Google広告の入札範囲拡大機能とは|設定と注意

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Google広告の入札範囲拡大機能とは|設定と注意

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目標広告費用対効果(目標ROAS)で運用していると、成果の出ている検索語句にばかり配信が集まり、新しいお客様を取りにいけていない気がする。かといって目標ROASを下げると、全体の効率が崩れそうで怖い。そんな悩みはありませんか。

Google広告には、目標ROASを決めた許容値の分だけ下げ、成果が見込める検索に絞って入札を広げる「スマート自動入札の入札範囲拡大機能(ベータ版)」があります。英語では Smart Bidding Exploration と呼ばれています。取りにいく検索の種類を増やせる代わりに、ROASが下がることを受け入れる前提の機能です。

Google広告のヘルプの日本語版と英語の新しいページを照らし合わせて、入札範囲拡大機能の仕組み、目標ROASを下げるのとの違い、対象のキャンペーンと設定の手順、効果の測り方を整理しました。検索の種類が増えたときのLPの考え方には6章で触れます。

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1. 入札範囲拡大機能とは

1-1. 目標ROASに「許容値」を設けて、入札を広げる

スマート自動入札の入札範囲拡大機能は、Google AIを使ってパフォーマンスの高い検索語句に入札する、オプトインの機能です。目標広告費用対効果の柔軟な目標値とGoogle AIを組み合わせ、すでに獲得の対象になっているトラフィックから、新しい検索や追加のコンバージョンを取りにいきます。その結果、固有の検索語句のカテゴリの数が増えるとされています(出典:スマート自動入札の入札範囲拡大機能(ベータ版)について|Google 広告 ヘルプ)。

設定すると、目標ROASが、選んだ許容値の分だけ下がります。ヘルプの例では、目標ROASが200%で許容値を10%にすると、有効な目標ROASは180%になります(出典:スマート自動入札の入札範囲拡大機能を設定する|Google 広告 ヘルプ)。許容値は5〜30%の範囲で選べます。

目標ROAS200%で許容値10%を選ぶと有効な目標ROASが180%になる例。許容値は5〜30%で、ターゲティングは広げない

1-2. ターゲティングは広げない

入札範囲拡大機能は、インテントマッチのキーワードのリーチを広げるものではなく、すでに対象になっている検索をより多く生かすための機能です。

ヘルプのよくある質問では、ターゲティング(キーワード、動的検索広告、AI最大化設定)を魚のいる釣り堀に、入札範囲拡大機能を釣り竿やリールにたとえています。機能を使っても釣り堀の大きさや魚の種類は変わらず、釣れるはずだった魚を確実に釣り上げるための道具だという説明です(出典:スマート自動入札の入札範囲拡大機能に関するよくある質問|Google 広告 ヘルプ)。

1-3. 目標ROASを下げるのと、何が違うか

同じよくある質問では、目標ROASを手動で下げると、一致したすべての検索語句で入札単価が一様に上がるものの、トラフィックの多様性は大きく増えないことが多いとしています。入札範囲拡大機能は、成果が見込める特定のトラフィックに絞って入札単価を上げるよう、スマート自動入札に指示する点が違います。

目標ROASを手動で下げる入札範囲拡大機能
入札の上げ方対象のすべての検索で一様に上げる成果が見込める特定のトラフィックに絞って上げる
ねらい目標値そのものを変える取りにいく検索の種類(トラフィックの多様性)を増やす

2. 使えるキャンペーンと条件

2-1. 日本語のヘルプは「検索のみ」、英語の新しいページは対象を広げている

日本語の概要のヘルプには、入札範囲拡大機能は「目標広告費用対効果」入札戦略を使う検索キャンペーンでのみ使えると書かれています(出典:スマート自動入札の入札範囲拡大機能(ベータ版)について)。

