Looker Studio広告レポートの作り方|媒体別の連携
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「毎月の広告レポートを作るだけで半日つぶれる」——複数の媒体に出稿している運用者から、よく聞く話です。
媒体ごとに管理画面へログインし、期間を指定してダウンロードし、表計算ソフトに貼り付けて体裁を整える。この作業自体は打ち手を生みませんが、毎月必ず発生します。しかも媒体が増えるほど、レポートを作る時間だけが比例して増えていきます。
Looker Studioは、この繰り返しを自動化できる無料のツールです。Google広告なら公式コネクタで直接つながり、一度レポートを組めば翌月からは期間を変えるだけで済みます。ただしYahoo!広告やMeta広告には公式コネクタがなく、ここでつまずいて有料ツールの検討に流れる人が少なくありません。
この記事では、Looker Studioで広告レポートを作る手順を、Google広告の接続から公式コネクタがない媒体の扱いまで解説します。無料でどこまでできて、どこから有料ツールを検討する段階なのかもあわせて示します。
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目次
1. Looker Studioで広告レポートを作るとできること

Looker Studioは、Googleが無料で提供しているレポート作成ツールです。広告やアクセス解析のデータを接続して、グラフや表に可視化できます。
広告レポートの文脈で効いてくるのは、次の3つです。
毎月のレポート作成を自動化できる
一度レポートを作ってしまえば、データは接続元から自動で読み込まれます。公式コネクタでつないだ媒体は、翌月に必要な操作が期間の指定を変えることだけになります。 管理画面からのダウンロードと貼り付けが不要になります。
公式コネクタがない媒体は後述のスプレッドシート経由になるため、そこだけ月1回の更新作業が残ります。
日付範囲に「先月」のような相対指定を設定しておけば、その操作すら要りません。レポートのURLを開いた時点で最新の数字が表示されます。
複数の媒体を1つの画面にまとめられる
Google広告とGoogleアナリティクスのように、別々のサービスのデータを1枚のレポートに並べられます。媒体ごとに管理画面を行き来せずに、全体の配信状況を1画面で把握できます。
後述するスプレッドシート経由の方法を使えば、公式コネクタがない媒体も同じレポートに載せられます。
URLを共有するだけで相手が見られる
レポートはURLで共有できます。ファイルを添付して送る必要がなく、相手が開いた時点の最新データが表示されます。閲覧のみ・編集可などの権限も設定できます。
社内の定例やクライアントへの報告で、毎回ファイルを作り直して送っていた工程がなくなります。
2. Google広告と連携する手順
Google広告はGoogleの公式コネクタが用意されているため、追加のツールなしで接続できます。
データソースを作る
Looker Studioにアクセスし、レポートを新規作成してからデータを接続します。
- `lookerstudio.google.com` にGoogleアカウントでログインする
- 左上の「作成」から「レポート」を選ぶ
- データの追加画面で「Google広告」を選ぶ
- 接続するGoogle広告アカウントを選択し、「追加」をクリックする
MCC(マネージャーアカウント)で複数のアカウントを管理している場合は、アカウント一覧から対象を選びます。MCCアカウント自体を選ぶと配下の合算値になるため、アカウント単位で見たい場合は個別に接続します。
接続すると、インプレッション・クリック数・費用・コンバージョンといった指標が使える状態になります。
グラフと表を配置する
データが接続できたら、見たい形に配置していきます。広告レポートでよく使う構成は次の3点セットです。
- スコアカード:費用・クリック数・コンバージョン数・CPAなど、単一の数字を大きく表示する
- 時系列グラフ:日別の推移を折れ線で表示する。異常値が出た日を特定できる
- 表:キャンペーン別・広告グループ別に指標を並べる。どこが効いているかを見る
配置は上部にスコアカード、中段に時系列グラフ、下段に表、という順が読みやすくなります。全体の数字 → 推移 → 内訳、という視線の流れに沿うためです。
