刑(第49条)

6-5. 事業者に求められる管理上の措置

景品表示法第22条は、事業者に、表示を適正に管理するために必要な体制の整備などの措置を講じることを求めています。消費者庁のガイドブックは、指針に沿った7つの措置として、景品表示法の考え方の周知・啓発、法令遵守の方針の明確化、表示の根拠となる情報の確認、情報の共有、表示等管理担当者を定めること、根拠となる情報を事後的に確認するための措置(記録・保存など)、不当表示が明らかになった場合の迅速かつ適切な対応を挙げています。アフィリエイターなど第三者に表示させたものも、管理する表示の範囲に含まれます(出典:事例でわかる景品表示法)。

7. LP・広告で起きやすい表現の型と直し方

消費者庁の資料に載っている考え方をもとに、LPや広告で起きやすい表現の型と直し方を整理します。当たるかどうかは表示全体と個別の事情で判断されるため、ここでの「直し方」は、資料が求めている方向に表現を寄せる方法です。最終的な判断が必要なときは、消費者庁の相談窓口や専門家に確認してください。

表現の型関係する規制直し方
効果・性能を断定する(「〇〇するだけで」など)優良誤認・不実証広告規制手元の根拠資料が実証している範囲に表現を合わせる
試験の数字を条件なしで載せる優良誤認(試験条件型)何を・どの条件で試験したかを、一般消費者に分かる言葉で強調表示の近くに書く
「日本で当社だけ」など他社より優れていると示す優良誤認(競争事業者との比較)事実を確認できる範囲に限る。確認できなければ書かない
体験談+「個人の感想です」優良誤認(体験談)調査の被験者数・属性、効果が得られた人・得られなかった人の割合を明瞭に書く
基本価格なしで「半額」「〇%オフ」有利誤認何と比べた割引かを示す。比較できる価格がなければ割引の表現を使わない
初回価格を強調し、定期の条件や解約条件を小さく書く有利誤認(別条件型)条件を強調表示のすぐ近くに、同じ文脈・同じ背景で書く
「全て込み」「追加費用なし」なのに別料金がある有利誤認(追加料金型)実際の総額や別料金を、強調表示と一体で見える位置に書く
「先着〇名」「限定〇名」なのに実際は全員が対象有利誤認実際の条件どおりに書く
「送料無料」の条件をリンク先に小さく書く有利誤認条件を具体的な言葉で、関連情報の近くに明りょうに書く

出典:表示規制の概要、不実証広告ガイドライン、打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点、インターネット上の広告表示|消費者庁

7-1. 効果の表現は「根拠が実証している範囲」に合わせる

不実証広告規制で見たとおり、根拠資料があっても、表示が資料の実証した範囲を超えていれば合理的な根拠とは認められません。コピーを書くときは、先に根拠資料を手元に置き、「どの条件で」「何が」「どれだけ」確認されたのかを書き出してから表現を決めます。資料にない言葉(「誰でも」「必ず」「〇日で」など)を足していないかを確認するのが基本です。

7-2. 条件は強調表示と同じ画面に置く

価格や特典を強調するときは、その条件をフッターやリンク先にまとめるのではなく、強調表示のすぐ近くに置きます。消費者庁の「インターネット上の広告表示」でも、「送料無料」と強調した上で、配送条件を小さい文字のリンク先に表示すると、条件がないかのように誤認される場合があるという例が挙げられています(出典:インターネット上の広告表示|消費者庁)。

7-3. 「No.1」「満足度〇%」は調査の中身とセットで確認する

消費者庁のガイドブックには、他校と異なる方法で数値化し、適正な比較をしていないのに「大学合格実績No.1」であるかのように表示した事例が載っています(出典:事例でわかる景品表示法)。No.1表示に必要な調査の要件は、この記事では詳しく扱いませんが、少なくとも「何を・どう比べた結果か」が表示どおりかは、掲載前に確かめておく必要があります。媒体の広告審査で止まりやすい表現は「広告審査に通らない原因とは?LP改善のコツとチェックポイント」でまとめています。

8. 優良誤認・有利誤認でよくある失敗例

8-1. 失敗例1:打消し表示をページ下部の注記にまとめる

症状:スマホのLPで、ファーストビューに「初回〇〇円※」と大きく書き、定期コースの条件や解約条件をページ最下部の小さな注記にまとめると、強調表示を見た人が条件に気付かないまま申込みボタンを押す作りになる。

原因:消費者庁の留意点では、「※」などの記号が強調表示の近くにあっても、打消し表示が離れた別の画面にあり、他の表示によっても気付けない場合は、正しく認識できないと考えられるとしています。定期購入の初回価格と解約条件は「別条件型」の例として挙げられています(出典:打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点)。