一方、英語の新しいページでは、対象を検索、ショッピング、P-MAXのキャンペーンとしています。Merchant Centerのフィードがあるかどうかを問わず、フィードのないP-MAXでは検索のトラフィックにだけ適用され、フィードのあるP-MAXでは1つの切り替えで検索とショッピングの両方に適用されるとしています(出典:How Smart Bidding Exploration for Search, Performance Max, and Shopping campaigns works|Google Ads Help)。自分のキャンペーンで設定項目が表示されるかを、管理画面で確かめてください。

2-2. 目標ROASと、予算の制限がないことが前提

条件は次のとおりです。

  • 入札戦略は目標広告費用対効果であること(コンバージョン値の最大化では使えない)
  • 予算による制限を受けていないこと。制限を受けていると有効にならず、有効にしたあとで制限を受けると、入札を広げる仕組みは止まる
  • 上限クリック単価(入札単価の制限)は使わないこと。使うと取りにいけるトラフィックが限られるため、ヘルプではすすめられていない

上記は、ベストプラクティスとよくある質問のヘルプに書かれている条件です(出典:スマート自動入札の入札範囲拡大機能: ベスト プラクティス|Google 広告 ヘルプ)。

予算による制限そのものについては「Google広告「予算による制限」とは?8月17日の入札変更と対処法」で解説しています。

よくある質問では、コンバージョン値の最大化で使えない理由を、コンバージョン値の最大化は1日の予算に上限がある広告主向けで、入札範囲拡大機能は予算に上限がなく、ROASの低下を受け入れて成果を広げたい広告主向けだからだと説明しています(出典:スマート自動入札の入札範囲拡大機能に関するよくある質問)。

3. 設定の手順

キャンペーンで有効にする手順は次のとおりです(出典:スマート自動入札の入札範囲拡大機能を設定する)。

  1. [キャンペーン]メニューの[キャンペーン]に移動し、編集するキャンペーンを選ぶ
  2. キャンペーンのページメニューで[設定]を選ぶ
  3. [入札範囲拡大機能]を開き、[スマート自動入札により新しいトラフィックが発掘されます]の横のチェックボックスをオンにする
  4. [保存]を選ぶ

ポートフォリオ入札戦略の設定から、ポートフォリオ単位で有効にすることもできます。その場合、そのポートフォリオ入札戦略を使っているすべてのキャンペーンで機能が有効になります。無効にするときは、同じ場所でチェックボックスをオフにします。

4. 効果の測り方

4-1. 見るのは「トラフィックの多様性」

ヘルプでは、効果を評価する主な指標を「トラフィックの多様性」としています(出典:スマート自動入札の入札範囲拡大機能(ベータ版)について)。入札戦略レポートや[キャンペーン]ページの列で、「インプレッションを獲得した固有の検索カテゴリ」「クリックを獲得した固有の検索カテゴリ」「コンバージョンを獲得した固有の検索カテゴリ」などを確かめられます。入札戦略レポートでは、許容値を反映した平均目標ROASと、実際のROASも並べて見られます(出典:スマート自動入札の入札範囲拡大機能のパフォーマンスを測定し、レポートを確認する|Google 広告 ヘルプ)。

検索カテゴリの内訳は、[分析情報]ページの検索語句に関するインサイトでも確かめられます。

4-2. 6週間以上、50件以上のコンバージョンを目安に

ヘルプでは、入札範囲拡大機能は少なくとも6週間は有効にすることがすすめられています。よくある質問では、評価の前に少なくとも50件のコンバージョンを集めることもすすめられています。新しく価値の高いトラフィックが多く見つかると、1〜2週間程度の学習期間が起きることがあるとされています(出典:スマート自動入札の入札範囲拡大機能に関するよくある質問)。

季節の需要の変化などと切り分けるには、キャンペーンのテストで、入札範囲拡大機能を有効にする以外の設定をすべて同じにした対照群と試験群を比べる方法がすすめられています(出典:スマート自動入札の入札範囲拡大機能: ベスト プラクティス|Google 広告 ヘルプ)。