期間の指定は「期間設定」コンポーネントを置きます。これを置いておくと、レポートを見る人が自分で期間を切り替えられます。
3. Google以外の媒体をどう扱うか

ここが、Looker Studioで広告レポートを作るときに最初に詰まる箇所です。
公式コネクタがある媒体・ない媒体
Googleが提供している公式コネクタは、Googleのサービスが中心です。2026年9月時点で用意されているのは次のとおりです。
| 分類 | 主なコネクタ |
|---|---|
| Googleマーケティングプラットフォーム | Google広告/Googleアナリティクス/Search Console/キャンペーン マネージャー 360/ディスプレイ&ビデオ 360/検索広告 360/Google アド マネージャー 360/YouTube アナリティクス |
| スプレッドシート・ファイル | Googleスプレッドシート/Microsoft Excel/CSVファイルアップロード |
| データベース | BigQuery/MySQL/PostgreSQL/Cloud SQL/Amazon Redshift ほか |
この一覧にYahoo!広告とMeta広告は含まれていません。 つまり、Google広告と同じ手順では接続できません。
第三者が開発した「コミュニティコネクタ」を使えばMeta広告に接続できるものもありますが、多くは月額のサブスクリプションが必要です。無料トライアルを設けているものもあるため、後述の判断基準と照らして検討することになります。
Yahoo!広告・Meta広告をスプレッドシート経由で取り込む
公式コネクタがない媒体は、スプレッドシートを中継地点にすれば無料で取り込めます。 Googleスプレッドシートは公式コネクタの対象だからです。
流れは3ステップです。
- 媒体の管理画面からレポートをダウンロードする(CSV形式)
- ダウンロードしたデータをGoogleスプレッドシートに貼り付ける
- Looker Studioからそのスプレッドシートに接続する
Looker Studio側の操作は、データの追加画面で「Googleスプレッドシート」を選び、該当のファイルとシートを指定するだけです。接続後は、Google広告のデータと同じようにグラフや表に使えます。
スプレッドシート側で押さえておきたいのは次の3点です。
- 1行目を見出し行にする。Looker Studioはここを項目名として読み込みます
- 日付の列は日付形式に揃える。文字列のままだと時系列グラフに使えません
- 媒体名の列を足す。複数媒体を1枚のシートに集めるときに、どの行がどの媒体かを判別するために要ります
媒体側のダウンロード手順は管理画面の仕様変更で変わるため、操作そのものは各媒体の公式ヘルプで最新を確認してください。この記事の観点で重要なのは、どの列を持ってくるかです。
広告レポートとして最低限そろえたいのは次の7列です。
| 列 | 用途 |
|---|---|
| 日付 | 時系列グラフの軸。データブレンドの結合キーにもなる |
| 媒体名 | 複数媒体を1枚のシートにまとめるときの判別用 |
| キャンペーン名 | 内訳を見る表の行 |
| 表示回数 | CTRの計算に使う |
| クリック数 | 費用と合わせてCPCを出す |
| 費用 | CPA・ROASの分母 |
| コンバージョン数 | 成果指標 |
この7列が揃っていれば、Google広告の公式コネクタで取れるデータと同じ粒度になります。 媒体側のレポート設定で列を選べる場合は、この7つを指定してから出力します。
出力形式はCSVを選びます。Excel形式でも取り込めますが、スプレッドシートに貼り付ける工程を挟むならCSVのほうが列のずれが起きにくくなります。
この方法の弱点は、月に1回はダウンロードと貼り付けの手作業が残ることです。自社ではUTMパラメータの管理をスプレッドシートで行う方法を「初期設定30分・以降は瞬時」と整理していますが、広告レポートの場合は毎月のデータ更新が発生するぶん、この「以降は瞬時」になりません。
有料ツールに切り替える判断基準
無料で組むか、有料ツールを使うかの線引きは、手作業が残る部分の月あたりの時間で決まります。
| 状況 | 向いている方法 |
|---|---|
| Google広告のみ、またはGoogleのサービスだけで完結する | 無料。公式コネクタだけで組める |
| Yahoo!広告・Meta広告が加わるが、媒体数が2〜3で月1回の更新で足りる | 無料。スプレッドシート経由で足りる |
