Meta広告のGEMとは|配信を決めるAIと広告主の準備

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Meta広告のGEMとは|配信を決めるAIと広告主の準備

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Meta広告の成果が、設定を変えていないのに良くなったり悪くなったりする。管理画面からは、配信の裏側で何が起きているのかが見えない。

Meta広告の配信の裏側では、「GEM(Generative Ads Recommendation Model)」というAIの基盤モデルが動いています。Metaは2026年10月13日、GEMの2026年版で、Facebook、Instagram、Reelsといった面ごとに分かれていた予測を、1つの中心となるモデルにまとめたと公表しました(出典:Meta's Generative Ads Model (GEM): Scaling the Central Model and Compute Engine for Frontier Ads AI|Engineering at Meta)。

この記事では、Metaの公式発表をもとに、GEMとは何か、ほかの配信の仕組みとの関係、公表された成果の読み方、そして広告主が手を入れられるCVの計測とクリエイティブについてまとめます。

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1. Meta広告のGEMとは

1-1. 広告の配信を支えるAIの基盤モデル

GEMは、Metaが広告の推薦のために作ったAIの基盤モデルです。Metaは、GEMがほかの広告推薦モデルの力を高めて関連性の高い広告を出せるようにし、広告の成果と広告主のROIを高めると説明しています(出典:Meta's Generative Ads Model (GEM): The Central Brain Accelerating Ads Recommendation AI Innovation|Engineering at Meta)。

Metaの日本語のビジネス向けニュースでは「生成広告おすすめモデル(GEM)」と呼ばれ、数千個のGPUを使ってトレーニングした機械学習モデルで、広告製品の結果最適化によって広告パフォーマンスを改善するものと紹介されています(出典:広告主のパフォーマンスを高める: Metaの広告ランキングにおけるAIイノベーション|Meta for Business)。

1-2. 2025年に導入され、2026年版で1つのモデルに統合された

GEMは2025年に導入されました。2025年3月27日のMetaのニュースでは、同年初めにReelsでGEMを導入した結果、広告のコンバージョンが5%増え、その後、広告システムでの利用を広げたと書かれています(出典:広告主のパフォーマンスを高める: Metaの広告ランキングにおけるAIイノベーション|Meta for Business)。

2026年10月13日の発表では、2026年版のGEMについて、Facebook、Instagram、Reelsのような領域ごとの最適化から、1つの中心となる基盤モデルに移ったと説明されています。Metaのすべての広告プラットフォームのデータとシグナルから学び、認知・検討・コンバージョンのファネル全体を最適化するとしています(出典:Meta's Generative Ads Model (GEM): Scaling the Central Model and Compute Engine for Frontier Ads AI|Engineering at Meta)。

以前は、面と最適化の目的ごとに独立した予測の仕組みがありました。2026年版のGEMは、FacebookとInstagramを含むすべての面で、オフサイトのコンバージョンからアプリのインストールまでの主な目的について、クリックとコンバージョンを同時に予測します(出典:同上)。

1-3. GEMが学ぶ材料|広告主の目標・クリエイティブ・計測のシグナル

Metaは、GEMが学ぶ広告データとして、広告主の目標、クリエイティブの形式、計測のシグナル、複数の配信チャネルでのユーザーの行動を挙げています。モデルに入る特徴には、行動の履歴のほか、広告の形式やクリエイティブの表現も含まれます(出典:Meta's Generative Ads Model (GEM): The Central Brain Accelerating Ads Recommendation AI Innovation|Engineering at Meta)。

また、クリックやコンバージョンのような意味のあるシグナルは非常に少ないと書かれています(出典:同上)。2026年版では、データの多いクリックの予測で学んだことを、データの少ないコンバージョンの予測に生かす仕組みになっています(出典:Meta's Generative Ads Model (GEM): Scaling the Central Model and Compute Engine for Frontier Ads AI|Engineering at Meta)。

Meta広告のGEMが学ぶ材料(広告主の目標・クリエイティブ・計測のシグナル・ユーザーの行動)と、2026年版で面ごとの予測が1つの中心の基盤モデルにまとめられたことを示した図

2. GEMとLattice・Andromedaの関係

Metaは、広告ランキングのAIとして、GEMのほかにLatticeとAndromedaも紹介しています(出典:広告主のパフォーマンスを高める: Metaの広告ランキングにおけるAIイノベーション|Meta for Business)。