入札範囲拡大機能を試す流れ。立ち上げ期間、有効にして6週間以上、50件以上のコンバージョンで評価

5. 入札範囲拡大機能で起きやすい失敗例

5-1. 失敗例1:目標ROASを上げて、下がる分を相殺しようとする

  • 症状:ROASが下がるのを避けたくて、機能を有効にするのと同時に目標ROASを引き上げると、新しい検索の種類がほとんど増えず、機能を使った意味がなくなる。
  • 原因:ヘルプでは、入札範囲拡大機能の影響を相殺するために目標ROASを引き上げることは、トラフィックの多様性を高める働きを制限するため、すすめられていません。オプトインしたあとは目標ROASを調整しないことも、テストのベストプラクティスに挙がっています(出典:スマート自動入札の入札範囲拡大機能: ベスト プラクティス)。
  • 対策:目標ROASは元の値に戻し、許容値でROASの低下の幅を決めます。下がる幅を小さくしたい場合は、許容値を5%など小さめに設定します。
  • 回避策:有効にする前に、どこまでのROASの低下を受け入れるかを社内で決めておきます。その幅に合わせて許容値を選ぶと、途中で目標値を動かさずに済みます。

5-2. 失敗例2:予算の制限を受けたまま有効にする

  • 症状:予算による制限を受けているキャンペーンで入札範囲拡大機能を有効にすると、設定はしたのに、新しい検索がほとんど取れない。
  • 原因:キャンペーンが予算による制限を受けている場合、入札範囲拡大機能は有効にならず、アラートが表示されます。有効にしたあとで予算の制限を受けた場合も、入札を広げる仕組みは無効になります。
  • 対策:予算による制限が出ていないかをキャンペーンの状態で確かめ、制限が出ている場合は予算を見直してから有効にします。
  • 回避策:入札範囲拡大機能は、予算に余裕があり、ROASの低下を受け入れて成果を広げたいキャンペーンで使うものと位置づけておきます。予算が限られるキャンペーンでは使わない判断もあります。

5-3. 失敗例3:立ち上げたばかりのキャンペーンで試す

  • 症状:新しく作ったキャンペーンで入札範囲拡大機能を有効にすると、成果が変わっても、機能の効果なのか、立ち上げ期間の変動なのかを見分けられない。
  • 原因:ヘルプでは、新しいキャンペーンで入札範囲拡大機能をテストすることはすすめておらず、実績のあるキャンペーンで試すよう案内しています。新しいキャンペーンで試す場合は、最初の立ち上げ期間(コンバージョンサイクル1〜2回分か7日間)を待ってから評価するとしています。
  • 対策:実績のあるキャンペーンで、キャンペーンのテストを使って対照群と比べます。立ち上げ期間はパフォーマンスの評価から外します。
  • 回避策:テストを始める前に、計測方法やターゲティング、クリエイティブの大きな変更を済ませておきます。期間中に大きな変更をした場合は、コンバージョンサイクル1〜2回分待ってから評価し直します。

6. Squad beyondで、増えた検索の意図ごとにLPを比べる

6-1. 新しい検索カテゴリの意図を確かめる

入札範囲拡大機能で取りにいく検索のカテゴリが増えると、これまでとは違う意図で検索した人が広告をクリックします。たとえば、これまで指名に近い検索が中心だったキャンペーンに、比較の言葉で検索した人が加わる、といった変化が考えられます。[分析情報]ページで増えた検索カテゴリを確かめ、今のLPの最初の画面で、その人たちの疑問に答えられているかを見直します。

6-2. 意図に合わせたLPをVersionで作り、CVを比べる

増えた検索の意図に合わせたLPを作り、元のLPと比べると、新しく取りにいったトラフィックを申し込みにつなげられているかを確かめられます。Squad beyondでは、既存のVersionを複製して、ファーストビューやCTAボタンだけを変えた版を作れます(出典:Versionを複製する|Squad beyond FAQ)。

beyondページの基本情報で媒体に「Google検索広告」などを選んでアカウントを連携すると、Squad beyondが取得しているCVを、1時間ほどでGoogle広告の管理画面に反映できます。MCV(マイクロコンバージョン)の反映は現状できません(出典:Google広告にSquad beyondのCVを反映する|Squad beyond FAQ)。