| 媒体数が多い、更新頻度が週次以上、複数クライアントぶんを回している | 有料ツールの検討段階 |
3つ目に当てはまる場合、毎月のダウンロードと貼り付けが積み上がって、ツールの月額を上回る時間を使っていることがあります。判断に必要なのは「何媒体を、何回、誰が更新しているか」を数えることです。
ツールの比較検討に進む場合は、広告レポート自動化ツールおすすめ9選で選び方と主要なツールを整理しています。
4. 複数媒体を1つのレポートにまとめる
媒体ごとにグラフを並べるだけなら、データソースを追加していけば足ります。問題は「全媒体の合計」を1つの数字で出したいときです。
データブレンドで合算する
Looker Studioには、複数のデータソースを結合する「データブレンド」という機能があります。日本語の管理画面では「統合」と表示されます。 共通するキー(多くは日付)を指定して、Google広告のデータとスプレッドシートのデータを1つのテーブルとして扱えます。
作り方は2通りあります。
- メニューから作る:「リソース」→「統合を管理」を開き、左下の「統合を追加」をクリックする
- グラフから作る:対象のグラフを選んで右クリックし、「データを統合」を選ぶ
どちらの場合も、テーブルの間にある結合設定ボックスをクリックして、結合演算子と結合キー(広告レポートでは日付)を指定してから保存します。 統合できるデータソースは最大5つです。
広告レポートでは左外部結合(LEFT OUTER)を使う場面が多くなります。基準にしたい媒体のデータを左側に置くと、その媒体に存在する日付が必ず残るためです。
合算する前に、指標の定義を揃える
ここが最大の落とし穴です。 自社の広告効果測定の記事でも同じ点を挙げています。
媒体横断で評価するときの注意点は、各媒体の指標が同じ名称でも測定対象や仕様が完全には一致しないことです。Meta広告のインプレッションとX広告のインプレッション、Google広告のコンバージョンとGA4のコンバージョンは、定義や計測タイミングが揃わない場合があります。
データブレンドは、名前が同じ列を機械的に足し算します。 定義が違う指標を合算すると、それらしい数字が出てしまうぶん、間違いに気づきにくくなります。
合算する前に確認したいのは次の3点です。
- コンバージョンの計測基準:媒体側の計測なのか、GA4などの計測なのか。アトリビューション期間は揃っているか
- 費用に何が含まれるか:税抜か税込か、手数料を含むか
- 日付の基準:媒体によってはクリック日基準とコンバージョン発生日基準が異なる
揃わない指標は、無理に合算せず媒体別のまま並べるほうが安全です。 合計を出すのは費用とクリック数のように定義がぶれにくいものに絞り、コンバージョンは媒体別に表示する、という切り分けが現実的です。
計算フィールドで独自の指標を作る
CPAやROASのように、複数の指標から計算する数字は「計算フィールド」で作れます。
```
CPA = SUM(費用) / SUM(コンバージョン)
```
計算フィールドは、合計してから割るようにします。日別のCPAを平均すると、費用の少ない日が同じ重みで効いてしまい、実態とずれた数字になります。
5. つまずきやすい箇所

実際に組むときに止まりやすいのは、次の5つです。
データが更新されない
Looker Studioはデータをキャッシュしています。接続元を更新したのに反映されない場合は、レポート右上の「データを更新」を実行します。
スプレッドシート経由の場合は、スプレッドシート側で行を追加してもLooker Studio側の範囲設定が古いままだと新しい行が読まれません。 データソースの設定で範囲を確認します。
日付が時系列グラフで使えない
スプレッドシートの日付列が文字列として入っていると、時系列グラフの軸に指定できません。スプレッドシート側で日付形式に変換するか、Looker Studioのデータソース設定でフィールドのタイプを「日付」に変更します。
媒体からダウンロードしたCSVの日付は、文字列として取り込まれることが多い箇所です。
共有したら相手がデータを見られない
レポートの共有権限と、データソースの認証情報は別です。データソースが「閲覧者の認証情報」になっていると、レポートを見る人が接続元へのアクセス権を持っていないとデータが表示されません。
社外に共有するレポートでは、データソースの認証情報を「オーナーの認証情報」に設定します。ただしこの設定は接続元のデータを相手に見せることになるため、対象範囲を確認してから切り替えます。