仕組みMetaの説明
GEM生成広告おすすめモデル。大量のデータを学び、関連性の高い広告を届ける
Lattice広告ランキングのアーキテクチャ。キャンペーンの目的とサーフェス全体の学習を一般化し、目的やサーフェスごとの多数の小型モデルに代わる
Andromeda2024年に導入。数千万件の広告から数千件に表示候補を絞る「広告検索」を担う

出典:広告主のパフォーマンスを高める: Metaの広告ランキングにおけるAIイノベーション|Meta for Business(2025年3月27日)

このニュースでは、Andromedaについて、ビジネスがクリエイティブ多様化戦略の一環で数多くのクリエイティブをアップロードすればするほど、適切なクリエイティブが選ばれるようになると説明されています(出典:同上)。GEMの2026年版とLatticeは、どちらも面や目的ごとに分かれていたモデルを、1つの大きなモデルで学ばせる方向の説明です。Meta広告の最適化全体の考え方は「Meta広告の最適化とは?成果を安定させる考え方と実践手順」で解説しています。

3. 公表された成果と、その読み方

3-1. 2026年版:コンバージョン18.9%、CTR 12%の改善

Metaは、GEMが広告の面と目的全体でコンバージョンを18.9%、広告のCTRを12%改善したと公表しています。さらに、過去1年で、対象のユーザーについてFacebookで5.8%、Instagramで4.1%、オフサイトのコンバージョンで1.6%の改善に寄与したとしています(出典:Meta's Generative Ads Model (GEM): Scaling the Central Model and Compute Engine for Frontier Ads AI|Engineering at Meta)。

2025年の発表では、ローンチ以降、第2四半期にInstagramの広告コンバージョンが5%、Facebookフィードで3%増えたとされていました(出典:Meta's Generative Ads Model (GEM): The Central Brain Accelerating Ads Recommendation AI Innovation|Engineering at Meta)。

3-2. 期間と比較対象が書かれていない数字がある

2026年版の18.9%と12%については、いつからいつまでの期間で、何と比べた数字なのかが記事に書かれていません。過去1年という期間が付いているのは、5.8%・4.1%・1.6%のほうです(出典:Meta's Generative Ads Model (GEM): Scaling the Central Model and Compute Engine for Frontier Ads AI|Engineering at Meta)。

どれもMetaが自社の広告全体について公表した数字で、個別の広告アカウントの成果を約束するものではありません。社内の報告で使うときは「Metaの公表値」と添え、自社の期待値には自社のデータを使いましょう。

4. 広告主にとって何が変わるか

4-1. 設定で選ぶ機能としては案内されていない

GEMについての公式の発表には、広告主が管理画面でGEMを選んだり外したりする方法は書かれていません。GEMは、配信の裏側で予測を担う基盤モデルとして説明されています(出典:Meta's Generative Ads Model (GEM): Scaling the Central Model and Compute Engine for Frontier Ads AI|Engineering at Meta)。キャンペーンの設定で自動化を選ぶ「Advantage+」とは、位置づけが違います。Advantage+の変更点は「Advantage+キャンペーン統合とは?ASC終了の変更点と備え方」にまとめています。

4-2. 広告主が整えられるのは、計測とクリエイティブ

GEMが学ぶ材料には、計測のシグナルとクリエイティブの形式・表現が含まれます(1-3)。配信の予測そのものに広告主は手を入れられませんが、Metaに送るコンバージョンの計測と、入稿するクリエイティブは広告主が整えられます。Metaのニュースでも、クリエイティブを多くアップロードするほど適切なクリエイティブが選ばれるようになると説明されています(2章)。

クリエイティブの組み合わせを自動で試す方法は「Meta広告のダイナミッククリエイティブとは?設定と限界」で解説しています。

5. GEMの時代のMeta広告でよくある失敗例

5-1. 失敗例1:公表値をそのまま自社の目標にする

  • 症状:「GEMでコンバージョンが18.9%上がる」と社内で伝え、それを自社のキャンペーンの改善目標にすると、目標と実績の差の理由を説明できず、施策の判断を誤ることになる。
  • 原因:18.9%と12%は、Metaが広告の面と目的全体について公表した数字で、記事には期間と比較対象が書かれていません(出典:Meta's Generative Ads Model (GEM): Scaling the Central Model and Compute Engine for Frontier Ads AI|Engineering at Meta)。個別のアカウントに同じ改善が出ることを示すものではありません。
  • 対策:社内の資料では「Metaの公表値(期間・比較対象は非公開)」と添えます。自社の目標は、自社のアカウントの過去の実績から決めます。
  • 回避策:媒体が公表する改善率は、仕組みが変わったことを知る材料として扱い、成果の見込みには使わない、というルールをチームで決めておきます。数字を引用するときは、出典と条件を必ず一緒に書きます。

