カゴ落ちとは?原因と対策・カゴ落ち率の計算を解説

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広告やLPで集客はできているのに、カートや入力フォームの最終段階で購入・申し込みが完了しない。ECサイトやフォームを運用していると、こうした取りこぼしに悩む場面は少なくありません。商品をカートに入れた人の多くが、購入を終える前に離れてしまうのは、珍しいことではないためです。

本記事では、カゴ落ちとは何か、カゴ落ち率の計算方法と平均の目安、主な原因を整理します。そのうえで、自社の設計で改善しやすい「入力フォームと購入導線の摩擦」をどう減らすかを中心に解説します。

01|カゴ落ちとは

カゴ落ちとは、ユーザーが商品をカートに入れたまま、購入を完了せずに離脱してしまう状態のことです。英語では cart abandonment(カート放棄)と呼ばれ、オンラインショッピングでは広く見られます。

起こるのはECサイトの購入手続きだけではありません。資料請求・予約・会員登録・問い合わせといった申し込みフォームでも、入力の途中で離脱は発生します。入力項目が多いBtoBのリード獲得フォームでも同様です。「カートに入れる」「申し込みボタンを押す」という前向きな行動を一度は取ったユーザーが、最後の段階で離れてしまう。この点がカゴ落ちの特徴です。

カゴ落ちを軽視できないのは、広告費や制作コストをかけて連れてきたユーザーが、あと一歩で成果につながらないためです。集客の量を増やす施策と違い、すでに購入意欲のあるユーザーの取りこぼしを減らす取り組みは、追加の集客コストをかけずに成果を伸ばせます。

なお、ユーザーが離れる地点はカゴ落ちだけではありません。商品ページにたどり着く前や、LPを読んでいる途中の離脱もあります。本記事で扱うのは、あくまで「カートに入れた後・購入手続きの途中」で起こる離脱です。どの地点で離脱が起きているかを分けて捉えることが、対策の優先順位を考える出発点になります。

02|カゴ落ち率とは

カゴ落ち率とは、カートに商品を入れたユーザーのうち、購入を完了しなかった割合のことです。自社のカゴ落ちがどの程度かを把握する、基本の指標になります。計算式は次のとおりです。

  • カゴ落ち率 =(1 − 購入完了数 ÷ カート投入数)× 100

たとえば、ある期間にカートへ商品を入れた人が1,000人、そのうち購入を完了した人が300人だったとします。このとき、カゴ落ち率は(1 − 300 ÷ 1,000)× 100 で70%です。カートに入れた7割が購入に至らなかった、という見方になります。

平均の水準としてよく参照されるのが、EC領域を調査するBaymard Institute(米国)の集計です。同社は複数の調査を集計し、オンラインショッピングの平均カゴ落ち率を約70%としています。

ただし、この数値は調査年や対象によって変動します。「おおよそ7割前後」という目安として捉えるのが現実的です。自社の数値が高いか低いかは業種・商材・価格帯でも変わるため、外部の平均値と単純に比較するよりも、自社の数値を継続して計測し、その推移を見るほうが判断に役立ちます。

出典:Baymard Institute「Cart Abandonment Rate Statistics」

自社のカゴ落ち率を測るには、カート投入数と購入完了数を取得し、上の式で算出します。GA4なら、「探索」の目標到達プロセス(ファネル)で「カート投入 → 購入完了」のステップを設定すると、どの段階でどれだけ離脱しているかを確認できます。まず計測の仕組みを整えてから対策に入ると、施策の効果を比較しやすくなります。

ECサイト全体のコンバージョン率を改善する観点について詳しく解説している記事もございますので、あわせてご参照ください。

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03|カゴ落ちの主な原因

カゴ落ちの原因は、大きく「コスト・タイミング要因」と「購入導線・入力フォームの摩擦要因」の2つに整理できます。どちらに当てはまるかで、打てる対策が変わってきます。

コスト・タイミング要因

送料や手数料が想定より高く購入直前で見送るケースや、まだ買う段階ではなく比較検討の途中だったケースが、これにあたります。Baymard Instituteの調査でも、決済の途中で離脱した理由として最も多いのは送料などの追加コストでした。「ただ見ていただけで、まだ買うつもりはなかった」という、サイト側の改善では回復が難しい理由も大きな割合を占めます。こうした要因は、価格設計や送料無料ラインの見直しなど、フォーム改善とは別の判断が必要になります。