表示が重い
データ量が多い、計算フィールドが多い、ページに要素を詰め込みすぎている、のいずれかが原因になります。
対処としては、期間の初期値を短くする、使わないフィールドを削る、ページを分割する、といった順に試します。スプレッドシートが数万行に育っている場合は、集計済みのシートを別に作ってそちらを接続するほうが速くなります。
媒体名の表記がそろわない
複数媒体をスプレッドシートにまとめるとき、「Google」「Google広告」「google_ads」のように表記がぶれると、集計が分かれてしまいます。貼り付けの段階で媒体名の列を用意し、決まった文字列で統一します。
6. レポートで分かったあとのLP改善をSquad beyondで進める

ここまでで、複数媒体の数字を1画面で追える状態になります。ただしLooker Studioで見えるのは、広告側の数字までです。
「CVRが先月より落ちた」と分かったとして、その原因が広告の配信面にあるのか、遷移先のLPにあるのかは、広告データだけでは切り分けられません。どの訴求のLPが効いていたのか、ファーストビューを変えたら何が起きたのかは、レポートに出てきません。
レポートを作る目的が「数字を見ること」ではなく「改善すること」なら、次に必要になるのは遷移先を作り替えて比較する手段です。
Squad beyondは、LPの制作からA/Bテスト、効果測定までを1つの画面で回せるツールです。広告の訴求ごとにLPを複製して配信を分け、どのパターンがコンバージョンにつながったかを同じ管理画面で確認できます。
レポートで「この媒体のCVRが落ちている」と気づいたあと、LPを作り直して比較するところまでを、別のツールに移らずに進められるのが違いです。毎月のレポート作成を自動化して浮いた時間を、そのまま改善にあてられます。
LP改善の進め方そのものは、LPOとは?CVR改善の実践5ステップ・改善事例・ツール選びで整理しています。
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7. Looker Studioの広告レポートについてよくある質問(FAQ)
Q. Looker Studioは無料で使えますか?
無料で使えます。Google広告やGoogleスプレッドシートなど、Googleが提供する公式コネクタにも追加費用はかかりません。費用が発生するのは、第三者が開発した有料のコミュニティコネクタを使う場合です。
Q. Yahoo!広告やMeta広告は直接つなげますか?
公式コネクタの一覧に、Yahoo!広告とMeta広告は含まれていません。無料で扱うなら、各媒体からCSVをダウンロードしてGoogleスプレッドシートに貼り付け、そこへ接続します。スプレッドシートは公式コネクタの対象です。
Q. 毎月のレポート更新はどのくらい手間がかかりますか?
公式コネクタでつないだ媒体は、更新の手間がかかりません。レポートを開いた時点で最新のデータが読み込まれます。手間が残るのはスプレッドシート経由の媒体で、ダウンロードと貼り付けが月1回発生します。
Q. レポートで数字を見たあと、何から手をつければよいですか?
落ちている指標が広告側か遷移先かを切り分けます。クリック率なら広告クリエイティブ、クリック後のコンバージョン率なら遷移先のLPが対象です。LPが原因なら、Squad beyondのようにLP制作とA/Bテストを1画面で回せるツールを使うと、課題から改善まで止めずに進められます。
8. まとめ
Looker Studioを使えば、毎月の広告レポート作成を自動化できます。
- Google広告は公式コネクタで直接つながる。 一度組めば、翌月からは期間を変えるだけ
- Yahoo!広告・Meta広告には公式コネクタがない。 ただしスプレッドシートを中継すれば無料で同じレポートに載せられる
- 媒体をまたいで合算する前に、指標の定義を確認する。 名前が同じでも測定対象が違う指標がある
- 無料か有料かの線引きは、残る手作業の時間で決める。 媒体数が多い・更新頻度が週次以上なら、ツールの検討段階
そして、レポートは作ることが目的ではありません。数字で課題が見えたあと、遷移先のLPをどう直すかまで進めて、はじめてレポートを作った意味が出ます。
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