対策:条件を強調表示のすぐ下に、同じ背景色・同じ文脈で置き直します。文字は同じ画面の他の表示と比べても目立つ大きさにします。

回避策:LPを作る段階で、強調表示ごとに「対になる条件」を書き出し、両方が同じ画面に入っているかをスマホの実機で確認する工程を入れます。申込みボタンより上で条件が読めるかも、あわせて確認します。

8-2. 失敗例2:体験談に「個人の感想です」を付ければよいと考える

症状:「〇日で実感」のような利用者の声を並べ、各体験談の下に「※個人の感想です。効果には個人差があります」と付けると、体験談から受ける「大体の人に効果がある」という印象がそのまま残る表示になる。

原因:消費者庁の留意点は、この種の打消し表示に気付いても、体験談から受ける認識が変わることはほとんどないと考えられるとしています。また不実証広告ガイドラインは、体験談を含めた表示全体から一般消費者が認識する効果・性能を、根拠資料と照らし合わせるとしています(出典:打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点、不実証広告ガイドライン)。

対策:体験談を使う場合は、事業者が行った調査の被験者の数と属性、同じような効果が得られた人と得られなかった人の割合などを明瞭に表示します。それができない体験談は、効果を示す形では使いません。

回避策:体験談を集める段階で、誰から・どう集めたかを記録しておきます。自社の従業員やその家族の声、自分から送られてきた声だけを集めたものは、客観的な根拠とは認められないとされている点も、集め方を決める前に共有しておきます。

8-3. 失敗例3:ABテスト用に複製した版で、表現だけが根拠を超える

症状:元のLPは根拠資料に合わせた表現で作っていても、ABテスト用に複製した版で見出しを強めると(「〇%改善」を「誰でも〇%改善」にするなど)、その版だけが根拠資料の実証した範囲を超えた表示になる。

原因:合理的な根拠と認められるには、表示された効果・性能と、提出資料で実証された内容が適切に対応している必要があります(出典:不実証広告規制|消費者庁)。根拠の確認を元のLPでしか行っていないと、配信している別の版の表現が確認から漏れます。

対策:配信中のすべての版について、効果・性能の表現を根拠資料と照らし合わせ、超えている版は表現を戻すか配信を止めます。

回避策:テストで変えてよいのは「根拠の範囲内での言い方・見せ方・順番」と決めておき、効果の大きさや対象を広げる表現は、根拠資料を確認してから版に入れるルールにします。テストを公開する前に、版ごとの表現を確認する担当者を決めておくと漏れを防げます。

9. Squad beyondで表現の修正と確認の記録を残す

表示が優良誤認・有利誤認に当たるかどうかを判断するのは、事業者自身と、必要に応じて相談する専門家です。Squad beyondに表示の適法性を判定する機能はありません。そのうえで、ここまでに見た「根拠に合わせて表現を直す」「直した版を確認してから公開する」「直したことを記録する」という作業は、次の機能で進められます。

9-1. 表現を差し替えた版をVersionの複製で作る

既存のLP(Version)を複製して、ファーストビューやCTAを変えた版を作れます(出典:Versionを複製する|Squad beyond FAQ)。表現を直すときに元の版を残したまま修正版を作れるので、どこを変えたかを比べやすくなります。

9-2. 直した表現でCVが落ちないかをABテストで確かめる

同じ配信URLで複数のVersionを配信し、配信割合を変えてABテストを行えます。配信割合が「0」のVersionは配信されません(出典:ABテストを実施する|Squad beyond FAQ、Versionの配信割合について|Squad beyond FAQ)。条件を強調表示の近くに移した版や、根拠の範囲に表現を合わせた版を並べ、成果の差を数字で確かめられます。ただし、失敗例3のとおり、テストのために作る版も根拠の範囲内で作ることが前提です。ABテストの進め方は「ABテストの成功事例6選|検証スピードを高める進め方・注意点も解説」で解説しています。

9-3. 公開前に承認を通す(審査機能)

審査機能をONにすると、チーム内で権限を持つ人の承認を得てから、Versionの編集内容を実際の配信ページに反映できます。審査機能はフォルダ単位で設定し、既存のフォルダの審査機能をONにすることはできません(出典:審査機能について|Squad beyond FAQ)。表示等管理担当者が表現を確認してから公開する、という社内の手順をツール上の流れにできます。

9-4. 確認用URLで、スマホでの見え方を共有する

Version編集画面のプレビューから「作成中の確認用URL」を取得すると、更新ボタンを押す前の編集中のVersionを、Squad beyondのアカウントを持っていない人も確認できます。QRコードも表示されるので、スマートフォンで読み取ってモバイル端末から確認できます(出典:プレビューについて|Squad beyond FAQ)。打消し表示が強調表示と同じ画面に入っているかを、法務担当者などと実機で確認するのに使えます。