出典:Baymard Institute「Cart Abandonment Rate Statistics」

購入導線・入力フォームの摩擦要因

もう一方が、購入手続きや入力フォームの使いづらさによる離脱です。同じBaymardの調査では、購入導線・フォーム側の理由として、次のようなものが挙げられています。

  • 会員登録(アカウント作成)を求められた
  • 購入手続きが長い、または複雑だった
  • サイトにエラーがあり、先に進めなかった
  • 使いたい決済手段が用意されていなかった

これらは、いずれも自社の設計で改善できる余地が大きい要因です。コスト・タイミング要因と異なり、フォームや購入導線の作り方を見直すことで離脱を減らせる可能性があります。なお、これらの理由は調査で個別に挙げられたものであり、単純に足し合わせて「この割合が摩擦で離脱している」と解釈できるものではない点には注意が必要です。

本記事では、この2つのうち、自社でコントロールしやすい「購入導線・入力フォームの摩擦」に焦点をあてて、次章以降で具体的な対策を見ていきます。

集客後の離脱を含めた取りこぼし全般の改善について詳しく解説している記事もございますので、あわせてご参照ください。

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04|カゴ落ちを減らす対策①

カゴ落ちのうち、自社でコントロールしやすいのは購入手続きと入力フォームの摩擦です。ここを減らすことが、優先度の高い対策になります。フォームの入力負担を軽くする取り組みは、一般にEFO(入力フォーム最適化)と呼ばれます。代表的な施策を整理します。

1. 入力項目を絞り、ゲスト購入を用意する

  • 入力項目が多いほど、完了までの負担は大きくなります。必須項目を本当に必要なものだけに絞り、任意項目と明確に区別します。あわせて、会員登録を必須にせず、登録なしで購入できる「ゲスト購入」を用意すると、登録を理由とした離脱を減らせます。会員登録は購入後に任意で案内する形にする方法もあります。

2. 購入手続きをステップ化し、進捗を見せる

  • 長い入力画面は、それだけで負担に感じられます。手続きを複数のステップに分け、「あと何ステップで完了するか」を示すことで、ゴールまでの距離が見えやすくなります。1画面あたりの入力量を減らすことが、途中離脱の抑制につながります。

3. 入力支援機能で手戻りを減らす

  • 郵便番号からの住所自動補完、入力直後に誤りを知らせるリアルタイムエラー表示、全角・半角の自動変換などの入力支援は、入力ミスによる差し戻しを減らします。送信ボタンを押した後にエラーで戻される体験は離脱につながりやすいため、入力中にその場で気づける設計が有効です。

4. スマートフォンの入力負担を下げる

  • スマートフォンはタップできる範囲やキーボードの切り替えがパソコンと異なり、入力の負担が大きくなりがちです。スマートフォン経由の流入が多いのにカゴ落ちが目立つ場合は、ボタンの大きさや配置、入力欄の見やすさ、ステップフォーム化など、スマートフォンを前提とした調整の優先度が上がります。

5. 決済手段を増やし、合計金額を早めに示す

  • 使いたい支払い方法が用意されていないことは、購入直前の離脱につながります。主要な決済手段をそろえることで、この理由による取りこぼしを抑えられます。あわせて、送料や合計金額を購入手続きの早い段階で提示すると、最終画面で想定外の金額に気づいて離れてしまう状況を避けやすくなります。

これらの施策は、すべてを一度に行う必要はありません。自社のフォームでどの段階の離脱が大きいかを計測し、影響の大きいところから一つずつ改善し、効果を確認しながら進めると、無駄な工数を抑えられます。

EFOとLPOの違いや入力フォーム最適化の考え方について詳しく解説している記事もございますので、あわせてご参照ください。

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05|カゴ落ちを減らす対策②

購入導線や入力フォームの摩擦を整えたうえで、いったん離脱したユーザーを呼び戻す手段もあります。購入導線そのものの改善とは性格が異なり、取りこぼしを後から回収する位置づけです。

代表的なのが、カートに商品を残したまま離脱した人へ、後からメールで再訪を促すカート復帰メール(リマインドメール)です。ほかに、訪問者へ広告を配信するリターゲティング広告や、離脱を検知して表示するポップアップ・クーポンも使われます。