5-2. 失敗例2:コンバージョンの計測が欠けたまま配信する

  • 症状:LPの先の外部サイトで起きたコンバージョンをMetaに送っていない状態で配信を続けると、管理画面のコンバージョンが実際より少なく見え、配信の最適化もその少ない結果をもとに進むことになる。
  • 原因:MetaはGEMが学ぶ材料として計測のシグナルを挙げており、クリックやコンバージョンのような意味のあるシグナルは非常に少ないと説明しています(出典:Meta's Generative Ads Model (GEM): The Central Brain Accelerating Ads Recommendation AI Innovation|Engineering at Meta)。Metaに届いていないコンバージョンは、その材料に入りません。
  • 対策:コンバージョンが起きる場所までの計測を見直し、Metaに送る経路を整えます。ピクセルとサーバーからの送信を併用するなら、同じコンバージョンが二重に数えられないように重複を除く設定もあわせて行います。
  • 回避策:新しいLPや外部の申込フォームに切り替えるときは、Metaのイベントマネージャでコンバージョンが受信されているかを確認するところまでを、公開の手順に含めておきます。

5-3. 失敗例3:クリエイティブを1本に絞って配信する

  • 症状:成果の良いクリエイティブ1本だけで配信を続けると、配信の仕組みが選べる候補が少なくなり、反応が落ちたときに切り替える先がない状態になる。
  • 原因:Metaは、ビジネスがクリエイティブ多様化戦略の一環で数多くのクリエイティブをアップロードすればするほど、Andromedaが適切なクリエイティブを選べるようになると説明しています(出典:広告主のパフォーマンスを高める: Metaの広告ランキングにおけるAIイノベーション|Meta for Business)。GEMもクリエイティブの形式と表現を材料に学びます。
  • 対策:訴求や表現の違うクリエイティブを複数用意して入稿します。クリエイティブごとにLPの成果を見られるようにしておくと、どれを残すかを判断しやすくなります。
  • 回避策:クリエイティブを作るときに、LPの訴求と組み合わせて複数の案を出す流れを決めておきます。入稿のたびにクリエイティブを見分けられるパラメーターを付けておくと、後から成果を比べられます。

6. Squad beyondで、CVをMetaに返し、LPの成果を見る

6-1. Squad beyondのCVをMeta広告に反映する

Squad beyondでは、Squad beyondで計測したCVをMeta広告に反映できます。Meta広告の管理画面でピクセルを発行し、Squad beyondでCVタグを作ってbeyondページを追加し、サンクスページのURLを入れたうえで、Versionの基本情報にピクセルIDとアクセストークンを入力します。設定すると1時間ほどで、Squad beyondが取得しているCLICK(MCV)とCVがMetaの管理画面に反映されます(出典:Meta広告(Facebook広告/Instagram広告)にSquad beyondのCVを反映する|Squad beyond FAQ)。

送られるのは、計測機能付きリンクのクリックがViewContent、Squad beyondのレポートに反映されるCVがPurchaseです。Meta側の広告セットのコンバージョンイベントがPurchase以外だと、送ったCVが広告の成果として反映されない可能性があるため、Meta側の設定もあわせて確認します(出典:同上)。MCVの考え方は「マイクロコンバージョン(MCV)とは|定義・設定手順を解説」で解説しています。

6-2. ピクセルの計測との重複を除く

Metaピクセルとあわせて使う場合は、重複を除く設定ができます。Squad beyondは、Squad beyondで作ったLPにアクセスがあったときに一意の squadbeyond_uid を発行します。これをMetaピクセルの eventID と、Squad beyondからMetaへ送るポストバック(CAPI)の event_id の両方に使うと、Meta側で同じイベントと判定され、重複が除かれます(出典:Meta広告CVポストバック時のピクセル計測との重複除外について|Squad beyond FAQ)。