9-5. 変更・復元履歴と一括置換

Versionの「変更・復元履歴」では、過去7回分の更新について、更新日時、更新を実行したユーザー、現行版と比べて変更があった箇所を確認でき、過去の状態に復元もできます(出典:Versionの変更・復元履歴について|Squad beyond FAQ)。確認できるのは7回分なので、表示の根拠資料や確認した記録そのものは、別に保存しておく必要があります。

問題のある表現が複数のLPに入っていると分かったときは、マジック置換で、フォルダ内のテキストや画像を一括で別のものに置き換えたり、テキストを消去したりできます(出典:マジック置換機能について|Squad beyond FAQ)。

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10. 優良誤認・有利誤認についてよくある質問

Q. 優良誤認と有利誤認の違いは何ですか?

何を良く見せたかの違いです。優良誤認(景品表示法第5条第1号)は、品質・規格その他の内容を実際や他社のものより著しく優良と示す表示、有利誤認(第5条第2号)は、価格その他の取引条件を実際や他社のものより著しく有利と誤認させる表示です。効果や性能の根拠資料を求める不実証広告規制は優良誤認だけの仕組みで、課徴金と第48条の罰則はどちらも対象です。

Q. 優良誤認は罪になりますか?

刑事罰の規定があります。景品表示法第48条は、品質などについて著しく優良であると一般消費者を誤認させるような表示をしたときを、100万円以下の罰金としています。有利誤認にあたる表示も同じ条文の対象です。このほか、措置命令に違反した場合は2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金で、法人には3億円以下の罰金刑が科されます。行政処分としては、措置命令と課徴金納付命令があります。

Q. わざとでなければ違反になりませんか?

なります。消費者庁は、故意に偽って表示する場合だけでなく、誤って表示してしまった場合でも、優良誤認・有利誤認に該当すれば規制されると説明しています。措置命令も事業者に故意・過失がなくても行われます。ただし課徴金は、表示が不当だと知らず、表示の根拠を確認するなど必要とされる注意を怠っていなかったと認められる場合は命じられません。日頃から根拠を確認して記録しておくことが大切です。

Q. 不実証広告規制の資料はいつまでに用意すればいいですか?

表示をする前です。資料の提出期限は、消費者庁長官が文書で求めた日から原則として15日後で、新たな試験や追加の試験が必要だという理由では延長が認められません。消費者庁は、根拠資料をあらかじめ持った上で表示すべきだとしています。LPの表現を変えるときは、変えた版ごとに根拠資料と照らし合わせることも必要です。Squad beyondでVersionを複製して版を分けておくと、どの版でどの表現を使っているかを確認しやすくなります。

Q. 「個人の感想です」と書けば体験談を載せてもいいですか?

それだけでは足りないと考えたほうが安全です。消費者庁の留意点は、体験談を見た人は「大体の人が効果を得られる」と受け止め、「個人の感想です」という打消し表示に気付いても、その認識はほとんど変わらないとしています。体験談を使うなら、調査の被験者数と属性、効果が得られた人・得られなかった人の割合を明瞭に書くべきだとされています。見せ方を変えた版を作る場合は、Squad beyondのABテストで成果への影響も確かめられます。

Q. 打消し表示はLPのどこに置けばいいですか?

強調表示のすぐ近くです。消費者庁の留意点は、スマートフォンでは強調表示に隣接した箇所に打消し表示を置き、同じ画面の他の表示と比べても注意を引く文字の大きさにし、文字色や背景色をそろえて一体として認識できるようにすることを求めています。「※」を付けて離れた場所に書くだけでは足りない場合があります。Squad beyondの作成中の確認用URLはQRコードでスマホから開けるので、公開前に実機で見え方を確かめられます。

11. まとめ

  • 優良誤認は品質・規格などの「内容」、有利誤認は価格などの「取引条件」を、著しく良く・有利に見せる表示。どちらも景品表示法第5条で禁止され、誤って表示した場合も対象になる
  • 「著しく」は業界の慣行ではなく、一般消費者が表示全体から受ける印象で判断される
  • 効果・性能の表示は不実証広告規制の対象。資料の提出期限は原則15日で、根拠は表示の前に持っておく必要がある。表示は根拠が実証した範囲に合わせる
  • 打消し表示は例外的に使うもの。スマホでは強調表示のすぐ近くに、目立つ大きさで置く。体験談は「個人の感想です」だけでは誤認が解けにくい
  • 違反すると措置命令、課徴金(売上額の3%)、罰則の対象になる。表示の根拠を確認し、記録する体制が求められる

LPの表現は、根拠に合わせて直し、直した版を確認してから公開し、その記録を残すところまでが一つの作業です。Squad beyondのVersionの複製・ABテスト・審査機能・変更・復元履歴は、その作業を回すために使えます。

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