ただし、これらはあくまで回収の手段です。購入手続きに大きな摩擦が残ったままだと、呼び戻したユーザーが同じ場所で再び離脱してしまいます。まず摩擦を減らし、そのうえで回収施策を組み合わせる。この順序だと効果が安定しやすくなります。

コンバージョン率を高める具体的な施策全般について詳しく解説している記事もございますので、あわせてご参照ください。

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06|Squad beyondで一体改善する

ここまで見てきたように、カゴ落ち対策の中心は購入導線と入力フォームの摩擦を減らすことにあります。こうした改善を、ページの制作から検証まで一つの環境で進められると、施策の往復が早くなります。

Squad beyondは、記事LPやスワイプLPといった購入導線の制作と、ABテスト・ヒートマップ解析を一つのプラットフォーム上で進められるマーケティングツールです。フォーム機能はステップフォーム対応や条件分岐、全角・半角の自動変換といったバリデーションを標準で備えており、エンジニアの工数を大きく増やさずに、入力フォームや購入導線の摩擦を減らす施策とその検証を進められます。LPとフォームを別々のツールで運用していると改善履歴やテスト結果が分断されがちですが、制作と検証を同じ環境で扱えると、どの施策がどう効いたかを追いやすくなります。(参考: Squad beyond Knowledge(フォーム機能)

「自社のフォームのどこに摩擦があるか整理したい」「LP改善とフォーム改善をどう連動させるか相談したい」といった段階であれば、現在の運用状況に合わせた進め方を個別にご案内することもできます。

購入導線となるLPの設計やLPO対策の進め方について詳しく解説している記事もございますので、あわせてご参照ください。

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07|カゴ落ちについてよくある質問(FAQ)

Q. カゴ落ち率の平均はどのくらいですか。

A. Baymard Instituteの集計では、オンラインショッピングの平均カゴ落ち率は約70%とされています。ただし調査年や対象によって数値は変動し、業種・商材・価格帯によっても水準は異なります。外部の平均値はあくまで目安とし、自社のカゴ落ち率を継続して計測し、その推移で判断するのが現実的です。

Q. カゴ落ちはゼロにできますか。

A. ゼロにするのは現実的ではありません。「まだ購入する段階ではなく、比較検討の途中だった」というように、サイト側の改善では回復が難しい離脱が一定数含まれるためです。すべての離脱をなくそうとするのではなく、会員登録の要求や手続きの長さといった、改善できる摩擦要因に絞って取り組むほうが効果につながります。

Q. カート復帰メールと入力フォームの改善は、どちらを先に行うべきですか。

A. 計測結果によります。カートに入れた後や入力の途中での離脱が大きい場合は、購入導線・入力フォームの摩擦を減らすほうが先です。購入手続きに摩擦が残ったままメールで呼び戻しても、同じ場所で再び離脱しやすいためです。カート復帰メールは、購入導線を整えたうえで取りこぼしを回収する補完的な手段として位置づけると効果が安定します。

Q. スマートフォンのカゴ落ちが多いのはなぜですか。

A. スマートフォンはタップ範囲やキーボードの切り替えなど、入力の負担がパソコンより大きくなりやすいためです。入力欄が多い、ボタンが押しにくい、決済手段が限られるといった摩擦が、スマートフォンではより離脱につながりやすくなります。ステップフォーム化や入力支援機能、決済手段の拡充などで負担を下げると、改善の余地があります。

08|まとめ

カゴ落ちとは、商品をカートに入れたまま購入を完了せずに離脱してしまう状態です。カゴ落ち率は「(1 − 購入完了数 ÷ カート投入数)× 100」で求められます。平均は約70%前後とされますが、外部の数値は目安にとどめ、自社で計測した数値の推移で判断することが出発点になります。

原因は、コスト・タイミング要因と、購入導線・入力フォームの摩擦要因に大きく分かれ、自社で改善しやすいのは後者です。ゲスト購入の用意、手続きのステップ化、入力支援、決済手段の拡充から摩擦の低減に着手し、カート復帰メールなどの回収施策を組み合わせると、取りこぼしを減らしやすくなります。

まずは自社のカゴ落ち率を測り、どの段階で離脱が大きいかを把握するところから始めてみてください。

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