6-3. クリエイティブごとの成果をLPで見る

Meta広告の入稿時に「ウェブサイトのURL」にパラメーターを付けると、Branch Operationでパラメーターごとにクリエイティブの情報を確認できます。URLダイナミックパラメーターで入稿したり、「URLパラメーター」の欄に書いたりすると見られなくなる点に注意が必要です(出典:Meta広告(Facebook広告/Instagram広告)のクリエイティブデータをレポートに反映する|Squad beyond FAQ)。

Squad beyondで計測したCVをMeta広告に返す流れと、送られるイベント、Meta側の確認点、ピクセルとの重複除外、クリエイティブ別の成果の見方を示した図

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7. Meta広告のGEMについてよくある質問

Q. GEMは管理画面で設定するものですか?

公式の発表には、広告主が管理画面でGEMを選んだり外したりする方法は書かれていません。GEMは、Metaの広告の配信の裏側で、クリックやコンバージョンを予測する基盤モデルとして説明されています。GEMで学んだことは、利用者に広告を出す下流のモデルに移して使われます。キャンペーンの設定で自動化の範囲を選ぶAdvantage+とは、位置づけが違います。

Q. GEMはいつから使われていますか?

Metaは2026年10月13日の発表で、GEMを前の年に導入したと書いており、2025年3月27日のニュースでは、同年初めにReelsで導入したと説明しています。2026年10月13日には、面ごとに分かれていた予測を1つの中心のモデルにまとめた2026年版について公表しました。国ごとの導入時期は、公式の発表には書かれていません。

Q. 18.9%の改善は、自社の広告でも期待できますか?

18.9%と12%は、Metaが広告の面と目的全体について公表した数字で、期間と比較対象は書かれていません。個別のアカウントで同じ改善が出ることを示す数字ではないので、自社の期待値には自社の過去の実績を使ってください。媒体の仕組みが変わったときは、変わる前後の自社の成果を同じ条件で比べると判断しやすくなります。

Q. 広告主がやっておくべきことはありますか?

GEMは計測のシグナルやクリエイティブの形式・表現を材料に学ぶと説明されています。広告主が整えられるのは、Metaに送るコンバージョンの計測と、入稿するクリエイティブです。外部のサイトで起きるCVをMetaに送れていないなら、送る経路を整えましょう。Squad beyondでLPを配信しているなら、Squad beyondで計測したCVをMeta広告に反映できます。

Q. ピクセルとSquad beyondの両方からCVを送ると、二重に数えられませんか?

重複を除く設定ができます。Squad beyondは、Squad beyondで作ったLPにアクセスがあったときに squadbeyond_uid を発行します。これをMetaピクセルの eventID と、Squad beyondからMetaへ送るポストバックの event_id の両方に使うと、Meta側で同じイベントと判定され、重複が除かれます。設定の手順とコードの例はSquad beyondのFAQに載っています。

Q. クリエイティブは何本くらい用意すればいいですか?

本数の目安は、公式の発表には書かれていません。Metaは、クリエイティブ多様化戦略の一環で多くのクリエイティブをアップロードするほど、Andromedaが適切なクリエイティブを選べるようになると説明しています。訴求や表現の違う案を複数入稿し、どれが成果につながっているかを見て入れ替えましょう。入稿のURLにパラメーターを付けておけば、Squad beyondのBranch Operationでクリエイティブごとの成果を確認できます。

8. まとめ

GEMは、Metaが広告の推薦のために作ったAIの基盤モデルです。2025年に導入され、2026年版でFacebook・Instagram・Reelsなど面ごとの予測が1つの中心のモデルにまとめられました。学ぶ材料には、広告主の目標、クリエイティブの形式と表現、計測のシグナル、ユーザーの行動が含まれます。

公表されたCV 18.9%・CTR 12%の改善は、期間と比較対象が書かれていないMetaの公表値なので、自社の期待値には使えません。管理画面でGEMを選ぶ方法は案内されておらず、広告主が整えられるのはMetaに送るCVの計測とクリエイティブです。Andromedaについても、多くのクリエイティブをアップロードするほど適切なものが選ばれると説明されています。

配信の予測がMetaの大きなモデルにまとまるほど、広告主が手を入れられる場所は、送る計測と入稿するクリエイティブ、そして遷移先のLPに絞られます。Squad beyondでは、計測したCVをMeta広告に反映し、クリエイティブごとの成果をLPで確認できます。

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