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7. Google広告の入札範囲拡大機能についてよくある質問(FAQ)

Q. スマート自動入札の入札範囲拡大機能とは何ですか?

目標広告費用対効果(目標ROAS)の入札戦略で使える、Google広告のオプトインの機能です。目標ROASを5〜30%の許容値の分だけ下げ、成果が見込める検索に絞って入札を広げることで、取りにいく検索の種類(トラフィックの多様性)を増やします。英語ではSmart Bidding Explorationと呼ばれ、ヘルプではベータ版とされています。ターゲティングそのものは広げません。

Q. 目標ROASを下げるのと、何が違いますか?

目標ROASを手動で下げると、対象のすべての検索で入札単価が一様に上がりますが、ヘルプでは、それだけではトラフィックの多様性は大きく増えないことが多いとしています。入札範囲拡大機能は、成果が見込める特定のトラフィックに絞って入札単価を上げるよう指示する点が違います。ROASの低下の幅は、許容値で決めます。

Q. P-MAXやショッピングのキャンペーンでも使えますか?

日本語の概要のヘルプには、検索キャンペーンでのみ使えると書かれています。一方、英語の新しいページでは、検索、ショッピング、P-MAXが対象とされ、フィードのないP-MAXでは検索のトラフィックにだけ適用されるとしています。ショッピングとP-MAXはキャンペーン単位の入札戦略が必要で、ポートフォリオに移すと自動で無効になるとされています。管理画面で設定項目が出るかを確かめてください。

Q. どのくらいの期間で効果を判断すればいいですか?

ヘルプでは、少なくとも6週間は有効にすることがすすめられ、評価の前に少なくとも50件のコンバージョンを集めることもすすめられています。新しい価値の高いトラフィックが多く見つかると、1〜2週間程度の学習期間が起きることがあります。季節の変化と切り分けるには、キャンペーンのテストで、機能の有無だけを変えた対照群と試験群を比べます。

Q. 増えた検索から来た人に、今のLPで対応できますか?

取りにいく検索の種類が増えると、これまでとは違う意図の人がLPに来ます。[分析情報]ページで増えた検索カテゴリを確かめ、その人たちの疑問に最初の画面で答えられているかを見直します。Squad beyondなら、Versionを複製してファーストビューを意図に合わせた版を作り、元のLPとCVを比べられます。結果を見て、成果の出る版に寄せていきます。

Q. LPのコンバージョンを入札に生かすにはどうすればいいですか?

入札範囲拡大機能はスマート自動入札の機能なので、Google広告に届くコンバージョンのデータが判断のもとになります。Squad beyondでは、beyondページの基本情報で媒体を選んでアカウントを連携すると、Squad beyondが取得しているCVを1時間ほどでGoogle広告に反映できます。LPで発生したCVをGoogle広告に届けておくと、広告とLPの成果を同じ管理画面で見られます。

8. まとめ

Google広告の入札範囲拡大機能は、目標ROASに5〜30%の許容値を設け、成果が見込める検索に絞って入札を広げるベータ版の機能です。目標ROASを手動で下げるのと違い、取りにいく検索の種類を増やすことをねらっていて、ターゲティングそのものは広げません。

使うには、目標広告費用対効果の入札戦略で、予算による制限を受けていないことが前提です。対象のキャンペーンは日本語のヘルプでは検索のみ、英語の新しいページでは検索・ショッピング・P-MAXと書かれているため、管理画面で確かめてから進めます。効果はトラフィックの多様性を中心に、6週間以上、50件以上のコンバージョンを目安に判断します。

ROASの低下を受け入れてでも新しいお客様を取りにいきたいときに、検討する価値のある機能です。増えた検索の意図に合わせてLPも見直し、新しく来た人を申し込みまでつなげられているかを確かめながら、許容値を調整してください。

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